本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。
本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。
税理士は「税の専門家」として税務代理、税務書類の作成、税務相談等の独占業務を担っています。透明な税務行政がなされるよう、税理士は公正な立場から国への働きかけをしています。
税理士は税理士法に定める国家資格で、必要な学識およびその応用能力を有するかどうかを判定する試験を年1回実施しています。
本記事では、税理士試験の難易度や合格率、学習範囲や勉強時間を、他の関連した資格と比較するだけでなく、近年注目されるUSCPA(米国公認会計士)とも比較して解説します。
目次
税理士の難易度とは
税理士になるためには
税理士になるための勉強時間
税理士は独学でも取れる?
他の試験と比較した税理士の難易度
USCPA(米国公認会計士)と税理士資格を比較
税理士は難易度が高い資格! 活躍のフィールドが広いUSCPA資格も検討しよう
税理士は科目合格制の試験です。税理士試験を免除された者以外が税理士になるには、必修2科目と選択3科目の計5科目に合格することが必須となります。
税理士試験の難易度がどの程度か気になる方は多いでしょう。
2022年度の税理士試験の受験者数は28,853人で合格者数は5,626人、合格率は19.5%となっています。
過去5年の合格率は以下の通りです。
年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|---|
合格率 | 15.3% | 18.1% | 20.3% | 18.8% | 19.5% |
2018年度から2022年度までの過去5年平均合格率は18.4%です。過去5年の平均合格率が20%を下回っていることや、税理士になるための勉強時間に4,000時間程度も必要ということから、税理士になる難易度は高いといえるでしょう。
参照:国税庁「税理士試験|令和4年度(第72回)税理士試験結果」
2022年度の税理士試験における科目別合格率は以下の通りです。
科目 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
簿記論(必修) | 12,888人 | 2,965人 | 23.0% |
財務諸表論(必修) | 10,118人 | 1,502人 | 14.8% |
所得税法 (法人税法とどちらかを必ず選択) |
1,294人 | 182人 | 14.1% |
法人税法 (所得税法とどちらかを必ず選択) |
3,454人 | 425人 | 12.3% |
相続税法 | 2,370人 | 336人 | 14.2% |
消費税法 | 6,488人 | 740人 | 11.4% |
酒税法 | 454人 | 60人 | 13.2% |
国税徴収法 | 1,709人 | 235人 | 13.8% |
住民税 | 476人 | 82人 | 17.2% |
事業税 | 269人 | 38人 | 14.1% |
固定資産税 | 910人 | 167人 | 18.4% |
必修科目である簿記論は23.0%と、他科目より合格率は高めです。同じく必修科目である財務諸表論は14.8%となっています。
選択必修科目の合格率は所得税法14.1%、法人税法12.3%です。また、選択科目の中では固定資産税が18.4%と高く、消費税法は11.4%と最も低いことが分かります。
科目によって合格率が変わるため、選択の際には注意しましょう。
参照:国税庁「税理士試験|令和4年度(第72回)税理士試験結果」
税理士となる資格を得るには、以下のいずれか1つに該当する必要があります。
税理士試験は、毎年8月上旬に各国税局・国税事務所の所在地等(全国12~20カ所)で実施される試験です。
令和4年度の試験では12の試験地、20の試験場で試験が行われました。
参照:国税庁「受験地・試験場について」
参照:国税庁「令和4年度(第72回) 税理士試験 試験場一覧」
税理士試験の受験資格に、国籍や年齢の制限はありません。
また、2023年度の税理士試験から、受験資格要件が緩和され、会計学に属する科目である「簿記論」「財務諸表論」の受験資格が撤廃されるため、学生であっても税理士試験に臨むことが可能です。
