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  • 2025/05/29公開

企業倫理とは? 企業倫理の3階層と取り組み例、違反事例を含めて解説

企業倫理とは? 企業倫理の3階層と取り組み例、違反事例を含めて解説

企業倫理とは、企業が事業活動を行う上で守るべき価値観や行動規範を指します。道徳的原則を含み、組織の文化や行動に影響を与える重要な考え方です。

従業員や役員の不祥事を防ぎ、社会からの信頼を高めるためにも、企業倫理を根付かせたいと考える経営者は増加しています。

企業倫理の理解を深めるには3つの層に分ける考え方があり、これを「企業倫理の3階層」と呼んでいます。

本記事では企業倫理の3階層を中心に、取り組み例や違反事例について分かりやすく解説します。

目次
企業倫理とは
企業倫理の「3階層」
企業倫理の取り組み例や実践例
企業倫理の違反事例
企業倫理の違反を抑止する方法
企業倫理を遵守するためには多様な取り組みが必要

企業倫理とは

企業倫理とは、企業の行動指針となる道徳的原則のことを指します。法令遵守だけにとどまらず、企業が社会の一員としてどのように振る舞うべきかを定めています。

企業倫理が欠如した企業は、不祥事が起こりやすく社会的信頼を得られません。そのような事態を防ぐためにも、企業倫理を定めて経営層を含めた全社員が道徳観を共有し、企業としての基本姿勢を築くことが重要です。

企業倫理は法令遵守を土台としてつくられていますが、企業の社会的責任、顧客や業者との関わり方、従業員同士のコミュニケーションなど道徳的観点からも企業活動を規定するのが特徴です。

企業倫理とコンプライアンスの違い

企業倫理とは、企業が社会的・道徳的に正しい行動をとるための考え方や指針です。法律や法令を守るだけでなく、社会の期待や価値観に沿った行動をとることが必要です。

一方、コンプライアンスとは、企業が法律や法令および社内規則を遵守することを意味しており、法律違反や不正行為を避け、適切な企業活動を維持することを目的としています。

コンプライアンス遵守のために、企業倫理の実践も必要とされており、いずれも企業の社会的信頼を支える役割を持っているのが特徴です。

関連記事:アビタス CFE「コンプライアンスとは?遵守の必要性や対象範囲、必要な取り組みを解説」

企業倫理の「3階層」

企業倫理の3階層とは、企業が社会的・道徳的に行動するための枠組みを階層的に整理したものです。企業倫理の基礎となる法令遵守から始まり、それ以外の社会的責任や企業価値を考慮しながら行動することで、より高いレベルを目指す指針となるものです。

これから企業倫理を学ぶ人は、この3階層を使うと全体像を把握しやすくなるでしょう。

具体的には次の3階層となります。

  • 第1階層「法令遵守」
  • 第2階層「社内規則の遵守」
  • 第3階層「倫理的な行動」

第1階層が企業倫理の基礎にあたり、第2階層はその上に社内ルールを重ねたものです。さらにその上に、明文化されていない道徳的な判断や行動を求める第3階層があります。

それぞれの階層について、分かりやすく解説します。

第1階層「法令遵守」

第1階層は「法令遵守」です。これは、企業が違法行為や不正行為を避けるために法律や規則を守ることを意味します。なお、法令遵守はコンプライアンスの一部ともいえます。

労働基準法や会社法、個人情報保護法など、企業を取り巻く法律は多岐にわたります。広くは憲法や民法、行政法といった基本法も含まれます。法令を軽視すると、不正会計や労務トラブル、公的機関からの行政処分につながり、社会的信頼を損ないかねません。

企業倫理の土台として、法律を正しく理解し、従業員一人ひとりが法令を遵守する文化を根付かせることが必要です。

第2階層「社内規則の遵守」

第2階層は「社内規則の遵守」です。法令に定めがなくても、社会的な常識や業界の慣習など守るべきルールは存在します。

第1階層の法令遵守に加え、企業が独自に定めた社内規則を守ることが大切です。企業によって規則の内容は異なり、社内規則には、業務の進め方や情報の取り扱い、勤務態度など、企業ごとの価値観が反映されます。

社内規則を整備するだけでなく、理解と実践につなげるための従業員教育が欠かせません。

第3階層「倫理的な行動」

第3階層は「倫理的な行動」です。法令や社内規則に明確な定めがなくても、従業員には社会や企業の価値観に沿った行動が求められます。

例えば、取引先への言葉遣いやSNSでの発言など、明文化されていない場面において従業員の振る舞いが企業イメージに影響を与える事例は少なくありません。

従業員に対して、自らの行動が企業の信頼や批判に影響を与えることを意識し、企業倫理に基づいて適切な行動を取れるよう、教育や研修を実施しましょう。

企業倫理の取り組み例や実践例

多くの企業では、企業倫理の定着を目指して組織的な取り組みが行われています。5つの具体例を見ていきましょう。

項目 概要
企業倫理規程の作成 企業としての価値観や行動指針の明文化
企業倫理確立のためのマニュアルやプログラムの整備 倫理的判断が必要な場面での行動の具体化
企業倫理を啓蒙するための教育・研修 新入社員研修、管理職研修、eラーニング
企業倫理に関する社内アンケートや意識調査の実施 現場の課題を把握
相談窓口・ヘルプライン・通報制度の整備 倫理的な懸念や不正の兆候を共有

