これまでのご経歴をお教えください
語学学校、大学卒業を経て、1年半ほど自分のペースでフリーランスとしてITや事務、クリエイティブ関係の仕事をした後、システムエンジニアとして学校教育機関に入社しました。現在勤め始めてから7年ほどになります。システム管理責任者として、普段は社内情報システムやネットワークの運用保守をはじめ、上長やベンダーとの打ち合わせを通じ、上流工程にあたるシステムの刷新や業務フロー効率化のための企画立案など、主だったIT関連業務を一貫して行っております。
大学の学部時代は経営学部に所属していたということもあり、一般教養科目はもちろん、専門科目として戦略論や消費者行動論、マーケティング論や流通論など、MBAの科目内容とも一部重複する内容を学んでおりました。また、ITと経営をテーマに研究をしておりましたので、マネジメント的視点と、情報技術的な視点の両面に少し知見があったことが今でも強みの一つとして生きていると思います。
日本経済や社会情勢、AIの台頭といったVUCAの時代に生きる立場として、将来への不安が大きかった
なぜMBA取得を考えましたか。きっかけと課題感をお教えください
きっかけとしては幾つかありますが、一番は日本経済や社会情勢、AIの台頭といったVUCAの時代に生きる立場として、将来への不安が大きかったからだと思います。
自分自身を今以上に人材市場において価値のあるITエンジニアにするためには何ができるのだろうか、より明確に差別化するためには何が有効であるかを考えたときに、米国MBAが選択肢の一つに上がってきました。
課題感としては、学部時代に学んだ”経営学”という学問知識のブラッシュアップに加え、特に人材マネジメント、リーダーシップの技術や知見をもっと身につけたいと考えておりました。
理由としては、ITエンジニアとしての実務経験を積むにつれて、私たちエンジニアは技術者としてのスキルアップのための研鑽継続はもちろん大切であると思うのですが、ユーザー(社員)をいかにしてプロジェクトに前向きかつ積極的に関与させ、システム運用の効率化やニーズのための意見を得て満足あるシステムの完成形へと反映させることができるかどうか、そしてそれが組織の戦略的目標(収益向上や社会的責任の実現)に繋がるIT戦略策定であり、導入可能で継続的運用が可能であるものへ昇華できるスキルや巨視的な視点、そしてそのための訓練が必要であると感じておりました。
また、私は幸いにも早い段階からPlayable Managerとして、現場レベルの業務と、エグゼクティブ達の判断領域にあたるIT戦略策定の分野にも携わらせていただいていたため、FinanceとAccountingの知見を通じた意思決定の重要性や、提案における説得力の向上の必要性も感じておりました。
どういう活用イメージをもって取得を決断しましたか
フレーズで言い表すならば、”IT力×語学力×経営力”の3つを持ち合わせた人材になることが私にとってのMBAの活用イメージでした。
ここでは”悲観的楽観合理思考”という、対義語を混ぜた独自の熟語哲学で呼びたいと思うのですが、私も含め多くの人間にとって、何か一つの分野で”トップ人材”になるというのはそう容易なことではないと思うのです。(悲観)しかし、たとえば幾つかの要素に絞るのは当然としつつも、継続的な鍛錬と努力さえ怠らなければ、一分野のTop tierにはなれずとも、”市場ニーズを多分に含んだ複数の能力を掛け合わせ持った人材”になることであれば、比較的実現可能性があると思ったのです。(楽観的合理的な選択思考)
私に当てはめて言えば、それはこれまで現場で培ってきた技術的実践的なIT力であり、次に学生時代から現在も続けている語学であり、MBAを通じて大学学部時代の学習知識(経営学への理解)にさらに磨きをかけることでした。
資格取得に関してはもはや趣味のような側面もあり、これまで幅広い分野において国家資格や民間資格含め累計200個ほど取得してまいりましたが、上記3つのスキルが私にとって最も学習満足度が高く、そして市場ニーズも高いと考えられるものであると感じておりました。
MBAであれば”学位”として履歴書や名刺にも明確に記載することができるため、上記の自身のメジャースキルを第三者に伝わりやすい形で伝える手段として、MBA(米国の経営管理学修士号)を取得し活用すること、それが私のMBA取得イメージかつ自身にとっての合理的判断であり、20代最後の大きな挑戦として、入学を決断するきっかけでした。
