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  • 2022/09/04公開
  • 2024/10/30更新

【2024年版】USCPAのAUDの試験範囲・対策・勉強時間を紹介

【2024年版】USCPAのAUDの試験範囲・対策・勉強時間を紹介

USCPA(米国公認会計士)はアメリカの会計士資格で、日本のテストセンターでの受験が可能です。

USCPAの試験は競争試験ではなく75点というボーダーラインを超えれば合格でき、難問・奇問といった問題は出題されません。

そのため、USCPAは会計初学者でも合格できる難易度の試験といわれています。

そんなUSCPAの試験は、2024年1月から試験制度が変わりました。新試験の対策方法が知りたい方も多いでしょう。

この記事では、新試験制度を踏まえた上で、USCPA試験の科目の1つである「AUD(監査及び証明業務)」の特徴やエリアごとの試験対策、必要な勉強時間について紹介します。

目次
2024年新試験制度とは
2024年新試験制度におけるAUDの出題分野・対策
USCPAのAUDの特徴
USCPAのAUDの勉強時間の目安
USCPAのAUD合格を目指すなら、一つひとつ丁寧に学習し理解を深めよう

2024年新試験制度とは

USCPAの試験は2024年1月から新制度へと移行しました。

出題形式の変更として、主なものは次の通りです。

  • 記述問題の廃止
  • 計算ツールの変更
  • テストレットの難易度変化の廃止

また、大きな違いとして科目構成の変更が挙げられます。

従来 新制度
FAR(財務会計)
AUD(監査及び証明業務)
REG(税法及び商法)
BEC(ビジネス環境及び諸概念)
必須 FAR(財務会計)
AUD(監査及び証明業務)
REG(税法及び商法)
選択 BAR(ビジネス分析及び報告)
ISC(情報システム及び統制)
TCP(税法遵守及び税務計画)

従来の試験科目は「FAR・AUD・REG・BEC」の4つでした。

新制度では、必須科目3科目+選択科目1科目の4科目に変更しています。なお、選択科目は3科目の中から1科目を選ぶ形です。

また、移行期のため、下記の州において2024年1月1日時点で有効な科目合格の合格実績の有効期限が、2025年6月30日まで延長されています。

  • ワシントン州
  • グアム
  • ニューヨーク州
  • モンタナ州
  • アラスカ州

AICPAが公表している2025年のスコアリリースの日程は次の通りです。必須科目と選択科目のリリース日が異なるため注意しましょう。

科目 受験期間(2025年) リリース予定日
必須科目 2025/1/1~1/23 2025/2/7
2025/1/24~2/14 2025/2/25
2025/2/15~3/9 2025/3/18
2025/3/10~3/31 2025/4/9
2025/4/1~4/23 2025/5/8
2025/4/24~5/16 2025/5/28
2025/5/17~6/8 2025/6/17
2025/6/9~6/30 2025/7/10
2025/7/1~7/23 2025/8/7
2025/7/24~8/15 2025/8/26
2025/8/16~9/7 2025/9/16
2025/9/8~9/30 2025/10/9
2025/10/1~10/23 2025/11/7
2025/10/24~11/15 2025/11/25
2025/11/16~12/8 2025/12/16
2025/12/9~12/31 2026/1/13
選択科目 2025/1/1~1/31 2025/3/14
2025/4/1~4/30 2025/5/16
2025/6/1~6/30 2025/7/17
2025/7/1~7/31 2025/9/11
2025/10/1~10/31 2025/12/16

なお、リリース日は暫定的なものであり、今後変更する可能性もあります。

関連記事:アビタス「ニュース|2024年のUSCPA新試験制度(CPA Evolution)について 」

2024年新試験制度におけるAUDの出題分野・対策

USCPAの試験時間は、これまで同様1科目4時間です。

新試験制度に関するAUDの出題分野を把握しておきましょう。

科目 出題比率
倫理、職責、一般原則 15~25%
リスクの評価と計画的な対応の策定 25~35%
さらなる手続きの実施と証拠の入手 30~40%
結論の形成と報告 10~20%

USCPAのスキルレベルは、記憶と理解・応用・分析・評価の4つです。AUDでの各出題比率は次の通りです。

スキルレベル 記憶と理解 応用 分析 評価
比率 30~40% 30~40% 15~25% 5~15%

4択問題(MC)が78問、総合問題(TBS)が7問出題されます。配点は、MCとTBS、各50%です。

ここからは、各科目の出題範囲とスキルレベルについて詳しく見ていきましょう。

倫理、職責、一般原則(Ethics、Professional Responsibilities and General Principles)