税法に属する試験科目については、会計学に属する科目とは違い、所定の受験資格を満たさなければなりません。この場合は、学識や資格、職歴、認定のうちいずれか1つの要件を満たせば受験資格を得ることができます。
税理士の試験科目は、必修科目と選択科目があります。
税法に属する科目のうち3科目(所得税法または法人税法のいずれか1科目は必修)を選択します。
簿記論および財務諸表論は必修で、所得税法と法人税法はどちらか、かつ残り2科目を選択する全5科目が学習範囲となります。
科目合格制をとっているため、一度に5科目全てを受験する必要はなく、1科目ずつ受験することが可能です。なお、科目の合格は生涯有効です。
分野 | 種別 | 科目 |
---|---|---|
会計学 | 必修 | 簿記論・財務諸表論 |
税法 | 選択必修 | 所得税法・法人税法 |
選択 | 相続税法・消費税法または酒税法・国税徴収法・住民税または事業税・固定資産税(2科目を選択) |
税理士試験の勉強時間は一般的に4,000時間程度といわれています。4,000時間は5科目全てに合格するトータルの勉強時間で、選択科目をどれにするかによっても勉強時間は大きく変化します。
税務に関する予備知識や実務経験の有無によっても異なるため、一概にどのくらいの勉強時間が必要か断言することはできません。
科目ごとの目安となる勉強時間は以下の通りです。
科目 | 種別 | 平均勉強時間 |
---|---|---|
簿記論 | 必修 | 500~800時間 |
財務諸表論 | 500~600時間 | |
所得税法 | 選択必修 | 1,000~1,500時間 |
法人税法 | 1,000~1,500時間 | |
相続税法 | 選択 | 900~1,200時間 |
消費税法 | 600~800時間 | |
酒税法 | 350~500時間 | |
国税徴収法 | 350~500時間 | |
住民税 | 350~500時間 | |
事業税 | 350~500時間 | |
固定資産税 | 350~500時間 |
平均勉強時間はあくまでも目安ですが、科目ごとに勉強時間が異なる傾向にあるため選択科目選びは税理士の試験を受ける上でとても重要です。
選択必修科目である所得税法や法人税法は勉強時間も1,000~1,500時間とボリュームがあるため、どちらか1つにして、残り2科目は選択必修ではない科目から選択するとよいでしょう。
税理士資格を独学で取るのは不可能ではありませんが、困難といえるでしょう。これは、独学で税理士試験を受けるために適したテキストが少ないことが一因です。
税法は毎年のように改正されており、改正内容が反映されたテキストを探し出さなければなりません。
また、税理士試験は11科目のうち必修・選択必修・選択科目を組み合わせて5科目を受験しなければなりません。先述したように科目によって必要な学習時間は大きく異なります。
これまでの知識の有無によっても、最適な学習や受験の順番は異なります。独学の場合はそのような判断を全て自分でしなければなりません。
1回の試験で5科目全ての合格は難しいため、数年にわたり税理士試験を受ける人も多く見られます。独学で、長期間のモチベーションを維持し続けるのは難しいと感じる人もいるでしょう。
関連記事:アビタス「税理士試験に独学合格は無理といわれるのはなぜ?合格するための勉強方法」
税理士試験と比較されることの多い他の試験と税理士試験の難易度について、合格率をもとに比較すると次の通りです。
試験 | 合格率 |
---|---|
税理士 | 19.5%(2022年度) |
日商簿記1級 | 10.4%(2022年11月) |
行政書士 | 12.13%(2022年度) |
社会保険労務士 | 5.3%(2022年度) |
公認会計士 | 7.7%(2022年) |
USCPA(米国公認会計士) | 52.84%(2022年) |
試験の難易度を合格率で判断すると、税理士試験の他にも難易度の高い試験がいくつも見られます。それぞれの資格試験について解説します。
日商簿記1級の合格率は10.4%です(2022年11月)。
日商簿記3級・2級と比較した場合、試験範囲が広く難易度の高い試験です。一般的に600時間程度の勉強時間が必要といわれています。
