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  • 2021/12/16公開
  • 2025/04/22更新

USCPA(米国公認会計士)の前に簿記を取るべき? 求められる会計知識とは

USCPA(米国公認会計士)の前に簿記を取るべき? 求められる会計知識とは

USCPA(米国公認会計士)を受験する際に気になるのが、「簿記の資格は必要か」という点です。

USCPAは会計に関する資格であるため、簿記の知識を事前に持っておいたほうがよいと考える人も多いのではないでしょうか。

本記事では、USCPAを受験する際に簿記の資格は必要なのか、USCPAで必要な会計知識はどのようなものか、簿記では何級レベルに当たるのかを解説します。

目次
USCPA(米国公認会計士)の受験前に簿記を取るべき?
USCPA(米国公認会計士)と簿記は先にどっちを受験するべき?
USCPA(米国公認会計士)に必要な会計知識
簿記に必要な会計知識
USCPA(米国公認会計士)と簿記の難易度の比較
USCPA(米国公認会計士)が簿記よりも難易度が高い3つのポイント
USCPA(米国公認会計士)も簿記も会計初学者が合格を狙える資格!

USCPA(米国公認会計士)の受験前に簿記を取るべき?

USCPAを受験する際に簿記は必要でしょうか。

結論から言ってしまうと、USCPAを受験する際に簿記の資格が必要ということはありません。

知っておくべき法律や取得後に活躍が想定されているフィールドが異なるため、USCPA受験のためにわざわざ時間を使って簿記の勉強をする必要はないと言われています。

USCPA(米国公認会計士)とは

USCPA(U.S. Certified Public Accountant;米国公認会計士)は、アメリカ各州の会計士委員会が認定する公認会計士資格のことです。

USCPAは、1896年にニューヨーク州で公認会計士制度が創設され、1917年には初めての公認会計士試験が実施されました。日本で受験可能となったのは2011年8月からです。

アメリカで創設された資格ですが、現在では世界18カ国以上で試験が実施され、日本をはじめとする様々な国の人が受験しています。

関連記事:アビタスUSCPA「USCPA(米国公認会計士)とは?魅力や取得後のキャリア・難易度・試験内容を詳しく解説」

簿記とは

簿記とは、企業が行う様々な取引を記録するための技術です。

最終的な目的は決算書を作成することですが、業務で決算書を作成する必要がなくても、簿記の知識は様々な場面で役に立ちます。事業を客観的に分析するには、決算書の内容を読み解く能力が欠かせません。

簿記の資格には、日商簿記・全経簿記・全商簿記などの種類があります。

本記事では、様々な業界で活かすことができ、初心者でも取得しやすく人気の高い「日商簿記検定」について解説していきます。

各級の概要は、以下の通りです。

級数 難易度
1級
  • 4科目
  • 難易度は非常に高く、経営管理や経営分析ができるレベル
  • 公認会計士や税理士などの専門職への登竜門的な位置づけ
2級
  • 2科目
  • 暗記だけでは対応できない工業簿記が追加され、3級に比べて難易度が一気に上がる
  • 財務諸表を読み解き、経営内容を把握する能力の証明になる
3級
  • 1科目
  • 小規模な会社の経理実務を前提とした商業簿記のみで、暗記中心のためしっかり勉強時間を確保すれば合格しやすい

それぞれの級によって難易度が大きく異なる日商簿記検定は、一般的に2級から就職や転職で評価されると言われています。

求められる知識やレベルが異なるため、USCPA試験の前に必ずしも簿記を取得しなくても問題ないでしょう。

USCPA(米国公認会計士)と簿記は先にどっちを受験するべき?

