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今、内部監査に携わっている方にとって、CIA資格が即戦力となるのは言うまでもありません。では、内部監査部門から離れてしまった方や、内部監査の経験が無い方にとって、CIA資格は役に立たないものとなるのでしょうか?もちろん、そんなことはありません。
CIAの学習で得る知識は、内部監査人だけでなく、ビジネスのさまざまなシーンで役立てていただくことが可能です。何よりもまず、CIAを通じて「経営者の視点」を養成することができます。例えば、有効な内部統制の維持に関しては、多忙な経営者に代わり、内部監査人が「経営者の視点」で評価を行うという構図になっております。CIAでは「どういう視点で内部監査を実施するのか」という点にフォーカスして学習します。つまり、CIAを通じて「経営者の視点」を身に付けることに繋がるのです。
また「経営者の視点」という観点においては、広範な知識も必要とされます。経営者が意思決定をするためには、経営管理に限らず、会計や財務など、幅広い知識が必要となります。
そのためCIAの学習領域には、内部監査だけにとどまらず、会計・ファイナンス・IT・経営戦略などといった経営者の「意思決定」の基礎となるビジネス知識も含まれているのです。
こうした特性から、経営スキルアップのため、もしくは、これまでのご経験を通じて得られた知識の集大成として、CIAにチャレンジされる方が数多くいます。もちろん、将来的に内部監査に携わってみたいと思われる場合「CIA取得=強い熱意の証明」につながります。「内部監査の専門知識+包括的なビジネス知識」が身に付く資格、それがCIAなのです。
CIA(公認内部監査人)資格を取得された方は、資格をその後のキャリアにおいてどのように活かしているのでしょうか?仕事観の変化などはあるのでしょうか?実際に実務にあたっている方をお招きしてインタビューした「CIA実務者インタビュー」コーナー始まります!
会社名・所属部署・役職は取材当時の内容です。
CIA(公認内部監査人)合格時期:2020年
学習期間:約半年
ご経歴:
損害保険会社法人営業部門やリスクコンサルティング会社を経て2019年2月から現職。公認内部監査人(CIA)。
PwCグループのGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス・アドバイザリー部)に在籍して、内部監査のアドバイザリー業務に従事している30代の小林さん。CIA(公認内部監査人)の学習を通じて内部監査に関する体系的な知識を得られたことで、実務におけるパフォーマンス向上を実感しておられます。「内部監査は20代、30代からでも始められる仕事です」と、若手にとっての内部監査とCIA取得の意義について語っていただきました。
CIA(公認内部監査人)合格時期:2009年
学習期間:半年間
ご経歴:
関西大学法学部卒。ローランド株式会社情報システム部門、住宅設備機器メーカー法務部門などを経て2019年12月から現職。CIA(公認内部監査人)。
情報システム部門在籍時にJ-SOX(内部統制報告制度)プロジェクトに参画したところから内部監査の道を歩み始めた三永さん。現在は東証一部上場の老舗オンラインゲーム会社において内部監査室長を務めておられます。CIA(公認内部監査人)の取得は「その後の自分自身の業務におけるベースとして非常に役立っています」と、数多くの資格を取得してきた経験を振り返りながら内部監査について語っていただきました。
CIA(公認内部監査人)合格時期:2009年
学習期間:1年半
ご経歴:
慶應義塾大学商学部卒。三井住友銀行監査部、総務部などを経て、2020年から現職。CIA(公認内部監査人)、CFE(公認不正検査士)。
2006年から銀行で内部監査キャリアをスタートし、中国現地法人で内部監査部門長を9年間務めるなど海外経験が豊富な三角さん。今は世界有数の総合塗料メーカーに移って内部監査をされています。「日本と海外の間には内部監査の地位と貢献度にギャップがある」と、内部監査のあるべき姿についてグローバルな目線で語っていただきました。
CIA(公認内部監査人)合格時期:2015年
学習期間:2年
ご経歴:
大阪外国語大学(現在の大阪大学)外国語学部卒。三井住友銀行アジア部、グローバル・アドバイザリー部、監査部などを経て、2016年から現職。
銀行員としてのキャリアを歩む中、50代半ばで監査部に異動して内部監査に携わることになった藤井さん。今では世界有数のエンタテインメント・コンテンツやサービスを提供するゲームソフト開発会社において、4年にわたり監査室長を務めておられます。「サラリーマンとしての内部監査ではなく、内部監査のプロフェッショナルとして会社にいるというぐらいの意気込みが必要」と真っすぐな思いを語っていただきました。
CIA(公認内部監査人)合格時期:2007年11月受験、2008年1月内部監査人登録
学習期間:3ヵ月ほど
ご経歴:
東京大学大学院農学生命科学研究科修了。株式会社中央経済社旬刊経理情報編集部、独立系コンサルティング会社を経て、2009年より現職。
2007年に独立系コンサルティング会社に転職してから内部監査に携わり、10年以上の業務経験を持つ成繁さん。現在はさまざまなインターネットサービスを展開する楽天株式会社の内部監査部門に在籍し、監査チームのマネジメントを中心に行っておられます。「相手がオープンに話せるコミュニケーションの『軽さ』」をモットーに、チームメンバーと楽天らしい監査のあり方について、率直な考えを語っていただきました。
CIA(公認内部監査人)合格時期:2011年5月
学習期間:2年間
ご経歴:
法政大学法学部卒。某小売業で小売り担当人事担当、2002年から某化粧品会社で人事グループ長、物流管理副センター長等を歴任。2015年から現職。
前職にいた30代、J-SOX適用プロジェクトから内部監査キャリアを歩み始めた鹿間さん。今ではフランチャイズを多く抱える教育グループにおいて、上場を視野に入れた内部監査の責任者を務めておられます。内部監査が裏方として支え「企業が健全に、右肩上がりで上がっている状態こそが喜び」と穏やかながらも自信に満ちた表情で語っていただきました。
-社会にGRCが求められる背景
企業がビジネスを行う上で、素晴らしい製品やサービスを開発することは重要な要素ですが、それだけでは、企業が持続的に成長できるものではありません。
例えば、法令違反、不正や不祥事、反社会的勢力との取引による当局からの制裁など、企業が社会からの信頼を損なわないよう、強固な経営管理体制を構築することが必要不可欠であり、企業の不祥事や社会・経済問題の複雑化を受けて、その重要性は日々高まってきております。
また、昨今の生成AIの普及やデジタルツールの導入といったDX化に伴い、一昔前と比べ、識別すべきリスク自体も変化してきております。例えば、生成AIの普及に伴い、法令違反や規約に反した学習データの利用、誤情報・権利侵害・差別的判断の出力等のリスクが生じており、開発や利用を倫理や法といった社会の基準に沿って管理監督するAIガバナンスが必要となってきていたりと、このような新たなリスクに対する対応の重要性も高まってきております。
-クライアントの課題
このような背景のもと、クライアントはガバナンスやリスク、コンプライアンスといった密接な関係をもつそれぞれの課題に柔軟に対応していかなければならず、それに加え、先に申し上げたような生成AIの普及やデジタルツールの導入といったDX化、ESG/SDGs等のテーマにも対応していかなければなりません。
特に、AIの普及に伴い、AI人材採用コストや維持コスト、ベンダーロックインの他、情報セキュリティやサイバーセキュリティの両サイドのセキュリティリスク対策やAIガバナンス体制の整備と、運用を管理・評価する2線・3線の人材育成といった部分において、課題を持つクライアントが今後、ますます増えていく傾向にあるのではないかと考えております。
-そのために取り組まれている人材戦略
PwCのGRC部門では、そのような社会的ニーズの高まりに応えるべく、2023年に組織改編を行いました。現在は総勢約300名の体制となっております。
金融/非金融いずれの会社も要するコングロマリット的な企業が増えてきている中、組織改編のポイントとしては、金融/非金融に関わらずワンストップで対応可能な体制を整備し、これまで金融/非金融それぞれで活動していた専門家の知見をフルに活用することで、クライアントの課題解決に注力するところにあります。
