なぜMBA取得を考えましたか。きっかけと課題感をお教えください
ベトナム駐在中、海外の取引先や競合他社で同格のポジションにいる方々とお会いする機会が多くありましたが、彼らの名刺にはMBAの記載が目立ちました。彼らは日本企業のような終身雇用という発想を持たず、個人として自らのキャリアを築き、所属企業にとらわれずステップアップしていく考え方を持っていました。会議の場でも発言力があり、プレゼンテーションには説得力があり、スピード感を持って次々と施策を実行し、市場を拡大していく姿を目の当たりにしました。一方で、私たち日本企業はリスク管理など守りの部分は堅実であるものの、意思決定のスピードで劣り、結果として市場シェアや取引先との商談機会を彼らに次々と奪われていく光景を数多く経験しました。その差を突き詰めて考えたとき、経営を体系的に理解しているか、そしてそれを実践する方法を知っているかという点に行き着きました。自らの競争力を高め、同じ土俵で対等に渡り合える力を身につけるため、MBA取得を決意しました。
他校と比較して、最終的にUMassを選んだ『決め手』は何でしたか?
MBA取得にあたり海外留学も検討しましたが、当時はコロナ禍の影響もあり、留学には高額な学費・生活費に加え収入が途絶えるリスクもありました。そこで、仕事を続けながら収入を維持できること、オンラインで学べることを条件に、週末集中型やオンライン形式のMBAプログラムを探しました。また、知名度があり海外でも通用する学位であることを重視していたため、日本の学校ではなく海外大学と提携するプログラムを軸に検討しました。イギリスやオーストリアの大学のプログラムも候補にありましたが、IT・AI分野で世界最先端を行くアメリカのプログラムに魅力を感じ、UMass Lowellを最終的に選びました。実際に受講してみると、経営学に加えAIやDXなど最先端技術の成功事例や知見を数多く取り入れた授業内容であり、期待以上の学びを得ることができました。
学習時間の捻出方法や、継続のための工夫があれば教えてください
仕事との両立には学習時間の確保が何より重要だと考えました。各講義の難易度や作業量、グループワークが必要な場合はメンバーとの打ち合わせ時間や準備も踏まえて計画的に進めましたが、正直、最終課題の提出や試験前は深夜まで作業することも多々ありました。そこで各講義開始前にシラバスを読み込み、有給休暇や仕事の繁忙期と授業負荷のバランスを見ながら時間を捻出するようにしました。特に夏季のEntrepreneurship and Global Innovationは、現在はボストンで対面受講する科目ですが、私が受講した際はコロナ禍の影響でオンライン・リアルタイム開催となっており、ボストンの朝8時が日本時間では夜21時頃からのスタートでした。この期間は長期休暇を取得して授業に集中し、アメリカをはじめとするUMass生と直接ディスカッションする貴重な機会を得ることができ、学び以上に多くの経験を積むことができました。
UMassでの学習を通じて得た事について教えてください。印象に残っている課目やその理由についても教えてください
UMassでの学びを通じて得たものは正直数多くあります。日本国内で生活し、日本語のニュースや書籍のみに触れている日常では手に入らない、世界最新の経営知識や情報に数多く触れることができ、自分がいかに井の中の蛙であったかを痛感しました。最近では英語の一次情報を自ら取りに行く習慣も身についてきています。講義の中でも衝撃を受けたのはManagement of Organizational Changeの授業です。組織変革は日本企業の課題の一つだと感じていたところ、授業が進むにつれ、変革を主導するのはトップでもボトムでもなく中間管理職であるという結論が示され、大きな衝撃を受けました。保身的な管理職や役員に新しい提案やチャレンジが潰されがちな硬直した組織の中で、中間管理職が周囲やトップを説得しリーダーシップを発揮することで、組織全体を動かしていけるというストーリーに強い納得感がありました。この学びを実践に移し、社内でDXやAI基幹システム導入をあきらめずにトップ・ボトム双方に働きかけ続けた結果、MBA修了の頃には自らがプロジェクトリーダーとして経営会議や取締役会で説明する立場となり、会社としてDX・AI導入を本格的に検討する段階まで進めることができました。
UMassでの学びや学位がキャリアや実務にどう役立っていますか
UMassでの授業は基礎課程から実務に役立っており、学んだ内容をすぐに仕事でアウトプットすることで理解が深まり、課題への回答自体も説得力のある内容になっていきました。最初に役立ったのはマーケティングの授業です。当時、新規事業担当として取り組んでいた案件と最終課題のテーマが重なっており、仕事と学習を並行して進めることができ、最終課題の内容がそのまま新規事業の骨子として実務にも活かされました。また、上級課程の選択科目Entrepreneurshipでは、今後自ら事業を立ち上げたいというキャリア構想があり、その計画を練るうえで起業に関する知識や体系立てた考え方、事業計画の作成方法が大変参考になりました。ここで得た学びは、近い将来のキャリアにおいて活かせるものと考えています。
クラスメートとの交流や印象に残ったエピソード
クラスメートとはオンラインや対面での学習を通じて交流を重ねました。基礎課程では入学時期が同じメンバーが多く、オンラインでの学習会を数多く実施し、互いに課題を教え合いながら学びを深めていきました。その縁は卒業した今もLINEグループでつながり続いています。そして、特に印象に残っているのは、夏季に行われたEntrepreneurship and Global Innovationの授業です。オンラインで課題をこなす普段のスタイルとは異なり、リアルタイムで20名以上のメンバーと一体となって授業に参加する形式で、日本から参加した5名とはランチを共にするなど親交を深めました。英語での質疑応答には緊張感がありましたが、その分授業を終えた後の充実感は格別で、Umassの授業の中でも特におすすめしたいものの一つです。また、有志で集まるUmass Golfという会があり、半年に一度、4期生から25期生まで期の異なるOBが約10名集まり、ゴルフを通じた交流を続けています。
これから目指す方へのアドバイス、激励をお願いします!
UMassでの学びは、日本にいるだけでは決して得られない環境や、普段なかなか出会うことのない業界の方々との交流を与えてくれます。それは授業内容そのものだけでなく、人生においても大きな影響を及ぼす経験になると思います。アメリカ人をはじめ世界中から集まる受講生の考え方やキャリアの築き方に触れることで、自分自身の視野も大きく広がります。私自身、最大に得たものはMBAという資格そのものだけでなく、最後まで学び抜いてボストンで参加した卒業式(Commencement)での感激と経験でした。あの瞬間の高揚感は一生忘れられないものになると思います。仕事との両立で大変な時期も多いと思いますが、その先にはそれだけの価値のある経験が待っています。ぜひ挑戦して、最後までやり遂げていただきたいです。