企業倫理を効率的に進めるには、経営層が率先し行動して規範を示すことが欠かせません。また、倫理意識の浸透を図るには、役員から新入社員まで全社的な教育が必要です。

万が一、企業倫理に反する行為が発覚した場合には、迅速な事実確認と厳正な対応を行い、信頼維持に努めましょう。

企業倫理の違反事例

企業倫理を実践するには、どのような行為が倫理に違反するのか、具体的な事例の把握も重要です。

ここでは、代表的な事例を3つ紹介します。

  • 不正会計
  • 不適切な言動やハラスメント行為
  • 内部通報制度などの不整備

このような企業倫理違反が起きると、社会からの信頼失墜につながります。さらに、放置すれば企業風土や文化が悪化し、企業全体に悪影響を及ぼすことになりかねません。倫理違反の内容や原因を把握し、対策を立て、違反防止に努めることが大切です。

それぞれの事例について解説します。

不正会計

不正会計とは、会計基準や法令に反して財務諸表を意図的に改ざんする行為です。横領や架空取引による売上の水増し、費用の先送りなどが含まれます。

不正会計は、企業の信頼を損ねる重大な問題です。株価の急落や行政処分につながるだけでなく、組織全体に深刻な影響を及ぼす悪質な行為といえます。

従業員のモラルや倫理観の欠如、監視体制の不備が不正会計を引き起こすこともあります。

関連記事:アビタス CFE「不正会計とは?事例を基に種類や発生原因、効果的な対策まで解説」

不適切な言動やハラスメント行為

従業員の不適切な言動によって企業倫理が問われるケースもあります。近年では、SNS担当者やアルバイトによる軽率な行為が発端となり、企業全体の信用失墜に発展する事例も見られます。

上司や管理職が部下に対し不当な圧力をかけるパワーハラスメントや言葉による侮辱、無視なども企業倫理に反する行為です。

個人だけでなく、企業の教育体制や組織風土に問題があることも多く、是正には継続的な取り組みが欠かせません。

内部通報制度などの不整備

企業倫理に関する指摘を受けても、適切な対応や改善につながらないケースもあります。通報や相談が無視されたり通報者が不利益を被ったりする状況は、企業への信頼を大きく損ねます。

これを防ぐには、相談窓口など内部通報制度を設け、安心して指摘できる体制の整備が不可欠です。また、指摘を受けた後は迅速に改善する仕組みづくりも重要です。

2022年には公益通報者保護法が改正され、従業員数が300人を超える企業などに対し内部通報制度の導入が義務づけられました。法令対応にとどまらず、企業倫理を実践する基盤として、制度に対する整備と運用強化が求められます。

企業倫理の違反を抑止する方法

企業倫理違反が起きる背景には、環境の不整備や教育不足、監視体制の弱さなど、さまざまな要因が関係しています。

ここでは倫理違反を未然に防ぐために欠かせない3つの取り組みを紹介します。

  • 社員教育や研修の実施
  • 内部通報制度の導入
  • 不正対策の強化

いずれも、企業の信頼を守るために欠かせない対策です。それぞれについて詳しく解説します。

社員教育や研修の実施

企業倫理違反を防止するには、従業員の意識が向上するよう、定期的な教育や研修を実施しましょう。

企業倫理を含むコンプライアンス研修を実施し、「どんな行為が違反になるのか」を理解させることがポイントです。従業員は知識の習得だけでなく、実際の業務で倫理的に判断や行動できる力を養わなければなりません。

社会通念や一般常識は時代とともに変化しています。ひと昔前は普通だとされていたことが、今では非常識だと捉えられていることも多くあります。

行動規範や企業倫理は定期的に見直し、変化に合わせてアップデートするとともに、従業員に浸透させていくことが必要です。

内部通報制度の導入

倫理違反が起きた場合、即座に対応することで影響の広がりを最小限に抑えられます。内部通報制度を導入すれば、社内不正や不祥事の抑止および早期発見、早期対応にもつながるのが利点です。

内部通報制度が整備されていると、通報する側の心理的ハードルが下がり、声を上げやすい環境が生まれます。さらに、企業倫理違反の抑止としての監視機能も期待でき、企業倫理を高める上で欠かせない仕組みといえるでしょう。

関連記事:アビタス CFE「内部通報制度とは?公益通報者保護法や導入プロセスと併せて解説」

不正対策の強化

不正対策の強化は倫理違反の抑止力になり、企業倫理の遵守にもつながります。

不正対策を強化するためには、不正行為の発生対応に加え、不正の未然防止や早期検知に力を入れる体制整備を意識しなければなりません。

その際、組織内にCFE(公認不正検査士)の資格保持者がいると「不正リスクに対応するための体制構築」に貢献できます。

ACFE(Association of Certified Fraud Examiners;公認不正検査士協会)の調査によると、CFE(公認不正検査士)の資格保有者がいる組織は、いない場合と比較して不正検知に至る期間が50%短く、被害総額が62%低いという結果が出ています。

不正対策を強化する際は、CFEの資格保持者を置くことを検討してみましょう。

関連ページ:アビタス CFE「CFE(公認不正検査士)とは? 資格の概要や魅力について解説」

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企業倫理を遵守するためには多様な取り組みが必要

企業が健全に活動を行う上で、企業倫理の遵守は不可欠です。企業倫理が低い企業では、顧客や取引先、株主からの信頼が低下し、営業活動にも悪影響を与えかねません。

倫理を企業文化や風土として根付かせるには、継続的な取り組みが求められます。役員からアルバイトまで、全ての社員による全社的な推進が必要です。

社員教育や研修、内部通報制度の導入、不正対策の強化といった施策を適切に取り入れ、企業全体の倫理意識を高めていきましょう。

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CFE(公認不正検査士)の資格取得を目指すなら、アビタスの利用を検討してみましょう。プログラムの開講以来、合格率が約80%という高い実績があります。

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