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日商簿記2級は経営管理に役立つ知識であり、企業から最も求められる資格の1つです。しかし、簿記2級は一般的に難易度が高いといわれており、「受かる気がしない」という声も多く聞かれます。
本記事では、日商簿記2級を難しいと感じる理由や対策方法について解説します。実際に合格した人の声も紹介しますので、参考にしてください。
目次
簿記2級に受かる気がしない・難しいと感じる5つの理由
簿記2級に受かる気がしないと感じた時の対策
実際に簿記2級に合格した方へのアンケート
実際に簿記2級に合格した方の声
簿記2級を活かしたキャリア
USCPA(米国公認会計士)という選択肢
簿記2級とUSCPA(米国公認会計士)の比較
簿記2級に受かる気がしない・難しいと思った場合は別の資格も検討してみよう
日商簿記2級は実務で活かすことができる経理能力が問われる試験です。「商業簿記」のみの簿記3級と違って、「工業簿記」の問題が追加されます。
会計処理もより複雑になるため、難しいと感じる方も少なくないでしょう。試験範囲が変更されることも多く、簿記3級と比較して難しくなったという声も上がっています。
ここでは、簿記2級が難しいと感じる以下の大きな理由を5つ見ていきましょう。
簿記2級の直近5回の合格率は次の通りです。
回 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
169(2025.2.23) | 7,118人 | 1,486人 | 20.9% |
168(2024.11.17) | 7,589人 | 2,187人 | 28.8% |
167(2024.6.9) | 6,310人 | 1,442人 | 22.9% |
166(2024.2.25) | 8,728人 | 1,356人 | 15.5% |
165(2023.11.19) | 9,511人 | 1,133人 | 11.9% |
過去5回の試験合格率の平均は20.0%です。回によっては20%を下回っている時もありますが、全体からみるとおよそ5人に1人が合格できる試験であることが分かります。
一方で簿記3級の直近5回の合格率を見てみましょう。
回 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
169(2025.2.23) | 21,026人 | 6,041人 | 28.7% |
168(2024.11.17) | 19,588人 | 5,785人 | 29.5% |
167(2024.6.9) | 20,927人 | 8,520人 | 40.7% |
166(2024.2.25) | 23,977人 | 8,706人 | 36.3% |
165(2023.11.19) | 25,727人 | 8,653人 | 33.6% |
同期間の簿記3級の平均合格率は33.76%です。過去5回の試験合格率のほとんどが40%を下回っているものの、167回のように40%以上の合格率となっている場合もあります。
合格率の観点で簿記3級と比較した場合、簿記2級の合格率は低く、難易度は高いといえるでしょう。
参照:日本商工会議所・各地商工会議所「簿記|受験者データ|2級受験者データ(統一試験)」
参照:日本商工会議所・各地商工会議所「簿記|受験者データ|3級受験者データ(統一試験)」
関連記事:アビタスUSCPA「簿記2級の合格率は低い?合格の難易度を学習範囲・勉強時間から解説」
簿記の試験を受験する方の中には、最初に簿記3級を受けて合格し次に簿記2級に挑むというケースが多く見られます。
簿記3級は簿記2級と比較して合格率も高く、難易度の高い試験とはいえません。人によっては、簡単な試験対策のみで簿記3級に合格できる場合もあるでしょう。
簿記2級の試験問題は、簿記3級の内容を理解していることを前提に作られています。そのため、簿記3級の範囲である簿記の基礎がしっかり理解できていない方にとっては、簿記2級を難しく感じることがあります。
簿記3級の試験範囲は「商業簿記」のみですが、簿記2級では「工業簿記」が追加されます。そのため、簿記2級で初めて工業簿記の考え方や概念に触れる方も多いでしょう。
工業簿記の場合、資料の読み取りが必要になる問題が少なくありません。図や表を書いて考えたほうが解きやすい問題もあります。
さらに、商業簿記では使わない専門用語も数多く出てくるため、対応できない方もいるでしょう。
工業簿記と商業簿記は「別のもの」だと考えて取り組むことが大切です。
簿記2級は経理の現場のニーズに合わせるために、試験範囲が頻繁に変更されます。出題の傾向も徐々に変化しています。
そのため、古い問題集で勉強すると試験範囲が異なる可能性があり、注意が必要です。
例えば、2017〜2018年度に「連結会計」「税効果会計」など、従来簿記1級の範囲だった科目が簿記2級に変更されました。また、2016年度からは、「クレジット売掛金」や「自社利用目的のソフトウェア」についても出題範囲となっています。
2022年度からは「収益認識基準」が適用されています。このように、頻繁に試験範囲が変更されるため、難しいと感じることもあるでしょう。
試験対策として過去問演習を中心に行う方もいるでしょう。しかし、先述したように、簿記2級は頻繁に範囲の改定が行われている試験です。