なお、日商簿記1級は税理士試験の受験資格の1つとなっています。単に合格率だけを比較して税理士試験のほうが難易度は低いとはいいきれません。
参照:日本商工会議所・各地商工会議所「簿記|1級受験者データ(統一試験)」
行政書士試験の合格率は12.13%です(2022年度)。
行政機関に提出する書類作成を行うのが行政書士です。一般的に600~800時間程度の勉強時間が必要といわれています。
なお、税理士であれば、行政書士試験を受験することなく行政書士会への登録・入会することが可能であり、行政書士になることができます。そのため、合格率だけを比較して税理士試験の方が難易度が低いとはいえません。
参照:一般財団法人行政書士試験研究センター「令和4年度行政書士試験結果【令和5年1月25日】」
社会保険労務士(社労士)試験の合格率は5.3%です(2022年度)。
社労士は労働・社会保険に関する業務を行う専門家です。一般的に800~1,000時間程度の勉強時間が必要と言われています。
社労士試験は法律を広くカバーする試験です。また、税理士試験のように科目合格制度はありません。
科目数は選択式8科目、択一式7科目あり、1度の試験で全ての科目で基準点以上を満たさなければなりません。その点が、社労士試験が合格率の低い理由の1つといえるでしょう。
参照:社会保険労務士試験オフィシャルサイト「合格発表|第54回(令和4年度)社会保険労務士試験についての情報」
公認会計士試験の合格率は7.7%です(2022年)。
公認会計士は、医師・弁護士と並び難易度の高い資格といわれています。短答式と論文式の2段階選抜となっており、試験範囲が広く、試験内容が複雑、問題数も多く難しい試験です。
一般的に4,000時間程度の勉強時間が必要といわれています。なお、年齢・性別・学歴・国籍を問わず誰でも受験可能です。
参照:公認会計士・監査審査会「令和4年公認会計士試験の合格発表の概要について」
USCPAの4科目平均の合格率の平均は52.84%です(2022年)。
USCPAはアメリカの公認会計士資格です。試験は全て英語で行われますが、日本でも受験できます。
USCPAの科目別合格率は下記の通りです。
税理士試験と比較すると合格率が高いため、USCPAの難易度は低めといえるでしょう。税理士試験と同様、科目別合格制度があります。
また2024年1月から科目制度変更が予定されています。科目数は4科目と変わらないものの、必須3科目に加えて選択科目1科目という形式へ変更される予定です。
参照:AICPA「Learn more about CPA Exam scoring and pass rates」
参照:アビタス「2024年からのUSCPA試験制度変更(CPA Evolution)について(1/27更新)」
ここからは、アメリカの公認会計士資格であるUSCPAと税理士をさらに詳しく比較します。
キャリアアップを狙うという観点において、税理士と比較されることの多い資格がUSCPAです。USCPAは世界で最も認知されている会計士資格で、 英語と会計を習得した人材として、監査・税務業務等だけでなく、多くのフィールドで活躍が期待されています。
税理士試験の勉強時間は一般的に4,000時間で、一方のUSCPAは1,200~1,500時間といわれており、3倍以上の差があります。
学習範囲においては税理士の場合、簿記論と財務諸表論は必修となり、所得税法と法人税法からの1科目は選択必修、残りは税法から2科目選択という内訳です。
USCPAの学習範囲は以下の通りです。
税理士試験とUSCPA試験では簿記論と財務諸表論、租税法などの学習範囲が重複します。
税理士試験の合格率は2022年度で合格率は19.5%、過去5年を含めた場合の平均合格率は18.4%と難関資格です。USCPA試験の4科目平均の合格率は、2022年度で52.8%と、2人に1人以上が合格しています。
税理士とUSCPAの合格率は単純計算でも2倍以上の開きがあるため、数字上ではUSCPAの難易度は税理士資格取得と比較して低いといえます。
参照:国税庁「税理士試験|令和4年度(第72回)税理士試験結果」
税理士試験に合格した人の多くは、税理士事務所や会計事務所に就職します。
