なぜMBA取得を考えましたか。きっかけと課題感をお教えください
私はイベント企画・運営、広報、治験翻訳など多様な職務経験を経て、長年にわたりエグゼクティブのアシスタントとして経営層を支援してきました。経営の最前線で業務に携わる中で、経営戦略や財務、人材マネジメントなど、ビジネスにおける意思決定がどのように行われているのかを身近に見る機会に恵まれました。一方で、経営や財務をはじめとするビジネスの基礎知識については体系的に学んだ経験がなく、より深い理解を持つことで、経営層に対してより付加価値の高いサポートを提供できるのではないかと考えるようになりました。
また、長年秘書職に従事してきた中で、自身のキャリアの次のステップについても意識するようになりました。将来どのような環境や役割に挑戦することになっても、自分が本当にやりたいことを実現できるよう、選択肢と可能性を広げておきたいと考えたことも、MBA取得を志した大きな理由の一つです。MBAを通じてビジネス全般を体系的に学ぶことは、経営層をより深く理解し、エグゼクティブアシスタントとしての価値を高めるだけでなく、自身のキャリアの可能性を広げ、次のステップへ進むための確かな土台になると考えました。
そのような思いを抱いていた頃、世の中はコロナ禍に突入しました。仕事や家庭生活においてさまざまな制約や不安が生じ、先の見えない日々が続く中で、私は「こんな時だからこそ、何か前向きな挑戦をしたい」と強く思うようになりました。そして、これまで抱いていた学びへの思いとキャリアへの挑戦意欲が重なり、MBAへの挑戦を決意しました。
他校と比較して、最終的にUMassを選んだ『決め手』は何でしたか?
UMassを選んだ理由はいくつかあります。まず、私は海外の大学を卒業しているため、MBAについても海外大学で挑戦したいという思いがありました。一方で、家族がいることから海外へ留学することは現実的ではなく、日本にいながら受講できるプログラムを探していました。また、当時はコロナ禍であったため、学習から修了までをリモートで完結できることも重要な条件でした。
さらに、MBA取得にあたっては経済的な負担も考慮し、質の高い教育を比較的リーズナブルな費用で受けられるプログラムを探していました。そのような条件を満たしていたのがUMassのMBAプログラムでした。
加えて、私自身、長年エグゼクティブアシスタントとして働いてきたものの、経営学や財務などを体系的に学んだ経験がなかったため、英語で行われるMBAプログラムについていけるかという不安がありました。しかし、UMassのプログラムでは基礎課程を日本人講師から学ぶことができるため、MBAで求められる基本的な知識や考え方をしっかりと身につけたうえで上級課程に進める点に大きな魅力を感じました。
実際に基礎課程で学んだ内容は上級課程で大いに役立ち、自信を持って授業に取り組むことができました。その結果、上級課程でも良好な成績を収めることができ、UMassを選んだ判断は正しかったと感じています。リモートという学習環境、費用対効果、そして段階的に学べるカリキュラムのいずれもが、私にとって最適な選択でした。
学習時間の捻出方法や、継続のための工夫があれば教えてください
勉強時間の捻出については、本当に苦労しました。MBAの受講を開始したのは、新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が出て間もない頃で、授業はすべてフルリモートで行われました。受講開始当時、私には6歳の長男と2歳の次男がおり、保育園の休園や在宅保育の影響を受けることも多くありました。
日中は在宅勤務をしながら子どもの世話を行い、勉強時間は主に早朝や深夜に確保していました。体力的にも精神的にも決して楽ではありませんでしたが、限られた時間を積み重ねながら学習を続けました。また、平日の夜に開催される同期との勉強会に参加する際には、ベッドの隣にいる子どもの背中をトントンしながら寝かしつけ、同時にイヤホンで講義やディスカッションを聞くこともありました。
こうした挑戦を続けられたのは、家族の支えがあったからこそだと思っています。主人をはじめ、妹や両親も積極的に子どもの面倒を見てくれたおかげで、週末にはまとまった学習時間を確保することができました。家族の理解と協力には心から感謝しています。
継続するために私が常に意識していたことは、「終わりは必ず来る」と考えることでした。仕事、育児、学業を両立する毎日は想像以上に大変でしたが、MBAは永遠に続くものではなく、修了というゴールがあると自分に言い聞かせていました。目の前の課題や試験に追われそうになったときも、「この忙しさもいつか終わる」「今しかできない挑戦だ」と考えることで、モチベーションを維持することができました。
UMassでの学習を通じて得た事について教えてください。印象に残っている課目やその理由についても教えてください
UMassでの学習を通じて得たものは、ビジネス知識だけではありません。振り返ると、仕事、育児、学業の三立を実現するために試行錯誤した経験そのものが、自分にとって大きな財産になっています。限られた時間の中で優先順位をつけ、周囲の協力を得ながら目標を達成した経験は大きな自信につながりました。
学業面で特に印象に残っているのは、私がコンセントレーションとして選択していたManagerial Leadershipです。その中で学んだ「サーバント・リーダーシップ」は、私の仕事観を大きく変えるきっかけとなりました。
私は長年エグゼクティブアシスタントとして働いてきましたが、「秘書は上司に仕える存在なので、リーダーにはなれない」という固定観念をどこかで持っていました。しかし授業を通じて、リーダーシップとは肩書や役職で決まるものではなく、一人ひとりがそれぞれの立場で発揮できるものであることを学びました。
