本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。

AbitusUSCPA合格者数6,584名
(2024年4月末時点)

03-3299-3330
  • 2023/06/23更新

【2023年】公認会計士 論文式試験の基本情報や試験後のステップとは

公認会計士の試験は、短答式と論文式の2段階に分かれています。

短答式試験と論文式試験ではそれぞれ合格率や出題内容などが大きく異なります。そのため、試験の基本情報が把握できていないという人もいるでしょう。

そこで今回は、論文式試験に焦点を当て、合格率や試験日程など基本情報を解説します。また、各科目の試験内容や過去問題も紹介するため、ぜひ参考にしてください。

目次
公認会計士 論文式試験で知っておくべきポイント
公認会計士 論文式試験の内容・過去問題
公認会計士 論文式試験の対策
公認会計士 論文式試験後のネクストステップ
公認会計士 論文式試験は、その後のキャリアも考えながら臨もう

公認会計士 論文式試験で知っておくべきポイント

公認会計士は短答式試験と論文式試験の2段階で行われます。論文式試験は、短答式試験に2年以内に合格した人のみが受験可能です。

公認会計士の受験条件として年齢や学歴などの制限はありません。

ここからは、公認会計士の論文式試験の合格率や試験日程など、知っておくべきポイントについて解説します。

公認会計士 論文式試験の合格率

2022年に実施された論文式試験の合格率は35.8%です。

短答式の試験は第I回と第II回があり、それぞれの合格率がここ10年で第I回は平均15%程度、第II回は平均12%程度になっているのに対し、論文式試験の合格率は35%前後で推移しています。

令和4年から過去10年の論文式試験のみの合格率を見ていきましょう。

実施年 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
令和4年 4,067 1,456 35.8
令和3年 3,922 1,360 34.1
令和2年 3,719 1,335 35.9
令和元年 3,792 1,337 35.3
平成30年 3,678 1,305 35.5
平成29年 3,306 1,231 37.2
平成28年 3,138 1,108 35.3
平成27年 3,086 1,051 34.1
平成26年 2,994 1,102 36.8
平成25年 3,277 1,178 35.9

参照:公認会計士・監査審査会「令和4年公認会計士試験 合格者調」

短答式試験よりも論文式試験の合格率が高い理由は、合格基準が偏差値換算で「52%以上の得点比率」となっており、平均よりも少し上回れば合格できるためです。

ただし、他の受験者たちも合格率が10%台の短答式試験を突破した受験者であるため、油断はできない試験です。

参照:金融庁「令和4年公認会計士試験(論文式試験)の合格点及び合格率等について」

公認会計士 論文式試験の日程【2023年】

論文式試験を受験できるチャンスは年に1回です。短答式試験の合格者が対象であるため、試験日は第II回短答式試験の合格発表後の8月下旬に行われます。

2023年の論文式試験の日程は次の通りです。

項目 試験日程 試験科目 合格発表
論文式試験
(1日目)
令和5年
8月18日(金)
・監査論
・租税法
令和5年11月17日(金)予定
論文式試験
(2日目)
令和5年
8月19日(土)
・会計学(財務会計論・管理会計論)
論文式試験
(3日目)
令和5年
8月20日(日)
・企業法
・選択科目

参照:公認会計士・監査審査会「令和5年公認会計士試験受験案内〈第I回短答式試験用〉」

試験は3日間行われ、1日2科目ずつ受験します。合格発表は試験日からおよそ3カ月後の11月です。

公認会計士 論文式試験が免除される条件

論文式試験は、該当要件に当てはまる場合に限り、一部の科目の受験を免除できます。該当要件ごとに必要書類が異なるため事前に確認しておきましょう。

各科目と試験免除の該当条件は次の通りです。

科目 該当要件
会計学・経営学 大学等で商学関連の教授または准教授歴3年以上もしくは博士の学位
企業法・民法 ・大学等で法律学関連の教授または准教授歴3年以上もしくは博士の学位
・司法試験合格者
合格科目による 高等試験本試験合格者(司法科・行政科)
合格科目による 旧司法試験第2次試験合格者
経済学 大学等で経済学関連の教授または准教授歴3年以上もしくは博士の学位
経済学または民法 不動産鑑定士試験合格者および旧鑑定評価法の規定による不動産鑑定士試験第2次試験合格者
租税法 税理士資格取得者
会計学 企業会計に関する一定以上の知識や応用能力があると認められた者
監査論 監査に関する一定以上の知識や能力があると認められた者

参照:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験|公認会計士試験に関するQ&A」

上記の該当要件に加え、論文式試験が不合格の場合でも、次回以降の試験において一部科目が免除されるケースもあります。

公認会計士・監査審査会が合格相応の成績があると認めた科目に対し、一部科目免除資格通知書が交付されます。受験願書の提出時に免除申請を行うことで、2年以内に実施される論文式試験の当該科目の試験を免除可能です。

公認会計士 論文式試験の内容・過去問題

論文式試験の科目は次の5科目です。

項目 科目
必須科目 ・会計学
・監査論
・租税法
・企業法
選択科目 ・経営学
・経済学
・民法
・統計学
(※4科目から1つ選択する)