税理士試験に合格しても、税理士資格を有するだけで税理士を名乗ることはできません。2年間の実務経験を積み、税理士として登録されてはじめて名乗ることができます。
税理士事務所に就職し、税理士として登録するために必要な実務経験を積み、のちに税理士事務所を自分で開業する場合も多いでしょう。
税理士事務所だけでなく、一般企業やコンサルティングファームへ転職する場合も、税理士資格が有利に働くこともあります。
一方のUSCPAは活躍するフィールドが広く、国内外で幅広い業種・職種に就くことができます。USCPAには以下のような幅広いグローバルなキャリアにつながる就職・転職先があります。
USCPAは監査法人に就職・転職するのが一般的と思われがちですが、米国公認会計士協会の会員で、監査・税務業務を行っている人は全体の4割以下と半数を下回っています。
それ以外では一般企業での経理・財務、CFO・CEOなどのトップ・マネジメントを含めた幅広いポジションでグローバルに活躍しています。
国内外問わず、グローバルな業種に就職・転職をしたい場合は、USCPAは有利な資格といえます。
資格を取得した場合、毎年の維持費が必要になります。
税理士では「登録免許税」「登録手数料」「税理士会の会費」が必要です。
税理士が税務業務を取り扱うには、税理士会への登録が必須の条件となり、入会時のみ登録免許税6万円、登録手数料5万円がそれぞれかかります。
さらに税理士会に入会する際には会費が必要で、ブロック単位税理士会と支部単位税理士会の会費をそれぞれ払うことになります。
会費は全国一律で決められたものではなく、会と支部によって変わりますが概ね10万〜15万円ほどの維持費がかかります。
USCPAはライセンスを維持するための費用として、ライセンス更新料とCPE受講費用が必要となります。
ライセンス更新料は州によって異なり、例えばワシントン州の場合は3年に1回ライセンスを更新する必要があり、1回の更新費用は230ドルのため1年あたり約77ドルが維持費用として必要となります。
CPE(継続教育研修といって資格に関する研修や教育を受講すること)受講費用は350~1,000ドル程度となるため、合計で約427~1,077ドルかかります。
しかし、例えば、USCPA専門校アビタスの受講生であれば、1年間無制限にCPEを獲得できるコンテンツを299ドルで購入可能です。2年分購入すれば、継続教育費用は2年で299ドルで済みます。
ライセンスは登録した州で開業や監査する会計士としての営業許可証であり、日本在住の場合、監査法人で会計監査に従事する人を除いては、ライセンスの取得は必須ではありません。就職や転職の段階においても合格のみで評価をされます。
ただし名刺に「USCPA」と記載するためにはライセンス登録が必要なため、肩書として必要な場合はライセンス取得を目指しましょう。
資格の維持費は税理士に比べてUSCPAのほうが安いため、USCPAのほうが費用対効果の高い資格といえます。
関連記事:アビタス「USCPA(米国公認会計士)と税理士どっちを取るべき?年収・勉強時間・合格率を比較」
税理士は過去5年の平均合格率が18.4%と、難易度の高い資格です。何年にもわたって試験を受け続ける人も少なくありません。勉強時間も一般的に4,000時間程度必要です。
一方、USCPAに必要な勉強時間は一般的に1,200~1,500時間程度です。4科目の平均合格率は52.8%で、税理士試験と比較した場合USCPAは難易度が低い試験といえます。
グローバルに活躍したい、幅広いフィールドで活躍したいと考えている方は、USCPAの資格取得も検討してみましょう。
USCPAの合格を目指すなら、アビタスがおすすめです。USCPA試験の日本在住合格者の約3人に2人はアビタス卒業生と、圧倒的な合格者数を誇っています。
日本のビジネスパーソンが短期合格を目指すためのオリジナル教材を開発・使用しています。日本語で勉強できるので、英語で学ぶよりも速く理解できるのが特徴です。
英語で行われる本試験に向けて、日本語に英語を併記して詳細な解説を加えており、英語に精通していない方でも勉強しやすい仕様になっています。
アビタスでは無料の説明会を実施しています。USCPAの資格取得に興味のある方は、ぜひお気軽にご参加ください。
※記事に記載の内容は2023年4月時点のものを参照しています。
最近のエントリー