スクール選びの優先順位とその理由は
日本のビジネススクール以外”を選択するというのは私の当初からの最重要基準でした。
箇条書きにするならば、下記が主な優先順位です。
・留学が原則不要であり、現在の業務と並行できること。
・費用が現実的に工面できる金額範囲であること。
・海外発のビジネススクールであること。
・修了するために一定の難易度があり、社会的な信用や評価が得られると想定されるもの。
・英語もしくは日本語以外の外国語を使ったレポート提出が必須であること。
そしてその理由として、
・経済的に余裕があるわけではないため、現在の業務を続けたままMBAが取得できることが必須であったため。
・入学時点ではそもそも無事にMBAを修了できるかどうかが不透明であり、金銭的コストが膨大だと失敗(途中退学)した場合のリスクが大き過ぎてしまうため。
・日本の学校教育を否定するわけではありませんが、より国際的なカリキュラム、教材、クラスメートとの交流、文化的ギャップ、多様性に触れたいという思いがあったため。
・年単位の膨大な時間と労力、経済的コストなど多くのリソースを投じるからには、それ相応の社会的信用や評価が得られるプログラムが望ましかったため。
・経営学の専門領域を学びつつ、自身の英語力を伸ばすことができる機会が言語環境として強制されている方が効率が良いと考えたため。
といった事柄が挙げられます。
MBAはアメリカから生まれた実践的教育プログラム。UMassMBAはその本場で提供されているという価値がある
なぜ海外MBA、かつAACSB取得の米国MBAである必要がありましたか
UMass MBAへの入学を決めるにあたり、国内MBAをはじめ、UMassのような海外発のプログラムを多数検討しました。幾つかの学校に関しては、実際に模擬授業を受けた上、個別相談や説明会にも参加しました。しかし最終的に私が出した結論として、(あくまで個人的見解ですが、)
・国内のMBAプログラムでは経営学部であった大学時代の延長という印象が拭えなかった。
→クラスメートや教員の多くは日本人。授業はほぼ全て日本語で実施。レポートも日本語で提出。授業で取り扱う企業も多くが日本企業。ケーススタディとして使用する教材の一つであるHarvard Business Reviewも日本語版を使用。英語に触れる機会が圧倒的に少なく、ほぼ日本語だけで修了できてしまう。
・根本的懸念事項の一つとして、一部の大学院によっては独自の修了基準を定めており、本場アメリカの物とは大きく異なるカリキュラムを設定していたり、修了証書は発行しているものの、それ自体が国際的な学位としての価値が不確かである可能性が高いプログラムが存在していることが分かった。
→UMass MBAに関しては、AACSB(国際認証の一つ)を取得しているプログラムであるため、紛れもなく本物の経営管理学修士号であり、国際的にも”学位”としての価値があること、内容、難易度、教育の運営体制がそれ相応のものであることが保証されている。
・MBAはアメリカから生まれた実践的教育プログラムであり、UMass(マサチューセッツ州立大学)MBAはその本場で提供されているものであるという価値がある。”米国”のMBAホルダーであるということがブランド化に繋がると推察。
→私のMBAプログラム探しがいよいよ終盤へと差し掛かった頃、他の海外MBAプログラムとUMass MBAプログラムとで入学を相当に迷っていた時期がありました。金額的にはほぼ同じであり、国際認証に関しても両者とも取得済み、品質は保証されておりました。その際、当時の他校の相談ご担当者様とのやりとりも決め手の一つとなりました。今でも本当に真摯で、ありがたいご対応をいただいたと心から感謝しているのですが、私が正直に現在2つのプログラムのどちらにするかで迷っていることを伝えたところ、おおよそ下記のようなコメントをいただいたのです。
”The MBA originated in the United States, and an American MBA is a brand in itself, so I understand why you were attracted to UMass. I am also an MBA holder, and I have always dreamed of obtaining an MBA from the United States, both then and now.”