USCPAと簿記の両方を受験しようとしている人もいるでしょう。その場合はどちらを先に受験するべきでしょうか。

人によりますが、新卒の就活に役立ちやすいのは簿記2級以上と言われます。一般企業にとってはUSCPAより簿記のほうが汎用性が高いと判断されることもあるため、学生などはまず簿記2級を目指すのも手です。

一方、キャリアアップや年収アップを目指している場合、簿記2級に比べるとUSCPAの方がおすすめです。

監査法人はもちろん、グローバル企業や外資系企業に転職したいなら、USCPAの取得が役に立つでしょう。実務の経験があれば簿記はあまり重要視されないと言われているため、USCPAと合わせて高年収を狙うのも手です。

さらに、財務や経理の業務未経験の場合でも、USCPAを取得していれば監査法人等へ転職できることもあります。

希望の企業や自分の会計知識、実務経験など、キャリアプランに合わせて受験の計画を立てていきましょう。

USCPA(米国公認会計士)に必要な会計知識

USCPAに求められる会計知識は幅広く、内容も高度なため入念な準備が必要です。2024年1月から始まった新試験制度についても、改めて把握しておきましょう。

USCPAの試験科目と試験範囲の詳細を解説します。

USCPAの試験科目

USCPAの試験科目は以下の通りです。

区分 試験科目 備考
必須科目
  • FAR:財務会計
  • AUD:監査及び証明業務
  • REG:税法及び商法
3科目全てを受験
選択科目
  • BAR:ビジネス分析及び報告
  • ISC:情報システム及び統制
  • TCP:税法遵守及び税務計画
1科目を自分で選んで受験

USCPAは2024年1月から制度が変わり、試験科目にも変更がありました。

制度変更の背景には、デジタル化の進展があります。

これまで人間が行っていた業務がIT化されたことで、USCPAに合格したばかりの新人であっても「デジタルで対応できない高度な判断力が必要な業務」に従事する機会が増えたため、実態に即して試験科目が変更されました。

改定前のUSCPA試験は4つの必須科目で構成されていましたが、新制度では必須3科目+選択1科目となっています。

USCPAの試験範囲

各試験科目の範囲は、以下の通りです。

区分 試験科目 範囲
必須科目 FAR
(財務会計)
全ての科目の基礎となる内容
簿記の基礎から資本会計に至るまでを学習する必要がある
AUD
(監査及び証明業務)
財務諸表監査やコンプライアンス監査などに関する知識とスキルが問われる
REG
(税法及び商法)
アメリカ国内の個人・法人の税やビジネスに関する法規の知識とスキルが問われる
選択科目 BAR
(ビジネス分析及び報告)
会計やファイナンスを中心に出題される
想定フィールドは、監査法人やコンサルティングファームなどの専門職から、企業内の経理や財務、経営企画、M&Aなど幅広い
ISC
(情報システム及び統制)
監査を中心にITの論点が出題される
想定フィールドは、IT監査、データエンジニア、CIO、CTOなど
TCP
(税法遵守及び税務計画)
アメリカの個人税や法人税について出題される
想定フィールドは、アメリカの税務申告書作成、国際税務、税務アナリストなど

BAR・ISC・TCPから1科目を選択する際は、範囲や特徴から今後の自分のキャリアに役立つものにするとよいでしょう。

簿記に必要な会計知識

日商簿記検定は1級~3級まであることが特徴で、求められるレベルは級によって大きく異なります。

ここでは、就職・転職で有利になると言われる2級と1級の試験科目、試験範囲について解説します。

簿記の試験科目

日商簿記検定の試験科目は以下の通りです。

試験科目 試験時間
1級
  • 商業簿記
  • 会計学
  • 工業簿記
  • 原価計算
180分
(商業簿記・会計学で90分+工業簿記・原価計算で90分)
2級
  • 商業簿記
  • 工業簿記
90分

合格基準は70%以上ですが、1級では、1つでも得点の40%以下の科目があると不合格になる場合もあります。なお、科目合格の制度はありません。

2級の「商業簿記」は3級の出題範囲と重複しますが、商品売買や固定資産などをさらに幅広く学習するとともに、中小企業の会計処理を学習しておく必要があります。

1級は、2級の範囲に加えて「会計学」「原価計算」が含まれます。会計基準や会社法、会社計算規則や財務諸表等規則など、企業会計に関する法規への深い理解が必要です。

簿記の試験範囲

1級の商業簿記や会計学では、親会社と子会社の財務諸表を合算する連結会計や、外国通貨での取引を日本円に換算する外貨建会計なども出題されます。会計諸基準や会計理論の知識も必要です。

