本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。
本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。

【第4回】ユニクロの成長から学ぶ「経営の本質」
目次
ユニクロの変革を4回で振り返る
「企業が変わる」とはどういうことか
成長企業に共通する“全体設計力”
ビジネスパーソンへの3つの示唆
MBAで学んだ視点との結びつき
終わりに──「変革は誰かのものではない」
これまでのシリーズでは、ユニクロの成長と変革を多角的に見てきました。特に注目すべきは、単なる売上や店舗数の拡大ではなく、戦略・仕組み・文化が相互に連動して機能する仕組みを構築している点です。
第1回:「SPAモデル」とグローバル展開というビジネス構造
第2回:デジタル化・サプライチェーン改革という仕組みの進化
第3回:「柳井イズム」を体現する文化と人材育成
ユニクロの強みは、これらの要素を単独で動かすのではなく、組織全体に統合して「自走する経営」を実現していることです。例えば、グローバル展開を支える仕組みの整備と、それに即した人材登用・文化醸成が連動しているため、各市場で迅速かつ一貫した戦略実行が可能になっています。
ユニクロの事例から見えてくるのは、企業変革とは単に制度や仕組みを変更するだけではなく、組織全体が行動レベルで変わることが必要だという点です。
商品戦略:ヒートテック、エアリズム、ウルトラライトダウンなど、世界中で通用する機能性商品を開発
サプライチェーン改革:企画・生産・物流・販売をデジタルで統合し、リードタイムを大幅に短縮
人材・文化:現場主義、即断即決、多様性登用、グローバル人材活用といった行動変化を伴う文化
これらが連動することで、組織全体が自律的に動く「自走状態」を生み出しています。制度だけでは行動は変わらず、個人の努力や意思だけでは持続可能な変化は実現できません。
ユニクロの取り組みは、数値としても裏付けられています。
海外売上比率:2000年時点で1%未満 → 2023年で約55%
サプライチェーンのリードタイム短縮:従来の半分以下(企画から販売まで約1か月→約2週間)
女性管理職比率:2023年時点で25%、2030年には30%以上を目標
これにより、国内市場の成熟や人口減少といった制約の中でも成長を維持できる体制が整いました。
ユニクロは、単なる部分最適ではなく、全体最適の設計を徹底しています。
部分最適に陥らないこと
店舗運営の効率化や単一商品のヒットだけでは持続的成長は達成できません。例えば、ヒートテックが売れても、物流や在庫管理が追いつかなければ、機会損失が発生します。
全社的に一貫した仕組みを設計すること
サプライチェーン、デジタル、商品企画、人事制度が相互に補完し合うことが不可欠です。
具体例として、EC注文と店舗在庫の統合管理により、顧客の注文に最も近い店舗から即時配送できる仕組みを構築しています。これにより、在庫回転率向上と配送スピードの両立を実現しました。
経営者の思想を仕組みに落とすこと
柳井イズムは単なるスローガンではなく、行動規範・KPI・評価制度・意思決定ルールに翻訳され、現場レベルで日々実践されています。
この仕組みにより、意思決定速度の向上と現場対応力の強化が可能となり、世界各国での迅速な戦略実行を支えています。
ユニクロの事例は、個人のキャリアや組織運営においても示唆に富んでいます。
戦略は「実行の設計」まで落とし込むこと
どれだけ革新的なアイデアがあっても、実行可能な制度・KPI・プロセスに翻訳しなければ意味がありません。
変革は「人の行動」が変わってこそ成立する
英語公用語化、若手登用、挑戦を評価する文化など、行動レベルの変化なしに組織は変わりません。
全体最適の視点を持つ
部分的な成功に満足せず、組織全体で一貫した「成長の設計図」を描ける人材が、次世代のリーダーとして求められます。
ユニクロの事例から見えるポイントは、MBAで学ぶフレームワークに直結します。
| MBAの論点 | ユニクロ事例の示唆 |
|---|---|
| 経営戦略 | SPAモデルを軸にした全社的ポートフォリオ設計 |
| サプライチェーン論 | デジタル統合による効率とスピードの両立 |
| 組織行動論 | 柳井イズムを行動規範として制度化するプロセス |
| リーダーシップ論 | グローバル人材登用と多様性推進の実践 |
知識を“断片”としてではなく「全体を構造化して理解するレンズ」として活用することが、経営を読み解く上で大きな力になります。
ユニクロの事例は、巨大企業だから可能だった特別な話ではありません。 チームや部門、プロジェクト単位でも同じ原理が当てはまります。
・戦略・仕組み・文化が噛み合っているか?
・人の行動変化に落とし込めているか?
・自分の組織を「部分最適」ではなく「全体最適」で設計できているか?
こうした問いを立て続けることが、どんなビジネスパーソンにとっても真のリーダーシップにつながります。
次回は、また別の業界・企業の事例を取り上げていく予定です。あなた自身の現場と重ねながら、引き続き一緒に考えていきましょう。
国際資格の専門校であるアビタス(東京)が提供しているプログラムで、日本の自宅からオンラインで米国MBA学位を取得できます。
日本語で実施する基礎課程と英語で行うディスカッション主体の上級課程の2段階でカリキュラムが組まれているため、英語力の向上も見込めます。
世界でわずか5%のビジネススクールにしか与えられていないAACSB国際認証を受けており、高い教育品質が保証されているプログラムです。
自宅にいながら学位が取得できるため、仕事や家事と両立できる点も強みです。
アビタスでは無料のオンライン説明会と体験講義を実施しています。興味のある人はお気軽にお問い合わせください。