(MBAの原点はアメリカであり、アメリカのMBAというのはそれ自体が一つのブランドですから、あなたがUMassに惹かれるというのは理解できます。私も1人のMBAホルダーですが、当時も今も、やはりアメリカのMBA取得にはずっと憧れがありましたから。)
私が入学を悩んでいたもう一つのMBAプログラムには単科制度があり、完全に入学を決める前に幾つかの科目を履修し、その上で入学をした場合は単位を引き継いで続きを履修することができるという仕組みがありました。その点、UMass MBAには私が知る限り、少なくとも当時はそういった制度は存在せず、入学を一度決めたからには何があろうと修了(卒業)するしかありません。リスク低減の観点から鑑みれば、どちらが安全な選択肢であるのかは明らかでした。しかしそれでも私がUMass MBAに拘った理由は、”本場アメリカのMBAプログラムで学ぶことができることに期待したから”という点に尽きると思います。
オンラインであることをどう考えましたか
私は前述の通り現在の業務と並行しながらMBAを修了することができるという点が重要な要素でしたので、オンラインで学習できるという点は肯定的かつ幸いであると受けとめました。また、リモートワークなど、多くの業種業界でオンライン主体の働き方が広がる中で、オンラインでの学び、グループワークの進行といったタスクに慣れることはデメリットというよりも、良い訓練、経験になったと考えています。平日の通勤時間や休日の用事で出かけなくてはいけない際にも、インターネット環境さえあればマテリアルにはアクセスできますので、隙間時間も活用しやすいと思います。また、時間さえ都合があえば現地の学生とビデオチャットでdiscussionをすることも可能ですので、オンラインであることが物理的障壁をむしろ取り除いてくれたため、多国籍の同級生達との学びの機会をもたらしてくれました。
開始前の英語力は
私はいわゆる純ジャパです。(ここでは義務教育期間を全て日本の教育機関で受けた者と定義したいと思います。)高校卒業後は語学学校におりましたのでその分だけ英語圏のネイティブスピーカーと過ごす時間はありましたが、それでもTOEICは840点ほどでした。英語で一般的なビジネス英語を話すことはできたものの、けっして自分の英語力に自信があったわけではありませんし、現在も日々学習しています。UMass MBAを通じて、強制的にふたたび英語漬けの環境に置かれ、英語力のアップに繋がることにも期待していました。
基礎、上級の二段階式カリキュラムをどう受け止めましたか
個人的にはとても貴重で有難いカリキュラムだったと感じております。理由は主に2点あります。
第一に、同期との繋がりを得る機会でもあったこと。
→基礎課程も上級課程同様にビデオ録画の視聴も可能ですが、原則として多くの学生がリアルタイムにZoomを介して授業に参加しています。そのため、授業に参加することで自然と同期の優秀な皆様とお知り合いになる機会を得ることができ、学習のモチベーションが高まりました。タームが始まりますと、休日である週末は毎週授業だけで1日が終わるのですが、意識の高い同期の皆さんの姿に押されつつ、苦労しつつも楽しみながら学ぶことができたと思います。
第二に、完全な英語完結型の授業展開までの助走期間を得られたこと。
→上級課程の場合は、英語のレクチャー、英語の課題、英語の試験と、”英語に始まり英語に終わります”。しかし基礎課程の場合、授業に関してだけは日本語による実施であったため、これから本格的に始まるMBA生として求められるOutput水準や提出までの流れなど、MBAプログラムにおけるチュートリアルとしての体験も得ることができました。その点で大変有難かったと思います。
なお、基礎課程と上級課程に対する私の見解としては、難易度自体というよりも、その授業展開方式の違いにあると思っています。上級課程の場合は基礎課程と違い履修タイミングが学生ごとに異なりますので、多くの期が入り混じりつつ、現地の米国学生をはじめ他の国々のオンライン学習生と共に学びます。その際に発生する様々なgap(時差に加え、締め切りやレポートに対する品質やグループワークにおける分担作業における意識の違い等)をどのように受け入れ対処するのかといった、”折衝力”が大きく問われるという点で、難しさがあるように思いました。
全ての科目にそれぞれの難しさや新しい発見があり、多くの学びと多くの課題で満ちていた
印象に残っている科目とその理由は
率直に申し上げれば、印象に残っていない科目は一つもありません。(苦笑)