エリアⅠ「倫理、職責、一般原則」の出題範囲とスキルレベルは次の通りです。

  記憶と理解 応用 分析 評価
A.倫理、独⽴性、職責(Ethics, independence and professional responsibilities)
1.AICPAのプロフェッショナル行動規範(AICPA Code of Professional Conduct)    
2.証券取引委員会および公開会社会計監視、委員会の要件(Requirements of the Securities and Exchange Commission and the Public Company Accounting Oversight Board)    
3.米国会計検査院と労働省の要件、政府会計検査院と労働省の要件(Requirements of the Government Accountability Office and the Department of Labor)    
B.専⾨的懐疑主義と専⾨的判断(Professional skepticism and professional judgment)      
C.性質と範囲(Nature and scope)
1.監査業務(Audit engagements)      
2.米国会計検査院の政府監査基準に従い実施される業務(Engagements conducted under Government Accountability Office Government Auditing Standards)      
3.その他の契約(Other engagements)      
D.契約条件(Terms of engagement)
1.契約の前提条件(Preconditions for an engagement)      
2.契約条件と委任契約書(Terms of engagement and the engagement letter)    
E.契約⽂書の要件(Requirements for engagement documentation)    
F.経営陣およびガバナンス担当者とのコミュニケーション(Communication with management and those charged with governance)
1.計画された契約の範囲とタイミング(Planned scope and timing of an engagement)    
2.内部統制に関する事項(Internal control related matters)    
G.監査と品質の保証(Audit and assurance quality)      

出題比率は15〜25%となっており、「記憶と理解」「応用」レベルのみからの出題となります。

「倫理、職責、一般原則」の対策

「倫理・職責・一般原則」は、職業倫理や独立性、監査業務についての理解、文書の要件などが問われる分野です。監査人として遵守すべき倫理的規範や職務上の責任、監査の一般原則に関する知識などを問われます。

表からもわかるように、求められるスキルレベルは「記憶と理解」と「応用」のみとなっており、より高度なスキルレベルである「分析」や「評価」は含まれていません。

そのため、複雑な問題や高度な判断を要求する問題は出題されず、基本的な内容に焦点を当てた問題が多いと予想されます。

4択問題(MC)形式の出題がメインとなるため、関連する用語や原則、規範などを適切に理解し暗記しておくとよいでしょう。

リスクの評価と計画的な対応の策定(Assessing Risk and Developing a Planned Response)

エリアⅡ「リスクの評価と計画的な対応の策定」の出題範囲とスキルレベルは次の通りです。

記憶と理解 応用 分析 評価
A.契約計画(Planning an engagement)
1.契約の全体戦略(Overall engagement strategy)
2.エンゲージメントプラン(Engagement plan)
B.エンティティとその環境の理解(Understanding an entity and its environment)
1.外部要因(External factors)
2.内部要因(Internal factors)
C.情報技術 (IT)システムを含む、企業の制御環境とビジネスプロセスの理解(Understanding an entity’s control environment and business processes, including information technology (IT) systems)
1.COSO 内部統制 ‒統合されたフレームワーク(COSO Internal Control – Integrated Framework)
2.制御環境、IT全般―コントロール、およびエンティティレベルのコントロール(Control environment, IT general controls, and entity-level controls)
3.ビジネスプロセスとIT環境を含む内部統制の設計(Business processes and the design of internal controls, including the IT environment)
4.エンティティがサービス組織を利用する際の含意(Implications of an entity using a service organization)
5.内部統制の限界と管理者によるオーバーライドのリスク(Limitations of controls and risk of management override)
D.マテリアリティ(Materiality)
1.財務諸表全体(For the financial statements as a whole)
2.許容誤謬とパフォーマンスマテリアリティ(Tolerable misstatement and performance materiality)
E.不正または誤りによる重⼤な虚偽表⽰リスクの評価と対応(Assessing and responding to risks of material misstatement, whether due to fraud or error)
F.他者の作業の計画および利用(Planning for and using the work of others)
G.エンゲージメントリスクの特定領域(Specific areas of engagement risk)
1.法令に基づく企業のコンプライアンス(An entity’s compliance with laws and regulations)
2.会計上の見積もり(Accounting estimates)
3.利害関係者および利害関係者間取引(Related parties and related party transactions)
4.単一監査のための統一指針(Uniform Guidance for single audits)