工業簿記・原価計算では、仕損と減損が同じ問題で出題されたり、標準原価計算と直接原価計算をセットにした標準直接原価計算が出題されたりします。

簿記2級の工業簿記では、主に製造業を営んでいる企業での部門別および製品別の資源の投入や費用、利益などを計算する知識や技能が求められます。

商業簿記では、3級で学習した内容に加えて、リース会計や為替取引、連結会計、税効果会計などの知識が必要です。

日商簿記検定の試験範囲は、以下の通りです。

試験科目 範囲
1級 商業簿記・会計学 2級の商業簿記+各種会計基準、減損会計、自己株式、企業結合会計、キャッシュ・フロー計算など
工業簿記・原価計算 2級の工業簿記+最適セールスミックス、予算編成、戦略的意思決定、目標原価計算、品質原価計算など
2級 商業簿記 3級の商業簿記+リース会計や為替取引、連結会計、税効果会計など
工業簿記 主に製造業を営んでいる企業の部門別・製品別の会計

特にレベルの高い1級では、親会社と子会社の財務諸表を合算する連結会計のように、知識を実践に移す問題や、標準原価計算と直接原価計算をセットにした計算など、複数分野の知識を組み合わせなければ解けない問題も出題されます。

USCPA(米国公認会計士)と簿記の難易度の比較

USCPAと簿記のどちらの取得を目指すべきかは人によって異なります。

自分の経験や今後のキャリアを考えて最適な選択をする必要があるでしょう。

2つの資格の難易度について、以下の項目で見ていきましょう。

  • USCPAは簿記でいうと何級レベル?
  • USCPAと簿記の合格率の差
  • USCPAと簿記の勉強時間の差

それぞれの詳細を解説します。

USCPAは簿記でいうと何級レベル?

USCPAと簿記では受験資格や出題形式が異なるため、単純に比較することは難しいものの、USCPAで問われる会計知識は、日商簿記2級よりは高度で簿記1級ほどは難解でないと言われています。

実際に、USCPAの財務会計科目であるFARでは、簿記1級で出題されるような連結会計や特殊商品売買などの高度な計算問題は出題されません。

FARの試験内容は、簿記1級よりも2級にレベルが近いといえるでしょう。

また、日商簿記1級は年に2回の統一試験しか受験のチャンスがありませんが、USCPAは1年間で何回でも受験できます。

受験チャンスの観点から考えても、簿記1級のほうがUSCPAよりも難しいと感じる人が多いかもしれません。

USCPAと簿記の合格率の差

2024年のUSCPAの科目別の合格率は下記の通りです。

科目 合格率
必須科目 FAR(財務会計) 39.59%
AUD(監査及び証明業務) 45.79%
REG(税法及び商法) 62.61%
選択科目 BAR(ビジネス分析及び報告) 38.08%
ISC(情報システム及び統制) 58.00%
TCP(税法遵守及び税務計画) 73.91%

日商簿記の統一試験の合格率は、以下の通りです。

実施回 1級 2級
168回(2024年11月) 15.1% 28.8%
167回(2024年6月) 10.5% 22.9%
165回(2023年11月) 16.8% 11.9%
164回(2023年6月) 12.5% 21.1%

USCPAと簿記の合格率を比較すると、USCPAのほうが合格率が高いことが分かります。

USCPAは科目合格制を採用しているため、一度に全ての科目に合格する必要はありません。簿記は科目合格制ではないことも、合格率が低い理由の一つでしょう。

参照:AICPA & CIMA「Resources|Learn more about CPA Exam scoring and pass rates」
参照:日本商工会議所・各地商工会議所「簿記|受験者データ」