全ての科目に、それぞれの難しさ、新しい発見があり、この数年に渡るMBA生活は多くの学びと多くの課題で非常に充実しておりました。それを踏まえた上で幾つか挙げるとすると下記が浮かびます。
・International Business
→自国以外でビジネスを展開する際に直面する多くの課題に関して、毎週のCase Studyを通して実践的な学びがありました。課題提案を通じて、この場合は製品をどこまでlocalize(現地化)するべきなのか、それとも規模の経済を活かし製造コストやオペレーティングコストを削減することに注力するために製品の標準化を維持するべきなのかであったり、現地法人を設立するのかそれとも輸出に留まるべきか等、国際ビジネスならではの様々な論点が登場します。何故その選択を行うのか、コンサルタントのように理路整然とした論理と根拠に基づいて、それぞれのケースに対してどう持論を展開するのか、非常にやりがいがある科目でした。
・Managing Organizational Change
→必修科目の一つで、分野としてはLeadershipやManagementに関する科目の一つです。硬直した組織(根強い特定の社内文化、社員の高齢化、不活発もしくは場当たり的な議論、社員のモチベーション低下、制度変更への抵抗など)に対して、効果的かつ確実に自社において変革を起こすためにはどのようなプロセスが必要であり、どれほどのコスト(時間的、人的、経済的費用)が掛かるのかや、実際の企業における成功事例と失敗事例等について学びます。過去の業務経験において苦労した点と重なることも多数あり、まさに必要としていた多くの知見、訓練を積むことができた有益な科目の一つでした。なお、上級課程においても幾らか日本人の方とご一緒することも多いのですが、当該科目におけるグループワークの際には、私以外は全員アメリカ国籍の班にアサインされた一番最初の科目であったということもあり、時差と奮闘しつつ、密にチームメイトの皆様と協力した科目として思い出深く、印象に残っています。
お互いに刺激、励まし合いながら学ぶことができるのも、社会人向けプログラムの良さ
多業種、職種の同期との学びはどうでしたか
非常に貴重で、有益な学びの機会であったと思います。医療業界にお勤めの方が全体的には多い印象ではございましたが、自動車業界であったりメディア業界、重工業機器業界、エネルギー業界、法務関係やNPO団体など、日頃の業務ではほぼ接点を持つことがない他業種他職種で働かれている皆様の持つ固有スキル、知見、経験談に触れることができたのは私にとって大きな財産、貴重な経験であったと心から思います。年齢も様々で、私のような20代30代の若手の方だけではなく、40代、50代の方など、多くの方々が学んでいらっしゃいました。経験もバックグラウンドも大きく異なる中で、同じMBAプログラムで学ぶ同士として、お互いに刺激、励まし合いながら学ぶことができるのも、社会人向けプログラムの良さだと感じました。
英語でのアウトプットに苦労しませんでしたか
過去に英文レポートの作成経験は幾らかあったものの、色々と苦労はしました。現在の普段の業務における英語の使用率は1割あるかどうかですので、”米国MBAで求められる水準の成果物”として提出するレポートとして問題ないかどうか、入学当初は毎回不安に駆られることも少なくなかったです。また、やはり英語起点に文章をゼロから作成しようとすると、語彙のパターンに限界が生じてくるといった問題もありました。加えて、Case Studyにおいては状況と問題の全体像を把握することが合理的かつ説得力のある提案を作成するために非常に重要となるわけですが、母国語ではない英語で数十ページあるCaseに加え、その他教授からの参考資料やレクチャーノートを読み込むのはそれなりの時間を要しました。また、Output力はもちろん重要なのですが、まず圧倒的なinputがないと評価されるようなoutputを叩き出すのは中々骨が折れるかと思います。意外と英文でのinputの速度が上がれば上がるほど、私の場合は自然とoutputが最適化されていったような実感がありました。
入学前の期待値にあっていましたか
多くの点で期待値以上でした。
まず、目に見える形としての成果として、幸いにも成績優秀者としてBGS(Beta Gamma Sigma: 招待制の国際的経営学会組織)に選出、加入させていただくことができました。