出題比率は25〜35%で、4つのスキルレベルから満遍なく出題されます。

「リスクの評価と計画的な対応の策定」の対策

「リスクの評価と計画的な対応の策定」では、監査計画の作成、監査対象企業のビジネスプロセスやIT環境についての理解、内部統制の構造、リスク評価の手法などが問われます。

「ビジネスプロセスとIT環境を含む内部統制の設計」は特に重要といえるでしょう。スキルレベルで最も高い「評価」のカテゴリに属しているためです。

「不正または誤りによる重⼤な虚偽表⽰リスクの評価と対応」についても、2番目にスキルレベルが高い「分析」のカテゴリに属しています。特にこの2項目について、しっかり理解するよう心がけましょう。

また、当分野では総合問題(TBS)も出題されると予想されています。出題比率が25~35%と高いため、苦手と感じている人は、時間をかけてでも理解を深めることを意識してみましょう。

更なる手続きの実施と証拠の入手(Performing Further Procedures and Obtaining Evidence)

エリアⅢ「更なる手続きの実施と証拠の入手」の出題範囲とスキルレベルは次の通りです。

記憶と理解 応用 分析 評価
A.データと情報の活用(Use of data and information)
1.依頼・準備データの変換(Requesting, preparing and transforming data)
2.データと情報の信頼性(Reliability of data and information)
3.データ分析(Data analytics)
B.十分に適切な証拠(Sufficient appropriate evidence)
C.サンプリング手法(Sampling techniques)
D.十分かつ適切な証拠を入手するための手順(Procedures to obtain sufficient appropriate evidence)
1.管理手続きのテストと詳細なテスト(Test of controls and test of details)
2.分析⼿順(Analytical procedures)
3.外部からの確認(External confirmations)
E.特に配慮すべき特定の事項(Specific matters that require special consideration)
1.会計上の⾒積もり(Accounting estimates)
2.有価証券への投資(Investments in securities)
3.在庫および他者が保有する在庫(Inventory and inventory held by others)
4.訴訟、請求および評価(Litigation, claims and assessments)
5.企業の事業継続能力(An entity’s ability to continue as a going concern)
6.単⼀監査に対する統⼀的なガイダンス(Uniform Guidance for single audits)
F.虚偽表⽰と内部統制の不備(Misstatements and internal control deficiencies)
G.書⾯による表明(Written representations)
H.後発事象とその後発見された事実(Subsequent events and subsequently discovered facts)

出題比率は30~40%となっており、AUDの中で最も比重が置かれている分野です。

「更なる手続きの実施と証拠の入手」の対策

「更なる手続きの実施と証拠の入手」では、監査手続きの実行、監査証拠の入手、内部統制の有効性テストなどに関するスキルや知識が問われます。

多くの項目で、必要なスキルレベル「分析」や「評価」が求められており、深い理解が求められる分野です。

エリアⅡでは「評価」が求められたのは1項目だけでしたが、エリアⅢではより多くの項目で「評価」が求められる点を把握しておきましょう。

総合問題(TBS)も出題されると予想されています。総合問題では、例えば、実際の監査状況を踏まえたシミュレーション問題などが考えられます。

受験者は現場で必要な手続きや判断を行えるかどうかが問われるため、十分な理解が欠かせません。

先述したように、出題比率も30〜40%とAUDの中で最も高いのも特徴です。AUDの中で一番時間をかけて取り組むべき分野であるといえるでしょう。

結論の形成と報告(Forming Conclusions and Reporting)

エリアⅣ「結論の形成と報告」の出題範囲とスキルレベルは次の通りです。

記憶と理解 応用 分析 評価
A.監査業務に関する報告(Reporting on audit engagements)
B.認証業務に関する報告(Reporting on attestation engagements)
1.監査およびレビューエンゲージメント(Examination or review engagements)
2.合意された手続きに基づく業務(Agreed-upon procedures engagements)
C.会計およびレビューサービスの取り組み(Accounting and review service engagements)
1.準備業務(Preparation engagements)
2.編集業務(Compilation engagements)
3.レビューエンゲージメント(Review engagements)
D.コンプライアンスに関する報告(Reporting on compliance)
E.その他のレポートに関する考慮事項(Other reporting considerations)
1.比較財務諸表と期間間の一貫性(Comparative statements and consistency between periods)
2. 監査された財務諸表を含む文書内のその他の情報(Other information in documents with audited statements)
3.中間財務情報のレビュー(Review of interim financial information)
4.補足情報(Supplementary information)
5.米国会計検査院の監査基準下での追加報告要件(Additional reporting requirements under Government Accountability Office Government Auditing Standards)
6.専用フレームワーク(Special-purpose frameworks)

