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【第1回】総合商社は“経営の最前線”へ、三井物産が挑む「脱・仲介」戦略とは
【第2回】脱炭素は“リスク”ではなく“収益源”、三井物産の逆転サステナ戦略
【第3回】ゼネラリストを超えて“経営人材”へ、三井物産の人と組織の進化論
【第4回】「変わり続ける経営体」はどう設計されるのか、三井物産の実践から学ぶ
目次
「巨大であること」は変化できない理由にならない
変革を支える“三位一体”の構造デザイン
「変わり続ける力」こそが、次代の競争優位になる
「実行される戦略」は“人”から始まる
三井物産から学べる、経営の5つの原則
この分析にMBAの学びはどう活きるか?
総合商社という存在は、ともすれば「変化に鈍い」「古い日本型組織」と見られがちです。
数万人の社員、重厚な業務構造、意思決定の多段階性。これらは従来であれば、こうした特徴は変革を阻む要因と考えられてきました。
しかし三井物産は、むしろ「巨大だからこそ、変われる構造」を設計し、自らを“持続的変化体”として機能させてきました。
・戦略を描き切る力
・組織を変え抜く力
・人を動かし続ける力
この三つが有機的に連動しているからこそ、三井物産は過去を否定せず、未来に適応する企業であり続けられるのです。
三井物産の変革は、“個別の施策の連打”ではありません。 むしろ、経営構造を貫く“設計思想”が全体を一貫させていることが特徴です。
領域 | 経営レイヤーごとの進化のポイント |
---|---|
戦略 | 取引型から“事業経営型”へ転換し、 長期視点での収益創出へシフト(第1回) |
事業構造 | カーボンニュートラル・ヘルスケア等、 社会課題と収益をつなぐモデル設計(第2回) |
組織・人材 | ゼネラリスト依存を脱し、 “経営する人材”を起点に組織を組み直す(第3回) |
このように、単一領域の改革ではなく、「経営の仕組みそのものを動かす」姿勢が成功の鍵となっています。
企業にとって最も価値ある資質とは、“何をしているか”ではなく、“どう変化できるか”にあります。
三井物産は、「○○業界の会社」ではなく、「変化を続けられる構造そのもの」としての経営体を目指しています。
これは、MBAで言う「ダイナミック・ケイパビリティ(変化対応能力)」── すなわち、市場の変化に応じて自らのリソース構造・戦略を再構築できる能力に他なりません
三井物産の事例から学べる最大の教訓は、「戦略=紙ではなく、組織に染み込ませてこそ意味を持つ」ということです。
・事業戦略は、経営に挑む人材がいなければ絵に描いた餅
・ESG戦略も、日々の意思決定に埋め込まれなければ意味がない
・組織再設計は、“制度設計”ではなく“行動と文化の設計”でこそ真価を発揮する
つまり、変革とは“構造の話”であると同時に“人の話”でもあるのです。
① 戦略とは、やめることを決めること
テレビやPC、石炭事業の縮小など、“撤退の選択”も戦略の一部。
② 組織は、構造よりも“動き方”がすべて
機能別か事業別かではなく、ミッションごとの柔軟な連動がカギ。
③ ESGはコストではなく、構造的な事業機会
脱炭素、水素、再生可能エネを“稼ぐ力”に変える設計力。
④ 人は“設計された仕組み”で育ち、“意志ある役割”で動く
キャリアを自らデザインし、経営に参加する構造づくりが進む。
⑤ 変化を習慣にできる企業が、最終的に勝つ
「変わった企業」ではなく、「変わり続けられる企業」になる。
三井物産のこの変革を深く理解するには、経営の複数レイヤーにまたがる横断的な視座が必要です。
MBA分野 | 対応する内容 |
---|---|
経営戦略 | 事業ポートフォリオ/ESG事業の戦略化 |
組織設計 | 役割ベース構造/プロジェクト型組織への転換 |
人材マネジメント | リーダーシップ育成/行動評価制度の実装 |
コーポレートガバナンス | 持株会社化による統治構造の高度化 |
これらを統合的に理解・応用できるようになることが、MBA的な“経営を見る力”の実践的価値です。
三井物産の変革は、決して派手ではありません。
新しいビジネスモデルを掲げたり、創業ストーリーで注目を集めるスタートアップでもありません。
しかし、彼らが実現しているのは、構造・人・文化をすべて設計し直すことで、“変化する力”を構造・文化・人材に根づかせる経営の実践”です。
この静かなる大改革は、すべての企業にとって普遍的な問いを投げかけています。
あなたの組織は、変わり続けられる構造を備えていますか?
次回は、また別の業界・企業の事例を取り上げていく予定です。あなた自身の現場と重ねながら、引き続き一緒に考えていきましょう。
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