また、AIを含むDX等の先端課題については、CoE(Center of Excellence)と呼ばれる専門家チームが特定領域の知見やサポートを提供する体制を整備しております。更に、CoEからの定期的な情報共有の場を設置したり、デジタル社会に求められる思考や技術を学ぶ機会を積極的に設けスキルの底上げを図るなど、特定の人物だけではなく、PwC全体で新たな知見の吸収・人材の育成に取り組み、クライアントの多岐にわたる課題の解決に繋げております。
その他、PwCグループ全体では、部門・法人を跨いだコラボレーションも活発に行いながら、All PwCで提供できる知見を更にフル活用し、ワンチームでクライアント様の課題解決に取り組んでおります。
-内部監査にはどのような役割・スキルが求められているか
先に挙げた背景の元、自身がメインで関与する内部監査領域では、コーポレートガバナンスコードやIPPFの改訂もさることながら、グローバルでのガバナンスを担う観点で内部監査への注目度・重要性が高まっており、その関係から、CIA保持者に内部監査の高度化、コソース、EQA(外部品質評価)を依頼したいというクライアントからのご要望が増えてきております。
近年の著しい社会変化の中で、企業経営の不確実性はますます高まっており、内部監査においては、単なる業務チェックや法令遵守の確認といった作業にとどまらず、(業務全般に対する幅広い知識をもとにした)リスク管理プロセスの向上や経営戦略が目指す方向に則した改善提言を行う価値創造の役割が求められるようになってきているように感じます。
その他、人材面において、どのような人物・スキルが求められるのか/求められていくのかを考えた時に、(内部監査の基準やビジネスに対する広範な知見を有し、会社のことをよく理解していることはもちろんのこと、)企業の営みを評価し提言する内部監査人も最新の情報や技術に精通しているべきであり、環境の変化に柔軟に対応し、新たなリスクをキャッチアップしていけるような人材が今後求められるようになっていくのではないかと考えております。例えば、生成AIですと、自分自身がAIを積極的に活用してみないと(構造等を)理解できない、リスク(がどこにあるのか等)を把握できない部分があるかと思います。そのような対応に抵抗を示さずに積極的にキャッチアップしていけるような人材が今後、求められていくと考えております。
ちなみにAIの普及に伴い、内部監査の評価手続面においても、変革(AIを活用した内部監査の標準化・効率化)が起きつつあります。例えば、AIを活用したデータ分析手法の導入により、これまで部分的であったテストの深度や網羅性を高める動き等が出てきております。このような監査範囲の拡大や新たなリスクアプローチを提供するサービス内に積極的に取り入れるべく、我々も日々キャッチアップに励んでおります。
-CIA資格はどのように役に立つか
(先に内部監査が求められる役割についてお話ししましたが)その役割を担うための一つのツールとして有効なのがCIA資格です。私どものGRC部門ではこのCIA資格を非常に重視しており、新しく加入するメンバーに対して取得することを強く推奨しております。また、最近では、クライアントからお声がけいただく際も、CIA保持者をアサインしてほしいとのご要望もよく耳にします。
CIA資格は、資格を取得する過程で、内部監査の基礎や基準への理解のほか、ビジネス感覚や情報セキュリティ、財務管理といった幅広い知識を学ぶことができ、資格を取得した暁には、対外的にそのことを証明することができます。また、学んだ知識は内部監査の業務だけではなく、リスクに対する感度や業務全般の健全性の評価、不正を検知する能力が養われる他、経営者目線での判断力や分析力の向上が期待できると考えております。
なお、実務的なところの話をすると、今回のIPPFの改訂に伴い、グローバル内部監査基準では、EQAにおいて、最低1名がCIA資格保持者であることを必須要件としております。このことは、資格が役立つかどうかという観点よりも、グローバル基準での内部監査や外部評価の実施が世の中的に求められるようになってきた中で、現場における品質の確保、=資格保持者のニーズが高まってきていることの現れなのではないかと考えております。