出題比率は10~20%となっており、AUDの中で一番出題比率の低い分野です。

「結論の形成と報告」の対策

「結論の形成と報告」では、監査報告書や比較財務諸表に関する知識を問われます。

必要なスキルレベルは「記憶と理解」と「応用」の2つです。主に基本的な知識が求められることになるでしょう。出題形式は、4択問題(MC)が中心となります。

関連する用語や概念、規則を暗記することが必要です。実際の監査報告書の例を参考にしながら勉強すると、理解を深めることができるでしょう。

出題比率は10~20%と少なめですが、ポイントを押さえながら勉強を進めていきましょう。

USCPAのAUDの特徴

USCPA試験の科目の1つであるAUD(Auditing and Attestation)とは、「監査及び証明業務」のことです。

AUDには「監査、証明、レビュー業務など」と「職業倫理」の2つが出題され、計算問題の比率は少ない傾向にあります。

実践的な内容が問われるのが特徴であるため、監査手続きの全体像を理解することが有効になります。

AUDの特徴を具体的に見ていきましょう。

実践的な内容・試験範囲

AUDは他の2つの必須科目と異なり、実践的な内容が問われる科目です。

「監査人として実際に監査する場合にどうするべきか」という判断を問われる科目であり、監査人の立場で学習する必要があります。

解き方を覚えることで、点数を取るというよりは、解き方を自分自身で考えなければなりません。

監査をすでに経験している場合には、普段の監査業務をシミュレーションしながら問題を解くことができます。

ところが、日本のUSCPA受験者には監査の実務経験がない場合もあり、AUDは、USCPAの科目の中でも難易度が高いとされます。

AUDを攻略するためには、自分が監査をする立場に立っていることをイメージしながら問題を解くことが重要です。

曖昧な答えが多い傾向

AUDは明確に選択肢を正解・不正解と判断しにくい「曖昧な答え」が多くなる科目です。

正しい答えを導き出すためには、監査に対するきちんとした理解が必要です。

USCPAのAUDの勉強時間の目安

AUDの勉強時間は一般的に250〜300時間程度と言われていました。

なお新試験では、旧試験の内容に加え、一部旧試験のBECの内容が追加されています。そのため、これまでよりも多めに時間がかかることもあるでしょう。余裕を持って取り組みましょう。

250~300時間の細かな配分は以下の通りです。

勉強内容 勉強時間
講義とテキストの復習時間 約95時間
MC演習 約100時間
TBS対策 約60時間
その他(模試等) 約15時間

USCPAのAUD合格を目指すなら、一つひとつ丁寧に学習し理解を深めよう

「AUD(監査及び証明業務)」は、監査に対する深い理解が求められる科目です。監査の実務経験がない人にとっては、イメージしづらい点も多い分野といえるでしょう。

そのため、苦手と感じる人も少なくありません。

しかし、頻出するキーフレーズや監査における典型的なパターンを暗記することで正解率を上げることができるのも特徴です。

一つひとつの問題を丁寧に学習するとともに、適度に暗記を織り交ぜ効率よく勉強しましょう。

USCPAを目指すなら国際資格の専門校アビタスで

USCPA(米国公認会計士)資格を取得するには1,200〜1,500時間の学習が必要といわれます。

これは資格専門校を利用した場合の時間です。会計や監査の知識に加え、英語の能力も問われます。

独学でUSCPA資格を取得するには多くの時間がかかり、大変困難です。

USCPA専門校アビタスなら、会計知識がなくても英文会計入門などを日本語のオリジナル教材で学ぶことができます。

アビタスではUSCPA講座を開講して以来、6,700人以上の合格者を輩出しており、日本在住合格者の約3人に2人はアビタス卒業生です。

USCPAの資格取得を目指すなら、アビタスをぜひご活用ください。

まずは無料の説明会にご参加ください。

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