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USCPA(米国公認会計士)は米国の会計士資格で、会計初学者でも合格できる可能性がある試験です。
USCPAの試験は競争試験ではなく75点というボーダーラインを超えれば合格でき、難問・奇問といった問題は出題されません。
会計士としての基礎的な知識が問われ、学習範囲を定めて勉強することができます。
この記事では、USCPA試験の科目の1つである「FAR(財務会計)」にフォーカスし、試験対策、勉強時間や勉強方法、試験内容について解説します。
目次
USCPAのFARの勉強を始める前にやる3つのこと
USCPA|FARの試験概要
USCPA|FARの勉強方法
USCPA|FARの勉強時間
USCPA|FARの勉強をする上で知っておきたいポイント
USCPAのFAR合格を目指すなら、試験概要を理解して毎日コツコツ勉強しよう
USCPAのFARの勉強を始める前に、USCPA試験がどういった試験であるかを知る必要があります。
USCPAの試験を受ける前に確認しておきたい点を3つチェックしていきましょう。
USCPAはFAR(財務会計)、BEC(ビジネス環境及び諸概念)、AUD(監査及び証明業務諸手続き)、REG(諸法規)の4科目で構成されています。
試験形式は、コンピューターのモニターに出題される問題に対して解答を入力する形式です。
出題形式は「4択問題」と「シミュレーション問題」で、99点満点中75点以上で合格となる絶対評価の試験です。
科目合格制度があるので、1科目ずつ合格を積み重ねていくことができます。
詳しい全体像に関しては続く章で解説します。
USCPA試験は4科目で構成されており、好きな科目から受験することができます。
一般的には以下の順番で受験する人が多いです。
FARを一番先に受験する理由は、FARがBECやAUDの基礎になるためです。
さらにFARは4科目の中でも学習範囲が広いのも最初に受けるべき理由としてあげられます。
FAR合格後は、BECとAUDのどちらかを受験する人が多いですが、難易度の高いAUDを早めにクリアする人もいます。
REGを最後に受験する理由は、FARの会計処理(利益計算)とREGの税務処理(税金計算)の違いで混乱してしまう可能性を避けるためです。
自分が現在どのくらいの英語力があるのか、会計知識があるのかを把握する必要があります。
USCPA試験では英語力と会計知識が求められるため、TOEIC®︎や日商簿記の知識が役に立ちます。
TOEIC®︎のスコアはそれほど求められず、例えばUSCPA専門校であるアビタスのオリジナルテキストを使用した場合は、TOEIC®︎400~500点レベルから合格可能です。
日商簿記は2級レベルの会計知識があれば有利に勉強を進められます。
自分のレベルを把握し試験日から逆算することで、合格までにどのくらいの勉強時間が必要かが見えてきます。
また、最初の科目に合格してから18カ月(1年半)以内に他の科目にも合格しないと、それまでの合格実績が無効となることも考慮して逆算しましょう。
最初の科目合格から18カ月以内に残り3科目に合格するスケジュールを立てなければなりません。
余裕を持って、各科目あたり2〜3カ月程度の学習時間を目安にするのがよいでしょう。
USCPAの科目であるFARの試験概要を具体的に見ていきましょう。
FARを含む4科目いずれも99点満点で、75点以上で合格となります。
他の受験者の成績に関わらず、自身の点数が75点を超えれば人数に制限なく合格できる絶対評価の試験です。
USCPA試験は全て英語で出題され、テストセンターのコンピューターで解答する Computer Based Testing(CBT)です。
USCPAの出題形式は「Multiple Choice(MC)4択問題」「Task-Based Simulation(TBS) 総合問題」「Written Communication(WC)記述問題」です。
FARでは「Multiple Choice(MC)4択問題」「Task-Based Simulation(TBS) 総合問題」の2つの出題形式になり、「Written Communication(WC)記述問題」は出題されません。
FARの出題形式 | 詳細 |
Multiple Choice(MC)4択問題 | 4つの選択肢から1つの正解を選ぶ |
Task-Based Simulation(TBS) 総合問題 | 与えられた事例について数値入力、多肢選択、表の穴埋めなどさまざまな形式で解答する |
FARでは、会計士として実務をこなす上で基礎となる知識が幅広く出題されます。
科目名 | 試験内容 | 出題比率 | 試験時間 |
FAR(財務会計) | 企業会計 | 80% | 4時間 |
政府会計と非営利組織会計 | 20% |
USCPAの試験問題はどの科目でも「テストレット」と呼ばれる5つのパート(問題群)に分かれています。
FARではMC問題のテストレットが2つ、TBS問題のテストレットが3つという出題構成です。
以下はFARの出題構成と配点比率です。
テストレット | 問題数 | 配点比率 |
1 | MC(33問) | 50% |
2 | MC(33問) | |
3 | TBS(2問) | 50% |
4 | TBS(3問) | |
5 | TBS(3問) |
FARのMC問題は66問(テストレット1~2)、TBS問題は8問(テストレット3〜5)です。
日本の試験会場は東京(御茶ノ水ソラシティ)と大阪(中津センタービル)で、土日も含めて毎日受験可能です。
また合格発表は受験日から3週間程度で、NASBA(National Association of States Boards of Accountancy;全米州政府会計委員会)のWebサイトで確認できます。
不合格の場合には、期間を空けることなくすぐに再受験の申し込みが可能です。