USCPAと簿記の勉強時間の差

USCPAに必要な勉強時間は、1,200〜1,500時間と言われています。簿記1級は500~1000時間、簿記2級は350〜500時間程度の勉強時間が必要です。

それぞれに必要と言われている勉強時間の目安は、以下の通りです。

資格 目安の勉強時間
USCPA 1,200〜1,500時間
簿記1級 500~1000時間
簿記2級 350〜500時間

USCPAと簿記1級は数ある会計関連の資格試験の中でも難関試験に位置づけられ、かなりの勉強時間が必要です。

USCPAの試験問題は英語で出題されるため、英語も同時に勉強する場合はさらなる勉強時間を確保しなければなりません。

ただし、現在持っている知識量やスキルによって、必要な勉強時間は異なります。

例えば、既に公認会計士試験に合格できるレベルの知識量がある場合、1,000時間未満の勉強量でUSCPAに合格できることもあります。

USCPA(米国公認会計士)が簿記よりも難易度が高い3つのポイント

USCPAと簿記の難易度の比較について解説しましたが、USCPAは難易度とは別の部分でハードルが高いと言われます。

以下の3点について解説していきます。

  • 試験が全て英語で出題される
  • 試験範囲が広い
  • 受験資格の条件を満たすのが難しい

試験が全て英語で出題される

USCPAの試験問題は全て英語で、解答も英語でしなければなりません。当然ながら、英語が苦手な場合はまずは英語の勉強から始める必要があります。

しかし、「TOEIC®のスコアを上げなければ」などと焦る必要はありません。

記述式の問題も数問ありますが、基本的には選択式の問題です。USCPAの試験に頻出の単語や文法に慣れることで十分に対応できます。

試験範囲が広い

USCPAの試験科目は4科目あり、会計以外にも監査論や税法、ITに関する知識など、試験範囲が広いことが特徴です。

しかし、4科目全てを同時に受験して合格する必要はなく、1科目ずつチャレンジすることが可能な「科目合格制度」があります。

科目合格は、受験から18カ月が経過すると失効してしまいます。科目合格から1年半以内に残りの科目に合格できるよう、計画的に学習に取り組みましょう。

関連ページ:アビタスUSCPA「USCPA(米国公認会計士)試験制度について」

受験資格の条件を満たすのが難しい

USCPAの受験条件は出願する州によって異なります。要件には「学位要件」と「単位要件」の2つがあります。

学位要件は「4年制大学卒の学士号」としている州が大半ですが、単位要件は州によって様々です。

もっとも受験しやすいとされているアラスカ州では、学位要件として4年制大学の学位、単位要件としては会計15単位のみで受験可能です。日本の大学の経済学部を卒業した人は基本的に受験条件を満たせるでしょう。

なお、受験条件は州ごとに異なりますが、試験自体はどの州でも同じ内容です。

関連記事:アビタスUSCPA「USCPA(米国公認会計士)の受験資格(各州別条件)」

USCPA(米国公認会計士)も簿記も会計初学者が合格を狙える資格!

USCPAも簿記も、しっかり準備すれば会計初学者でも合格を目指せる資格です。

年収の高い監査法人や外資系企業への転職に有利なため、キャリアアップや年収アップに役立てやすいのはUSCPAと言えます。

先述の通り、USCPAの試験を受けるには簿記の資格は必要ありません。

グローバルに活躍したいと考える人は、積極的にUSCPAの合格を目指すとよいでしょう。

USCPAの合格を目指すならアビタスで!

簿記の知識がない状態からUSCPA合格を目指す場合は、専門の講座を受講するのも有効です。国際資格の専門校であるアビタスは、USCPA合格へ導く独自のプログラムを用意しています。

これまでも多くの方が「会計知識ゼロ」からチャレンジし、USCPA合格を果たしています。通学・eラーニングをフレキシブルに選択でき、働きながらでも効率的に学習を進められるのが特長です。

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※記事に記載の内容は2025年3月時点のものを参照しています。

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