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小林 明日香(こばやし あすか)さん
PwCあらたGRC部門
シニアアソシエイト
PwCあらた有限責任監査法人(以下、PwCあらた)のガバナンス・リスク・コンプライアンス・アドバイザリー部(GRC)に在籍して、内部監査のアドバイザリー業務に従事している30代の小林さん。CIA(公認内部監査人)の学習を通じて内部監査に関する体系的な知識を得られたことで、実務におけるパフォーマンス向上を実感しておられます。「内部監査は20代、30代からでも始められる仕事です」と、若手にとっての内部監査とCIA取得の意義について語っていただきました。
記事内容はインタビュー当時のもので現在は異なる場合があります。予めご了承ください。
CIA取得を決めたのは、内部監査に関するサービスを提供する上で、基礎となる知識を体系的に得たかったからです。内部監査に関する体系的な知識を身に付けることで、実務におけるパフォーマンスを向上させられるのではないかと考えました。
また、私の所属しているGRCが、部門としてCIA取得を奨励していることも大きな後押しとなりました。CIA資格奨励金という制度が用意されており、基本的には配属されてから1年程度を目安にCIAを取得することが目標として設定されています。上司や先輩からの応援もあり、私もCIAを無事取得することができました。
先ほど申し上げた通り配属後1年程度でのCIA取得が目標のため、私は配属後すぐに、アビタスのCIAコースに申し込みをしました。しかし、実際最初の1年間は忙しくて学習に手が付かず、本格的に学習を開始したのは2020年2月からでした。そこで、この反省も踏まえて、あらかじめ期限を決めて順次学習を進めるというスタイルに変更しました。
具体的には、学習開始2カ月後の4月にPart1、その2カ月後の6月にPart2、さらに2カ月後の8月にPart3という形で、先に受験申し込みをしてしまいました。2カ月ごとにPartを1つずつ受験する形を作ってから、学習を始めたわけです。
その上でアビタスのカリキュラムに沿って、1週間ごとに何をやるのかという学習計画も2カ月分立てました。期間中は平日の夜を中心に1~2時間ずつ学習時間を設けていましたが、この計画を毎週必ずやり切るというノルマを自分に課していました。
CIAの試験はいつでも受験することができます。これは大きなメリットでもあるのですが、私の場合、気持ちに余裕ができ過ぎるより、自分に制限を課したほうがやる気を維持できます。それを実践したことが、無事CIAを取得できた要因になったと考えています。
試験前の2週間に関しては、アビタスの模擬試験と公式の問題集を実際に解くというところを重点的に行いました。試験問題を解いていくと苦手箇所が見つかるので、その部分はもう一度アビタスの動画とテキストに戻って復習する、ということを繰り返し行いました。
これによって試験問題に慣れると同時に苦手箇所の克服ができ、実際の試験では落ち着いて問題を解くことができました。3回とも試験前はこの方法で学習しましたが、有効な試験対策になったのではないかと思います。
現在、内部監査に求められる役割は急速に変化しているところで、特に日本においては重要性が高まってきていると考えています。そのため、直面する課題は非常に難解なものが増えてきているのですが、その分、内部監査人が社会や企業に貢献できる機会もより多くなっていくはずです。
内部監査人として活躍する場を考えても、事業会社という選択肢だけでなく、私たちのようなコンサルティングファームという選択肢もあります。私も30代ですが、20代、30代からこのキャリアをスタートしていくというのは、自分の幅を広げることにもつながっていくと考えています。
内部監査部門に配属されるのは、ビジネス経験を多く積んだ40代、50代が多いというイメージがあり、この背景には、「第1ライン、第2ラインが分かってこそ経営のことが分かるようになる」という考え方があるのでしょう。
しかし、そういった固定的な考え方にとらわれることはありません。まずは第3ラインで内部監査を経験し、そして第1ライン、第2ラインに目を移せば、全然違う見方ができるようになるということもあるはずです。そういった形で行き来をするという発想で、第3ラインの内部監査を早めに始めるのもいいのではないかと考えています。現に、PwCあらたのGRCではいろいろな年代の人が活躍しています。
内部監査は若手のうちから始められる仕事ですし、長期的なキャリア形成という意味でもここから始めるというのは面白い形だと思います 。
30代でCIAを取得し内部監査の最前線で活躍されている小林さん。今まで経験豊富な40-50代の方が主に取得していたCIA資格ですが、小林さんのような若手の方が取得することで多様性が生まれ、内部監査の世界はさらに発展できると感じたインタビューでした。