本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。
本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。
藤井 聡さん
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス 監査室室長
CIA(公認内部監査人)実務者インタビューの第三弾として、株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングスの藤井さんにインタビューをさせていただきます。
銀行員としてのキャリアを歩む中、50代半ばで監査部に異動して内部監査に携わることになった藤井さん。今では世界有数のエンタテインメント・コンテンツやサービスを提供するゲームソフト開発会社において、4年にわたり監査室長を務めておられます。「サラリーマンとしての内部監査ではなく、内部監査のプロフェッショナルとして会社にいるというぐらいの意気込みが必要」と真っすぐな思いを語っていただきました。
記事内容はインタビュー当時のもので現在は異なる場合があります。予めご了承ください。
転職にあたり私は内部監査部門を希望しましたが、幸いなことに何社かからオファーをいただくことができました。CIAが採用判断における決定的なポイントになったわけではないと思いますが、転職先を探す段階においてはかなり効果があったと感じています。
CIAの試験は日本によくある試験と違い、答えがはっきりしているものが少ないという印象があります。何度も問題を解いて答えを覚えればいいというのではなく、内部監査の本質を理解しないと解けない問題が多々あります。
単に問題を解くだけでなく、内部監査の本質をよく勉強できたことはとても良かったと感じています。実際に監査している中でも判断に迷う場面がありますが、そんなときにはCIAで学んだことに立ち返るようにしていました。
試験にも何度か出てきましたが、内部監査の本質は「会社の目標達成を支援する」というところにあります。会社全体でこのことに対する理解が深まれば、内部監査はもっと生きてくるはずです。監査部門に限らず経営者や現場にも、CIAの知識が広く浸透していくといいですね。
不合格となったタイミングでは勉強方法も変えました。単に問題を解いているだけでは合格できないと思ったので、内部監査に関する一般的な本をいろいろと読みあさりました。問題を解くことよりも、監査のストーリーを知ることに力を入れました。一度問題から離れることで知識が整理されて、最初は何を言っているのか分からなかった問題が意外と簡単に分かるようになったりするものです
自分にはゲーム開発の経験はないので、全ての領域においてスタッフに「どういうプロセスで作っているのか」「何がリスクなのか」など、ヒアリングしていく必要がありました。
ただ、ヒアリングに対する抵抗のようなものは、全くありませんでした。若い人が多いからか、むしろ話を聞いてもらってうれしいというところもあって驚きました。今の会社では、現場の人と一緒になって考えていくというスタンスを意識するようにしています。
銀行とエンタテインメントを提供する会社では、両極端と言えるぐらい大きな違いがあります。銀行は金融という業務の性質上、ルールをしっかり固めておく必要があります。一方、エンタテインメントを提供する会社では自由であることが良い製品を作る原動力につながる側面もあり、ルールに囚われない自由度が求められるところもあります。
私には銀行のルールをしっかり固めるという文化が染み付いていますが、それをそのまま当社に当てはめようとしてもうまくいきません。最低限のところを見極めながら、ルールを変えていく必要があると考えています。
どのレベルでリスクマネジメントを行っていけばいいのかは、会社によって正解が異なります。自由度を重んじるほうがいいのか、それとも規制を強めたほうがいいのかというところのすり合わせは、日頃から非常に難しいと感じている部分です。
終始柔らかい雰囲気でお話してくださった藤井さん。 インタビューは、ご自身のご経験やお考えを整理する「いい機会になった」と言っていただきました。
監査は会社によってさまざまだからこそ、どの会社にいっても活躍出来るスキルを身に付けてお仕事に活かしている姿が印象的でした。