先述したように、合格基準は52%です。しかし、全体で52%を超えていても、得点比率が40%に満たない科目が1つでもある場合は不合格になります。

ここからは、各科目の試験内容と過去問題について見ていきましょう。

なお、各科目の試験時間や出題数、配点は公認会計士・監査審査会が提示している「令和5年公認会計士試験受験案内」を参照しています。

参照:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験|公認会計士試験に関するQ&A」
参照:公認会計士・監査審査会「令和5年公認会計士試験受験案内〈第I回短答式試験用〉」
参照:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験|令和5年公認会計士試験の出題範囲の要旨について」

会計学

会計学の論文式試験では、短答式試験で覚えた財務会計や管理会計の基準や概念の知識そのものではなく、背景にある理論や考え方が問われます。

午前と午後の部に分かれており、試験時間は300分です。

項目 科目 科目
午前(120分) 管理会計論 大問2問100点
午後(180分) 財務会計論 大問3問200点

計算問題は、連結会計や企業結合会計などの複雑な計算が出題されます。

令和4年の論文式試験の会計学の試験問題はこちらからご覧ください。

公認会計士試験・監査審査会「令和4年試験論文式試験 会計学〔午前〕」
公認会計士試験・監査審査会「令和4年試験論文式試験の試験問題及び答案用紙について|会計学(午後)」

監査論

監査論では、財務諸表論や監査基準など法令に関する問題が出題されます。監査の概念や基準、あるシチュエーションで適用される監査手続きが提示され、その背景にある理論を説明しなければなりません。

試験時間は120分で、出題数と配点は大問2問100点です。

試験では法令基準集が配布されるため、法令の内容を調べることができます。しかし、時間に対して問題の量が多いため、時間をかけて内容を調べられないことを認識しておきましょう。

令和4年の論文式試験の監査論の試験問題はこちらからご覧ください。

公認会計士試験・監査審査会「令和4年試験論文式試験の試験問題及び答案用紙について|監査論」

企業法

企業法は、会社法・商法・金融商品取引法を試験内容とした科目です。会社法に関する問題が多く出題され、商法と金融商品取引法においては一部のみが試験範囲になっています。

試験では理論問題が出題され、計算問題はありません。問題文では、あるシチュエーションが示され、そのシチュエーションにおける法令の効力や適用可否について説明する問題が出題されます。

試験時間は120分で、出題数は大問2問で100点です。

令和4年の論文式試験の企業法の試験問題はこちらからご覧ください。

公認会計士試験・監査審査会「令和4年試験論文式試験の試験問題及び答案用紙について|企業法」

租税法

租税法では次の3つの法令について出題される傾向にあります。

  • 所得税法
  • 法人税法
  • 消費税法

計算問題と理論問題が出題され、配分は6:4程度です。理論問題では根拠を問われる問題が出題されます。また、条文の根拠を求める問題もあるため、理解力が問われるでしょう。

試験時間は120分で、出題数と配点は大問2問100点です。

令和4年の論文式試験の租税法の試験問題はこちらからご覧ください。

公認会計士試験・監査審査会「令和4年試験論文式試験の試験問題及び答案用紙について|租税法」

経営学

選択科目の経営学は、企業を経営するために必要な知識や戦略論、組織論、ファイナンス論が主な試験内容となっており、経営管理と財務管理に分けられます。

経営管理では、経営管理における基礎的な理論に関する問題が出題されます。具体的には、経営戦略や経営組織、経営計画、経営のリーダーシップ、経営統制に関する問題です。

財務管理では、資本に関する問題が出題されます。資本調達、投資の意思決定、資本コスト、資本構成、配当政策、運転資本の管理、企業価値の評価、財務分析、資産の選択、資本市場、デリバティブが主な出題範囲の要旨です。

試験時間は120分で、出題数と配点は大問2問100点です。

令和4年の論文式試験の経営学の試験問題はこちらからご覧ください。

公認会計士試験・監査審査会「令和4年試験論文式試験の試験問題及び答案用紙について(選択科目)|経営学・経済学・民法・統計学」

経済学

選択科目の経済学では、ミクロ経済とマクロ経済に関する問題が出題されます。

主な出題範囲は次の通りです。

項目 出題範囲
ミクロ経済 ・需要と供給
・市場の失敗
・消費者
・生産関数と費用関数
マクロ経済 ・国民所得
・IS-LMモデル
・消費と貯蓄
・貨幣

試験時間は120分で、出題数と配点は大問2問100点です。

令和4年の論文式試験の経営学の試験問題はこちらからご覧ください。

公認会計士試験・監査審査会「令和4年試験論文式試験の試験問題及び答案用紙について(選択科目)|経営学・経済学・民法・統計学」

民法

選択科目の民法では、財産法を中心に出題されます。個人や法人が所有する財産譲渡や登記の手続き、消費者間での契約などに関する知識が問われます。

試験内容は民法の基礎的な内容です。しかし法律の学習をしてこなかった場合、覚えなければならない内容が多くあります。そのため、法学部で教育を受けていない人にとっては難しい試験といえるでしょう。