参考:NASBA(National Association of States Boards of Accountancy;全米州政府会計委員会)公式サイト
ここからは、具体的なFARの勉強法を解説します。
講義や参考書を軽く勉強したら、すぐに問題集に取りかかる FARは暗記で解ける問題が少ないため、まず最初に講義や参考書で軽く勉強した後は、すぐにFAR問題集に取りかかりましょう。
解けない問題や難解な問題は気にせずに先へ進んで、3周以上反復するのがおすすめです。
何度も反復することで、最初は解けなかった問題も解けるようになり、基礎的な知識が自然と身につきます。
問題が解けなかった場合には講義や参考書を見直し、再度問題集を解くという反復が大切です。
問題を解いた場合に、正答率を記録しておくのもおすすめです。
問題集を反復する上で、理解度や簡単に解けたかどうかを自分なりに記録(3段階評価等)します。
理解度や簡単に解けたかどうかの記録は、問題集に直接記入したり、Excelでまとめてもよいでしょう。
結果の記録の例は以下です。
回答 | 正誤 | 理解度 |
〇 | 正解 | 迷いなく解答できた |
△ | 正解 | 迷って解答した |
× | 不正解 | 理解できていない |
理解度を記録することで、いつも間違う箇所や選択に迷う問題が「見える化」され、苦手分野の把握に役立ちます。
なぜ解けないか原因を分析することで、次に反復する際には間違えにくくなり正解率が上がっていきます。
FARの試験はコンピューター上で解答する形式であるため、本番の試験の機能に慣れておきましょう。
本番形式の演習は最後に行うのではなく、勉強を始めて間もない段階からやってみて、現状の理解度や試験傾向を知りながら行うことが大切です。
本番では、MC問題でCalculator(電卓)、Excel(エクセル)、Overview(概要)、Help(ヘルプ)が使えます。
TBC問題では、さらにAuthoritative Literature(権威ある文献)、Exhibits(提示資料)、Highlight(ハイライト)が使えるので、本番同様の体制で挑みましょう。
AICPA(米国公認会計士協会)ではサンプルテストを用意しており、出題の傾向やコンピューター上での解き方に慣れるのに有効です。
サンプルテスト:AICPA「Get familiar with the CPA Exam by practicing with our sample tests」
まず、USCPAを取得するには1,200〜1,500時間の学習が必要とされます。そして、あくまで目安ですが、FARは400〜500時間の勉強が必要といわれています。
FARはUSCPAの科目の中でも最もボリュームがあるため、5~6ヵ月で合格するならば、週20時間くらいの学習時間は確保しましょう。
1日平均で3時間程度なので、毎日コンスタントに勉強することで、記憶の定着を図ることができます。
通勤時間や休憩時間などのスキマ時間を有効に活用するなどして、毎日コツコツと勉強することが大切です。
関連記事:アビタスについてはこちら
FARの勉強をする上で知っておきたい注意すべき5つのポイントを解説します。
全てのトピックを完璧に理解することがもちろん理想ですが、合格するためには完璧を目指す必要はありません。
FARはボリュームが多く範囲も広いので、分からない問題や苦手な問題があっても立ち止まらずにどんどんと勉強を進めましょう。
FARはボリュームのある科目であるため、勉強を進めていくと最初に勉強した内容を忘れてしまいがちです。
完璧を求める必要はありませんが、忘却曲線を意識しながら、以下のタイミングで復習を挟みましょう。
1つのセクションが終わった区切りのいい時や、前日の復習をしてからの勉強開始時、決めた曜日に1週間分、1カ月分など、復習する時間を適度に設けることが覚え忘れ防止になります。
インプットより問題演習を優先することが大切です。
テキストを何度も読み理解するまでインプットを続けるよりも、問題演習を解いて分からない箇所でテキストを利用する、辞書のような使い方がおすすめです。
インプットにばかり時間を使うと、FARの範囲の広さから挫折してしまうこともあります。
インプットと問題演習はセットで行い、バランスよくメリハリのある勉強を心がけましょう。
繰り返しになりますが、FARは範囲が広いため、頻出分野を意識して学習する必要があります。
FARのMC問題では公会計(政会計・非営利組織会計)が頻出である傾向が強いです。
頻出分野がどこなのかを見極めるにはリリース問題を繰り返したり、資格専門校等からの情報を得ることも大切です。
リリース問題とは、AICPA(米国公認会計士協会)が提供している「過去問」のことで、試験専門校に対して提供されています。
本番形式の演習は、直前ではなく1カ月以上前から始めましょう。
本番形式の演習を試験の直前に始めてしまうと、弱点を十分に対策できなくなります。
少なくとも1カ月以上前から過去5〜6年分を3周以上反復するのが効果的です。
USCPAの科目であるFARの試験対策、勉強時間や勉強方法、試験内容について解説しました。
USCPAは科目ごとに難易度が異なります。USCPAのFARに合格するためには試験概要を理解することから始め、毎日コツコツと勉強を積み重ねることが大切です。
過去問から頻出分野を分析し、効率の良い反復勉強が合格への鍵となります。
USCPA(米国公認会計士)資格を取得するには1,200〜1,500時間の学習が必要といわれます。これは資格専門校を利用した場合の時間です。また、英語の能力も問われます。
独学でUSCPA資格を取得するには多くの時間がかかり、大変困難です。
USCPA専門校アビタスなら、会計知識がなくても英文会計入門などを日本語のオリジナル教材で学ぶことができます。
USCPAの資格取得を目指すなら、アビタスをぜひご活用ください。
※記事に記載の内容は2022年9月時点のものを参照しています。
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