特にサーバント・リーダーシップの考え方は、私が長年探し求めていた秘書としての理想的なリーダーシップ像そのものでした。リーダーシップとは必ずしも前に立って人を引っ張ることではなく、周囲を支えながら組織をより良い方向へ導いていくことも含まれます。私は経営層を支援する立場として、リーダーを後方から支え、その意思決定や組織運営がより良いものになるよう貢献したいと考えてきましたが、この授業を通じて「それも立派なリーダーシップである」と確信することができました。
MBAで得た最大の学びは、経営やリーダーシップに関する知識だけではなく、自分自身の可能性や価値観を再発見できたことだと思います。特にサーバント・リーダーシップとの出会いは、秘書という仕事に対する誇りと自信をこれまで以上に強く持つきっかけとなり、現在のキャリアにも大きな影響を与えています。
UMassでの学びや学位がキャリアや実務にどう役立っていますか
UMassでのMBAの学びは、私のキャリアや実務に大きな影響を与えています。最も大きな変化は、エグゼクティブアシスタントとしての仕事を、単なるサポート業務ではなく「経営に貢献する役割」として捉えられるようになったことです。
MBA取得前は、経営層の近くで仕事をしながらも、経営戦略や財務、人材マネジメントといったビジネスの意思決定の背景を十分に理解できているとは言えませんでした。しかし、MBAで経営学を体系的に学んだことで、経営層が何を重視し、どのような視点で意思決定を行っているのかを理解しながらサポートできるようになりました。現在では、会議やプロジェクトの目的、組織にとっての優先順位なども意識しながら業務に取り組むことができています。
また、MBAで学んだ組織行動論や戦略思考は、日々の業務改善や部門横断プロジェクトの推進にも役立っています。以前よりも全体最適の視点で物事を考えられるようになり、単に依頼された業務をこなすだけでなく、「組織にとって何が最善か」を意識して提案や調整を行えるようになりました。
MBAは私に経営知識を与えてくれただけでなく、「秘書もまたリーダーシップを発揮できる存在である」という新たな視点を与えてくれました。その学びは現在の実務に直結しており、経営層のより良い意思決定と組織の成果に貢献するための基盤になっています。
クラスメートとの交流や印象に残ったエピソード
私にとってUMassでの学びは、授業や課題だけでなく、同期との出会いも大きな財産となりました。特に20期のメンバーは本当に仲が良く、お互いに支え合いながらMBA生活を歩んだことが印象に残っています。
私たちがMBAを受講していた時期はコロナ禍と重なり、対面で集まる機会がほとんどありませんでした。しかし、そのような環境だからこそ、同期の皆さん、特に男性陣を中心に積極的に交流の場を作ってくれました。オンライン交流会で、お互いの仕事やバックグラウンドを知る機会、またさまざまなオンラインゲームや企画を通じて楽しみながら交流を深めることができたことで、物理的な距離を感じさせないほど強い一体感が生まれていたと思います。
特に印象に残っているのは、20期の同期が卒業する際に開催されたお祝いのイベントです。みんなで都内の公園に集まり、ガウンを着て記念写真を撮るイベントを開催していました。コロナ禍で入学当初は直接会う機会すら限られていましたが、オンラインで築いた関係がリアルなつながりへと発展し、卒業という節目を仲間とともに祝えたことは忘れられない思い出です。
MBAで得た知識はもちろん大きな財産ですが、それ以上に、多様な業界や職種で活躍する仲間たちと出会い、互いに刺激を受けながら成長できたことは、UMassでの学びを特別なものにしてくれたと感じています。
これから目指す方へのアドバイス、激励をお願いします!
正直に言うと、フレームワークもほとんど知らず、財務諸表も十分に読めなかった私にとって、MBAへの挑戦はとても勇気のいる決断でした。しかも、英語で大学院を修了することを目指し、さらにコロナ禍という前例のない状況の中での挑戦でした。不安がなかったと言えば嘘になりますし、「本当に自分にできるのだろうか」と何度も自問自答しました。
実際、在学中には課題や試験に追われ、「もう無理かもしれない」と思ったことも一度や二度ではありませんでした。それでも最後まで走り切ることができたのは、同じ目標に向かって努力するUMassの仲間たちの存在と、家族の理解と協力があったからです。一人では乗り越えられなかった場面も、周囲の支えによって乗り越えることができました。
MBAは決して楽な道のりではありません。仕事や家庭との両立をしながら学ぶ方にとっては、まさに大きな山を登るような挑戦だと思います。しかし、その山を登り切ったときに得られるものは、MBAの学位や卒業証書だけではありません。経営知識やビジネススキルはもちろんのこと、自分自身への自信、新しい視点、多様なバックグラウンドを持つ仲間とのネットワーク、そして困難を乗り越える力など、人生を豊かにする多くの財産を得ることができます。
私自身、MBAで学んだこと以上に、「自分はここまでできるのだ」という自己成長を実感できたことが大きな収穫でした。もし今、「自分には難しいかもしれない」「知識が足りないかもしれない」と迷っている方がいるなら、ぜひ一歩踏み出してみてほしいと思います。
そして、継続するための私なりのコツは、とてもシンプルです。
「終わりは必ず来る」と考えることです。
どんなに大変な課題も、どんなに忙しい毎日も、永遠には続きません。目の前の一歩一歩を積み重ねていけば、必ずゴールにたどり着きます。大変なときこそ、ゴールの先にいる自分を想像しながら進んでください。
MBAは自分の可能性を広げてくれる素晴らしい挑戦です。皆さんがその一歩を踏み出し、自分らしい学びと成長の機会をつかまれることを心から応援しています。