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【第3回】任天堂が貫く「面白さ最優先」の組織文化とは
目次
組織文化が企業の戦略を支える
プロジェクト主導型の柔軟な開発体制
「面白さ」はどのように評価されるのか?
トップダウンでなく“現場主導”の価値観
「空気づくり」としての組織文化デザイン
この分析にMBAの学びはどう活きるのか?
「なぜ任天堂は“面白いゲーム”を出し続けられるのか?」
それは、単なる開発力ではなく、「面白さを問い続ける文化」があるからです。
任天堂という企業を深く理解しようとするとき、忘れてはならないのが「面白さ(ワクワク感、意外性、感情の動きなど)を最優先にする文化」です。
どんなに優れた戦略や製品があっても、それを支える文化がなければ再現性はありません。
任天堂では、社員の誰もが「これは面白いか?」を問いに置き換えながら仕事を進める習慣があります。
これは単なるスローガンではなく、組織設計・評価制度・人材登用・開発プロセスにまで落とし込まれている、深い構造的文化です。
任天堂は、典型的な階層型組織とは異なり、開発ごとに横断的なプロジェクトチームを編成します。
・各プロジェクトには、ゲームプランナー・プログラマー・デザイナーが一体で組成
・意思決定はチーム内の議論と試作を重視
・成功例は再活用するが、過去の常識にとらわれすぎない
このようなフラットで柔軟な構造が、「自由な発想」と「チームとしての責任共有」を両立させています。MBAでいうと、これはマトリクス型組織やプロジェクト型組織設計の実践例であり、スピードと創造性のバランスを追求するための構造的工夫です。
任天堂における評価制度の最大の特徴は、数値化しにくい“面白さ”を中心にすえていることです。
・売上やKPIではなく、試作段階での“手応え”が判断基準になることも
・新卒・若手社員のアイデアも、遠慮なく試作される文化
・大ヒットタイトルの裏には“没になった企画”が多数あることを、全社で共有している
これは、「正解がない」領域で創造する企業において、非常に理にかなった制度設計です。
失敗を責めず、試行錯誤を“資産”として蓄積する考え方が組織全体に浸透しています。
任天堂の経営陣は、現場に大きな裁量を与えるスタイルを貫いています。
この理由はシンプルです。
・岩田聡元社長(故人)はプログラマー出身であり、「現場の視点」に強いこだわりを持っていた
・開発中のプロジェクトに社長自らコードレビューに参加することもあった
・上意下達ではなく、「現場の手応えが経営を動かす」スタイルが根づいている
これは、MBAで扱う「サーバントリーダーシップ(支えるタイプのリーダー像)」や「参加型マネジメント」の優れた実例でもあります。
任天堂の文化は、明文化されたルールよりも、日々の言動や環境の中で醸成されているものです。
・会議での口癖:「で、それ面白いの?」
・フロアのあちこちで見られる試作品のデモプレイ
・過去作品に対する“愛情”を持った回顧イベント
・マリオのフィギュアや原画が飾られた職場空間
これらすべてが、「遊びをつくる会社」という自覚と誇りを強化する要素です。
文化は“空気”であり、それは制度・行動・言葉・空間によって設計可能なのです
任天堂の組織文化・開発体制は、MBAで学ぶ以下の分野と密接につながっています。
MBA分野 | 任天堂事例との接点 |
---|---|
組織行動論 | 意識と行動を結びつける“文化の設計”方法論 |
人材マネジメント | 「定量で測れない価値」に対する評価制度の工夫 |
組織設計 | プロジェクト型組織と役割ベースの責任分担 |
リーダーシップ論 | トップダウンでなく、現場に裁量を与えるスタイル |
「文化は偶然できるものではなく、構造として設計される」、その好例として、任天堂の組織は非常に学びの多い存在です。
シリーズ最終回では、これまでの戦略・構造・文化の全体を貫く“経営の本質”を統合し、「任天堂が私たちに教えてくれる変革の知恵」をまとめてお届けします。次回もぜひご覧ください!
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