試験時間は120分で、出題数と配点は大問2問100点です。

令和4年の論文式試験の民法の試験問題はこちらからご覧ください。

公認会計士試験・監査審査会「令和4年試験論文式試験の試験問題及び答案用紙について(選択科目)|経営学・経済学・民法・統計学」

統計学

選択科目の統計学は、記述統計と確率、推測統計、相関・回帰分析の基礎などが主な試験内容です。大半が計算問題で出題されるため、微分や積分などの公式を活用しなければ解けません。

必要な公式を理解し、試験問題の演習をこなすことができれば、合格水準の得点を獲得できるでしょう。

例年、選択科目のうち経営学を選ぶ受験者は8割以上で、統計学を選ぶ受験者は少数です。統計学は、数学や計算問題が得意な人にとっては対策を取りやすい科目であり、高得点を獲得できるチャンスがあります。

試験時間は120分で、出題数と配点は大問2問100点です。

令和4年の論文式試験の統計学の試験問題はこちらからご覧ください。

公認会計士試験・監査審査会「令和4年試験論文式試験の試験問題及び答案用紙について(選択科目)|経営学・経済学・民法・統計学」

公認会計士 論文式試験の対策

公認会計士試験の合格までに必要な勉強時間の目安は2,500〜5,000時間です。論文式試験には1,200〜2,000時間程度の勉強時間が必要です。

これは、1日7時間勉強すると仮定しても、9カ月程度かかる計算になります。

短答式試験合格後から論文式の試験日までの短期間で勉強を終えることは困難です。そのため、短答式試験と論文式試験に向けた勉強を並行して進めなければなりません。

論文式試験の勉強方法としては、必要な知識を繰り返し暗記し、試験問題の傾向を把握するために過去問題と解答を確認することが大切です。

公認会計士試験の対策として専門学校に通うという選択肢もあります。専門学校ではポイントを絞って勉強できるため、出題範囲を何度も繰り返し学べるでしょう。

公認会計士 論文式試験後のネクストステップ

論文式試験合格後、資格を取得できれば、就職や転職活動に有利になります。また、他者との差別化を図るために、公認会計士以外の資格取得を目指すというステップも選択肢の1つです。

ここでは、試験合格後のネクストステップについて見ていきましょう。

就職・転職活動

論文式試験の合格者は3年の実務経験を経たのち、資格を取得することができます。そのため、実務経験を積むために監査法人に就職する人も少なくありません。

条件を満たせば、会計事務所や一般企業の経理職、銀行、保険会社でも実務経験とみなされるため、就職の幅を広げることも可能です。

実務経験は合格前後のどちらでも構いません。一般的には、合格後に経験を積むケースが多く見受けられます。

不合格だった場合でも、身につけた知識は変わりません。身につけた知識を活かした就職・転職活動ができるでしょう。

公認会計士以外の資格取得の勉強を開始する

公認会計士に合格した人の中には、さらなるキャリアアップのためにも他の資格取得を目指す人もいます。また、不合格だった場合も公認会計士試験対策として勉強したことを活かし、新たな資格にもチャレンジできます。

試験範囲が類似している箇所がある点や、独占業務をさらに増やせるといった点から、弁護士や不動産鑑定士、USCPA(米国公認会計士)は公認会計士と合わせて取得する資格としておすすめです。取得することで、他の公認会計士との差別化を図れるでしょう。

中でも、USCPAはアメリカ各州が認める公認会計士資格であるため、会計知識だけではなく、英語力の証明にもつながります。そのため、グローバル企業への就職や国内企業での国際案件の獲得などが可能になり、幅広い範囲で活躍できるようになります。

関連記事:アビタス「USCPAとは?魅力や取得後のキャリア・難易度・試験内容を詳しく解説」

公認会計士 論文式試験は、その後のキャリアも考えながら臨もう

公認会計士の論文式試験は、必須科目4科目と選択科目1科目の計5科目に合格しなければなりません。

合格までに必要な勉強時間は短答式試験を含めて2,500〜5,000時間であり、長期的な勉強プランを組む必要があります。

また、論文式試験に合格するだけでなく、資格取得に向けて3年間の実務経験を積む必要があります。公認会計士は試験勉強のスタートから資格取得まで長期の時間がかかる資格といえるでしょう。

そのため、資格取得後のキャリアを考えた上で試験に臨むことが大切です。就職・転職や他の資格取得など合格後のステップを明確にし、試験合格を目指しましょう。

USCPAの合格を目指すならアビタスで!

国際資格の専門校であるアビタスでは、6,000人以上のUSCPA合格者を輩出しており、日本在住合格者の約3人に2人はアビタスの卒業生です。

USCPAの講義では、英語と日本語を併記したオリジナル教材を活用して学習を進めます。そのため、英語のみで学習を進めるよりも正確に理解できるでしょう。

アビタスではUSCPAの概要をつかめる無料の説明会を実施しています。USCPAの資格が気になっている方はぜひアビタスの無料説明会にご参加ください。

まずは無料の説明会にご参加ください。

※記事に記載の内容は2023年5月時点のものを参照しています。

合わせてお読みください

最近のエントリー

カテゴリから探す