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卒業生の声

「優れたサイエンスだけでは成り立たない」。創薬研究者がMBAで手に入れた経営視点が、研究と社会実装をつなぐ橋渡し役を進化させた。

「優れたサイエンスだけでは成り立たない」。創薬研究者がMBAで手に入れた経営視点が、研究と社会実装をつなぐ橋渡し役を進化させた。

大原 健太郎さん

  • 通信
  • 50歳代
  • その他
  • 700点以上

なぜMBA取得を考えましたか。きっかけと課題感をお教えください

製薬企業で創薬研究に従事していた頃、プロジェクトリーダーとして研究開発の推進に注力し、一定の成果や手応えを感じていました。一方で、創薬ベンチャーにおいて株主の意向を背景に経営陣が大きく交代する場面を経験し、研究開発は優れたサイエンスだけでは成り立たず、経営・資本・事業戦略と密接に結びついていることを痛感しました。
それまで自分は研究やプロジェクト推進には強い関心を持つ一方、経営については十分に理解できていなかったという課題感がありました。この経験をきっかけに、アカデミア発シーズの実用化支援や産学連携に携わる現在のキャリアを選択するとともに、研究成果を社会実装へつなげるためには、経営視点や組織・戦略への理解が不可欠であると考え、MBA取得を志しました。
MBAでは、戦略、組織、イノベーション、リーダーシップなどを体系的に学び、研究開発と経営を橋渡しする視点を深めることができたと感じています。

他校と比較して、最終的にUMassを選んだ『決め手』は何でしたか?

最終的にUMass Lowellを選んだ理由は、AACSB認証に裏付けられた国際水準のMBAプログラムであったことに加え、多様なバックグラウンドを持つ学生や講師陣と学べる環境に魅力を感じたためです。
私は医薬・アカデミア領域で橋渡し研究や産学連携に携わっていますが、日本国内の視点だけでなく、グローバルな経営視点やイノベーション創出の考え方を学びたいと考えていました。UMass Lowellには、異なる業界・国・キャリアを持つクラスメイトがおり、授業やディスカッションを通じて多様な価値観に触れられる点が大きな魅力でした。
また、単なる知識習得だけでなく、今後につながる国際的な人的ネットワークを築けることも、UMass Lowellを選んだ大きな決め手でした。

学習時間の捻出方法や、継続のための工夫があれば教えてください

MBAの学習を継続するうえで意識していたのは、「無理をし過ぎないこと」でした。仕事や家庭との両立が前提だったため、毎日完璧に取り組もうとするのではなく、「週3〜4日は集中して学習し、残りは意識的に休む」くらいのペース感を大切にしていました。
また、周囲の学習量や進捗と比較し過ぎず、自分なりに継続できるリズムを作ることを意識していました。時には家族との時間を優先したり、散歩やストレッチなどで気分転換をしたりすることで、長期的に学び続ける余力を保てたと思います。
MBAを短距離走/長距離走のどちらで取り組むかは、各々Pros&Consがありますが、私にとっては、学ぶことを楽しみながら頑張り続けられるペース配分」を見出すことが、最も大切な工夫でした。

UMassでの学習を通じて得た事について教えてください。印象に残っている課目やその理由についても教えてください

UMassでの学習を通じて特に得られたと感じているのは、不確実性の中で意思決定を行う視点」と、「多様な価値観を持つメンバーと合意形成を図る難しさと重要性」です。

中でも最も印象に残っている科目は、上級課程の「Customers & Markets(CM)」です。この授業では、「SABRE」を用いたグループシミュレーションに取り組みました。1週間を1年度に見立て、各週の初めに市場分析や競合状況を踏まえて意思決定を行い、その結果が週末に決算として反映される形式でした。
市場予測が外れれば期待した成果は得られず、業績が停滞・悪化するとグループ内の議論も白熱します。その中で、保守的な戦略を維持するのか、新たな可能性に挑戦するのかを、経営者の立場を意識しながら議論した経験は非常に学びが大きかったです。
また、同じグループのメンバーとの協働はもちろん、他グループで非常に高い成果を上げた方々の意思決定や戦略にも大きな刺激を受けました。単なる知識習得ではなく、経営を疑似体験する」非常に実践的な学びだったと感じています。

UMassでの学びや学位がキャリアや実務にどう役立っていますか

現在、大学において橋渡し研究支援や産学連携に携わっていますが、アカデミアの世界では修士号(MS)は勿論のこと、博士号(Ph.D.)を持つこと自体は決して珍しくありません。その中で、自分の強みは製薬企業での研究開発経験や実務経験にあると感じていました。一方で、研究面だけでなく、経営や事業化の視点を体系的に理解していることを、より明確に示したいという思いがありました。
MBAを修了したことで、研究以外の視点についても正式に学んできたことを相談者や共同研究先に対して可視化できるようになったと感じています。実際に、研究シーズの相談においても、市場性、競争環境、事業戦略、組織運営など、MBAで学んだフレームワークや経営視点を踏まえて議論できる場面が増えました。
その結果、研究者・企業双方とのコミュニケーションが円滑になり、連携の方向性や実用化に向けた課題整理をより実践的に行えるようになったと感じています。研究と経営の両面を理解することで、橋渡し役としての価値を高められていることが、現在の実務における大きな変化だと思います。

クラスメートとの交流や印象に残ったエピソード

UMassで特に印象に残っているのは、クラスメートとの交流です。グループワークで苦楽を共にしたメンバーはもちろんですが、卒業式に現地参加したことで、それまでオンライン上では接点のなかった方々とも新たに交流する機会を得ることができました。
実際に対面で会話をすると、それぞれが異なる業界や国、キャリアの中で仕事と学業を両立しながら、このプログラムを走り抜けてきたことを実感し、自然と「戦友」のような感覚を持つようになりました。
また、卒業後もLinkedInなどを通じて互いの活動を知ることができる点は、大きな刺激になっています。直接頻繁にやり取りをするわけではなくても、多様な分野で挑戦を続ける仲間の存在そのものが、自分にとって貴重な財産であり、今後のキャリアにおいても長期的につながっていく関係だと感じています。

これから目指す方へのアドバイス、激励をお願いします!

MBAに興味を持っている方へお伝えしたいのは、まずは一歩踏み出してみてほしい」ということです。実際に学び始めると、世界中から様々な経験や専門性を持った、非常にレベルの高い仲間が集まっていることに驚かされます。
最初は「ついていけるだろうか」と不安を感じるかもしれませんが、実際には単純な競争というよりも、お互いに助け合い、刺激し合いながら学んでいく雰囲気が強くありました。グループワークやディスカッションを通じて、自分一人では気づけなかった視点や考え方に何度も触れることができたと思います。
また、仕事や家庭と両立しながら学ぶ仲間の姿そのものが大きな励みになりました。大切なのは、完璧を目指し過ぎることではなく、自分なりのペースで「学ぶことを楽しむ」ことだと思います。MBAで得られるのは知識だけではなく、長く刺激を与え合える仲間との出会いでもあると感じています。