また、過去問とは異なるタイプの問題を出題するという傾向も見られます。
そのため、実際の試験を受けた時に「初めて見る問題が出てきた」「過去問題演習で熱心に取り組んだ問題は出題されなかった」という事態が生じがちです。
過去問演習は過去1年分くらいに絞り、最新の情報を取り入れながら勉強するよう心がけましょう。
簿記2級に受かる気がしないと感じた場合、どのような対策を取ればよいのでしょうか。
簿記2級を独学する場合、初学者ならば350~500時間の勉強時間が必要だといわれています。まず、勉強時間の確保を意識しましょう。
また、出題範囲が頻繁に改定されるため、適切なテキストや問題集を選ぶことも必要です。
それ以外に注目したいポイントを3つ見ていきましょう。
簿記2級の合格には、簿記3級の内容をしっかり理解しておくことが欠かせません。
既に簿記3級に合格していても、実はしっかり内容は理解できていない、という方もいるでしょう。そのような場合は、まず簿記3級の内容を見直すことが大切です。
財務諸表、帳簿、精算表などの理解ができているか、簿記3級レベルの仕訳は問題なくできているか、確認してみましょう。
簿記2級の問題は簿記3級を理解したことを前提に作成されているため、基礎を理解することが大切です。
簿記2級の範囲には「商業簿記」と「工業簿記」の2種類があります。この2つは同じ「簿記」ですが、大きく異なる部分があるため、別の科目としてとらえると理解しやすくなるでしょう。
どちらから取り組むか迷う場合は、まず商業簿記から取り組むことをおすすめします。簿記3級で基礎を学んでいるため、初めて目にする工業簿記に比べれば、理解しやすい点が多いからです。
商業簿記を理解した上で工業簿記に取り組むと、比較的スムーズに学習を進めることができるでしょう。
先述したように、簿記は頻繁に出題範囲が変更されています。また、問題の傾向も変わるため、過去問題演習にのみ固執するのは得策ではありません。
予想問題も含め、バランスよく取り組むことが大切です。
1度間違えた問題はそのままにせず、間違えずに解けるようになるまで何度も取り組みましょう。
さらに、簿記2級に受かるためには、電卓の使い方をしっかりマスターしておくとよいでしょう。電卓に馴染むためにも、問題演習を何度も行うことが大切になります。
簿記2級に合格した方に対して独自にアンケート調査を行いました。ここでは、「何回目の試験で合格したか」「実際に合格してどうだったか」にスポットを当ててアンケート結果を紹介します。
※アンケート概要
・期間:2022年2月3日~2022年2月17日
・調査方式:アンケート調査
・回答数:100件
簿記2級の合格者に「何回目の試験で合格したか」を質問したところ、下記の結果となりました。
回数 | 人数 |
1回目 | 58 |
2回目 | 28 |
3回目 | 11 |
4回目 | 3 |
アンケートによると、1回目で合格する方が最も多くなっていますが、2回目以降に合格した方も約4割という結果となりました。
3回目、4回目の試験でようやく合格したという方も珍しくなく、試験の難易度の高さが伺えます。
1度の試験結果だけで諦めず、再度挑戦してみることが大切だといえるでしょう。
次に合格者の声を紹介します。
簿記3級と比較して試験の難易度が高いため、資格としての価値を感じている方が多く見られました。
簿記2級に合格したことで、就職・転職などの際に有利となったという方も少なくありません。
経理部門はもちろん、営業や販売、製造部門をはじめ、ビジネス全般で役立つ知識といえるでしょう。
簿記2級は、企業の経理・会計をはじめ、営業や管理部門など多くのビジネスシーンで活用できます。
2023年に「日経転職版」が行った意識調査の結果によると、日商簿記2級は「役立つ資格ランキング(総合)」で第8位となっています。また、同調査の「経理・財務・会計」部門では日商簿記2級が第1位です。
なお、同部門においては1位から3位までを全て日商簿記検定が占めており、「経理・財務・会計」分野において簿記の知識が大変役立つことが分かります。
簿記2級が具体的に活用できる主な職業・職種は下記の通りです。
工業簿記の知識は、製造業の経理部門や経営管理部門への転職に役立ちます。
簿記の知識は、経理部門だけでなく、営業や人事など他の部門でも存分に活かすことが可能です。
税理士事務所や会計事務所では実務経験を求められる場合もありますが、未経験でも簿記資格があれば応募可能な会社も少なくありません。
規模が大きい会社ほど簿記の知識を持つ人材のニーズは大きくなる傾向が見られます。商社や金融、製造、小売、サービス業では簿記検定合格を義務付けている企業もあるほどです。
参照:日経転職版「転職市場・雇用環境を知る|900人超が回答! 役立つ資格ランキング」
簿記2級と似た資格に、USCPA(米国公認会計士)があります。
USCPAは会計と英語を操れる人材であることの証明になる資格です。就職・転職・キャリアアップにつながるとして近年注目度が増しています。
世界的な認知度が高いため、グローバルに活躍したい人におすすめの資格です。
監査法人・税務業務等にとどまらず多くのフィールドで活躍できるため、簿記2級とともに資格取得を検討してみてもよいでしょう。
関連記事:アビタス「USCPAとは?魅力や取得後のキャリア・難易度・試験内容を詳しく解説」
