経営企画への転職を検討しているものの、どのようなスキルが必要か分からないという声も多く聞かれます。

本記事では、経営企画への転職に必要な経験やスキルを解説していきます。

また、転職に役に立つ学位・資格や転職後のキャリアパスについても触れていきますので、経営企画への転職を目指している人は、ぜひ参考にしてみてください。

目次
経営企画の仕事内容とは？
経営企画職への転職に必要なこと
未経験でも経営企画職への転職は可能か？
経営企画で役立つ資格や学位は？
経営企画に転職した後のキャリアパス例
経営企画への転職を目指すならMBA取得を検討しよう

経営企画とは企業の中長期にわたる経営計画の策定や管理、事業開発などを行う職種です。経営状況の把握やビジネスモデルの検討など業務内容は多岐にわたります。

経営企画の業務をこなす上では、資源分析や市場動向に関する調査が必要です。調査結果を基に経営層に対しプレゼンテーションを実施し、意思決定をサポートしていきます。

職域は企業規模や業種によって大きく異なるでしょう。例えば、企業によって経営企画の会議進行は総務が進めるケースや、経営企画の業務を他の部署が兼任して実施するケースもあります。

経営企画職への転職に必要な経験やスキルの一例として、次の4つが挙げられます。

• 実務経験
• 論理的思考能力
• プレゼンテーションスキル・ファシリテーションスキル
• 情報収集能力

上記はあくまでも必要な経験やスキルの一例です。経営企画は企業において重要な役割を持つため、幅広いスキルが求められます。

そのため、4つの経験・スキルを持っていれば、必ずしも経営企画に転職できるというわけではなく、1つの目安として見ていきましょう。

経営企画の実務経験は、他社の経営企画部門への転職にも有利といえます。しかし「経営企画の業務の一部を担った」「資料を作成した」など経験が一部に限られる場合は有利とはいえません。

ベンチャー企業などで経営層と近い距離で業務をこなした場合は、実務経験をより強みとしてアピールできるでしょう。

また、コンサルティング会社や監査法人、投資銀行などプロフェッショナルファームでの経験が、経営企画の業務に通じるケースもあります。企業の全体像を把握した上での実務経験がある場合、評価対象となるでしょう。

経営企画の業務を行うには経営者に対して、経営課題の解決に向け社内外のデータを分析し、答えを導き出さなければなりません。加えて、分析結果や課題解決への事業計画などを経営層や社員に対し、論理的に分かりやすく提示することも必要です。

また、経営層を説得できる報告書や企画書を作成することも求められます。そのため、多角的な視点から物事を考え、納得感のある解決方法を示す必要があるため、論理的思考能力が大切だといえます。

経営企画では企業成長の実現や経営課題についての戦略・方針・企画などを経営層に伝え、社内に発信しなければならないため、プレゼンテーションスキルが必要です。

また、組織の意思決定や問題解決方法を正しい方向へ導くファシリテーションスキルも身につけるとよいでしょう。

情報収集能力は正しい経営判断をするために、効率良く質の高い情報を手に入れる能力です。誤ったデータや社内の状況分析だけでは課題解決に至りません。

正しい経営判断を行うために、正しい情報を集める能力が求められます。

経営企画未経験の場合、転職は不可能ではないものの、採用されるのは困難です。

経営企画の業務はデータ分析によって経営戦略を提示する必要があり、経営層の目線に立って企業を成長させる役割があります。そのため、実務経験のある転職者が有利といえるでしょう。

また、企業が求める人材像によっても難易度は変わってくるでしょう。

経営企画の仕事に就くために役に立つ資格や学位として、「MBA」「中小企業診断士」「公認会計士」などが挙げられます。

ここでは、3つの資格や学位について解説していきます。

MBA（Master of Business Administration）とは経営学修士と呼ばれる「学位」です。大学院（ビジネススクール）の修士課程を修了することで授与されます。

修士課程では会計やファイナンスなど会社経営に必要な多くの知識を学びます。専門知識を活用し、経営課題への対応を行う経営企画とMBAとは親和性が高いといえるでしょう。

→MBAの詳細はこちら

中小企業診断士とは中小企業の経営課題に対応するための診断や助言を行う専門家です。

法律上の国家資格であり、中小企業支援法第11条に基づいて経済産業大臣が中小企業診断士を登録することが定められています。

MBAと同様に、幅広い領域にわたる専門知識が得られるため、実際の業務に直結する資格といえます。

参考：一般社団法人中小企業診断協会「中小企業診断士制度｜中小企業診断士ってなに？」

公認会計士は、企業の監査と会計を専門とする国家資格を持つ職種です。

資格取得のためには試験に合格し、会計の実務経験を積まなければなりません。そのため、資格取得の過程で即戦力としての高度な会計知識を得られます。

経営企画の業務で会計知識は必須であるため、公認会計士としてのスキルは多くの業務で活かせるでしょう。

参考：日本公認会計士協会「公認会計士とは｜公認会計士の仕事内容」

経営企画に転職した後、どのようなキャリアパスが考えられるのでしょうか。具体的なキャリアパスには、他社の経営企画部門やコンサルティングファームへの転職などが挙げられます。

また、経営層視点から戦略などを提示・発信する経験を積み、「経営幹部になる」「起業する」などのキャリアパスも視野に入れられるでしょう。

ここでは、経営企画の多様なキャリアパスの中から、4つの例を見ていきます。

経営企画職として成果を上げることで、自社の経営幹部として活躍するのも1つのキャリアパスです。経営企画部門に配属されるのは、幹部候補と期待されているケースも多くあります。

取締役をはじめ、CEO（最高経営責任者）やCOO（最高執行責任者）などに抜擢される可能性もあります。

経営企画の経験者・コンサルティング会社出身など経験や実績がある人は他社の経営企画部門で歓迎されます。

例えば現職で経営層とのすれ違いがあれば、経営企画の能力を活かせる他社への転職も選択肢になるでしょう。

コンサルティングファームは企業の経営を社外から客観的に判断するため、社内の経営企画部門の目線とは異なった見方をします。

コンサルティングファームへの転職を検討する場合、社内視点の経営企画と社外視点のコンサルティングファームとの違いを理解しつつ、実務経験を積むことが大切です。

両者の違いを意識すれば、転職先でも社内視点で積み重ねた経営企画の経験を応用し、コンサルタントとしてのキャリアを歩むことも出来るでしょう。

経営企画部門でコネクションを得た上で、経営や戦略のコンサルタントとして独立する選択肢もあります。

起業を検討する場合、早めにキャリアプランを立てて、着実に経験を積むことを意識しましょう。

未経験の場合、経営企画への転職は簡単とは言えません。しかし、実務経験者や学位・資格取得者であれば歓迎されるケースが多くあります。

特にMBAは経営企画との親和性が高く、経営企画を目指す上でおすすめの学位です。経営企画への転職を目指す場合、MBA取得を検討してみても良いでしょう。

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