簿記2級とUSCPA(米国公認会計士)を比較すると次の通りです。
項目 | 簿記2級 | USCPA(米国公認会計士) |
---|---|---|
活かせる職業 | 日本の一般企業 | 監査法人 税理士法人 事業会社の財務 経理・コンサルティング企業など |
勉強時間 | 350~500時間(初学者の場合) | 1,200~1,500時間 |
勉強範囲 | 商業簿記 工業簿記 |
【必須科目】 ・FAR(財務会計) ・AUD(監査及び証明業務) ・REG(税法及び商法) 【選択科目】 ・BAR(ビジネス分析及び報告) ・ISC(情報システム及び統制) ・TCP(税法遵守及び税務計画) |
合格率 | 20.9% (169回の合格率) |
約52.9% (2024年の全科目の平均合格率) |
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
参照:日本商工会議所・各地商工会議所「簿記|受験者データ|2級受験者データ(統一試験)」
参照:AICPA & CIMA「Resources|Learn more about CPA Exam scoring and pass rates」
USCPAはアメリカの会計士資格で初学者でも合格できる試験です。海外で働けるグローバルな人材に必要なスキルが得られる資格としても近年人気が出ています。
取得後のキャリアは、会計職はもちろん経営企画や外資系コンサルタントなど活躍の場が広いことが特徴です。
主な就職・転職先は次の通りです。
USCPAは監査法人だけに限らず、一般企業での経理・財務、CFO・CEOなどのトップマネジメントを含めた幅広いポジションで活躍しています。
国内外問わずグローバルな業種に就職・転職を希望する場合、USCPAは有利な資格といえるでしょう。
一方、簿記2級は日本の一般企業での就職を考えている場合、認知度が高く有利に働きます。
簿記2級の勉強時間は、全くの初学者か、簿記3級に合格しているか、独学かによって大きく変わります。 ここでは簿記初学者を想定して比較します。
簿記2級に必要な勉強時間は全くの初学者なら350〜500時間程度とされています。 一方、USCPAの資格取得に必要な勉強時間は1,200〜1,500時間程度です。
1日あたり1〜2時間勉強した場合、簿記2級で12カ月以上、USCPAは1日2時間の勉強の場合、1年半〜2年かかる計算となり、簿記2級のほうが短期間で済むといえるでしょう。
簿記2級とUSCPA、それぞれの科目は下記の通りです。
資格 | 科目 |
---|---|
簿記2級 | ・商業簿記 ・工業簿記 |
USCPA(米国公認会計士) | 【必須科目】 ・FAR(財務会計) ・AUD(監査及び証明業務) ・REG(税法及び商法) 【選択科目】 ・BAR(ビジネス分析及び報告) ・ISC(情報システム及び統制) ・TCP(税法遵守及び税務計画) ※必須科目3科目+選択科目1科目の4科目 |
USCPAは相対評価ではなく、各科目75点というボーダーラインを超えれば合格できる試験です。科目ごとの受験が可能なので、勉強が終わった科目から受験することができます。
日本国内で受験可能な試験のため、働きながらでも取得を目指すことが可能です。
出題は英語で行われ、会計や法律以外にもITやファイナンスといった幅広い分野から出題されます。
簿記2級の科目である商業簿記はUSCPA科目のFAR、工業簿記はBARと勉強範囲が重なっています。
簿記2級とUSCPAの合格率は下記の通りです。
試験 | 合格率 |
---|---|
簿記2級 | 20.9%(169回) |
USCPA | 約52.9%(2024年の全科目の平均合格率) |
なお、簿記2級の過去10回(統一試験)の最高合格率は28.8%であり、最低合格率は11.9%です。合格率にばらつきがあり、過去10回の平均合格率は21.12%と5人に1人が合格しています。
一方のUSCPAの各科目平均合格率は約52.9%(2024年)と2人に1人以上が合格しており、合格率という面だけを見るとUSCPAのほうが合格しやすいといえるでしょう。
USCPAは日本でも受験できます。受験者は社会人の割合が高く、仕事をしながら合格を目指している人が多いことがうかがえます。
簿記2級は合格率が約20%と難易度の高い試験です。商業簿記だけでなく工業簿記も組み込まれているため、簿記3級に合格していても難しいと感じる人は少なくありません。
また、簿記3級の内容をしっかり理解していないと、簿記2級の問題を解くことは難しいでしょう。出題範囲や問題の傾向も頻繁に変更されるため、最新の情報をチェックすることが欠かせません。
グローバルな仕事がしたいと考える人は、USCPA(米国公認会計士)など他の資格取得もあわせて検討してみてもよいでしょう。
USCPA(米国公認会計士)資格を取得するには、一般的に1,200~1,500時間程度の学習が必要といわれています。
独学でUSCPAの勉強をするのが大変な場合は資格専門校を利用しましょう。
国際資格の専門校であるアビタスでは、日本在住合格者の約78.5%はアビタス卒業生であり、7,000人以上のUSCPA合格者を輩出しています。
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