実は大学の学部時代にも、学部および大学全体における成績優秀者として選出していただいたことがあったのですが、いわゆるガクチカ(学生時代に力を入れて頑張ったこと)として新卒の際に話をした際には、残念ながら殆どの企業様には評価してもらえませんでした。企業様が求めていたのは、サークル活動やアルバイトでの経験、特技など、プライベートの話が多かった印象です。また、日本の履歴書には”Honor”の記入欄はないのが一般的かと思います。一方で、米国をはじめ海外では生涯に渡ってその人の学業的な努力の成果を讃えてくださる仕組みがあると伺いました。それを励みにBGSへの選出を目標としてきた自分としては、本当にこれまでの努力が報われたような気持ちになりました。
また、期待値を超えたという点で言えば、
・教授からのフィードバックが充実していたこと。
→提出物に関しては、原則として教授側から何らかのコメントをいただくことができます。評定基準に則り、どこが不足していたのか、反対にどこが優れていたか等、それらを元に次回以降の成果物に反省点を反映させることが可能でした。また、複数の学生がチームとなり、グループワークを行う際には、教授に加え、異なるグループのメンバーからもご意見を頂戴することができ、それらは多様な視点、価値観、次回以降の留意点を把握する上で有益でした。
・予想以上に過酷で充実したMBA生活であったこと。
→仕事と米国MBAの両輪を回すことは容易ではなく、間違いなく苦労するだろうと予想はしていたものの、当初の想定以上に苦労しました。ものによっては80ページ近い英文レポートを作成したこともあったのですが、寝ずに出勤しフルタイムで勤務し、帰宅後にまたその週の締め切りに間に合うように課題に取り組む、といったことも多々ありました。通勤時間や昼食休憩の際にも、1人黙々と勉強していましたし、休日に出かけて有名テーマパークの待ち列に並んでいる時も、今考えると面白いですが、私だけはHBR(Harvard Business Review)を読み込んでおりました。兎に角良い提案が浮かんだらすぐにスマートフォンのメモアプリに書いておき、まとまった時間がとれた際にアイディアの全体構成を整理し一つの形に仕上げる、というのがroutineでした。苦労はしましたが、その分だけ学びは大きかったと思います。
・Connectionの拡大
→有難いことに、Termごとに各科目の履修を行う中で、同期に限らず縦の繋がりを持つことができました。自分よりも早く入学をされた先輩方、後から入学された皆様、いずれも貴重なご縁として感謝しております。オンラインということもあり、中々MBAの醍醐味でもあるconnection拡大は難しいのではないかとのご懸念もあるかもしれませんが、特に問題はないかと思います。実際、基礎課程では原則毎回の授業終了後に任意のZoom懇親枠が用意されており、希望者は参加し同期の皆様と顔合わせをすることが可能です。私も何度かご一緒させていただきました。
「この人は凄い!」と感じた学生(同期に限らず)はいましたか
本当に沢山いらっしゃいました。
例えば、
・タイムマネジメント能力とアウトプット効率が凄まじく、同じフルタイム勤務でありながら最短1年10ヶ月ほどで全科目を修了。加えてBGSにも選出された方。
・海外、国内出張が月に何度もある中で業務と並行して履修を続けておられた方。
・既に博士号まで有していらっしゃいながら、なお高みを目指してMBAの取得に励み研鑽を積まれておられた方。
・仕事、子育て、MBAの3本の草鞋を併走させて履修を続けておられた方。
私も含め多くのUMass生がフルタイムの仕事をしながら履修に臨んでおり、時間の捻出には非常に苦労しつつも、出来うる限りの最大のアウトプットに邁進する方々には勇気をもらいましたし日々感銘を受けました。
入学前の課題感と活用イメージは叶いましたか
活用イメージの関してはこれからが勝負かと存じますが、課題感に関しては大部分が自分の中で消化、整理することができたと感じております。例えばLeadershipに関する科目では、その分野の第一人者である教授からレクチャーをいただいたのですが、ManagerとLeaderの本質的違い、求められる役割、組織目標の達成とLeadershipをどのように整合させるのか等について、研究に基づいた実践的かつ専門的な知見を多数頂戴しました。また、私たちが各人が持つBiasや問題解決の際に取りうる傾向に関しても見つめ直す機会があり、自分が認知できていなかった自身の弱点となりうるもの、回避すべき行動、強みとして伸ばすべき方向性など、多くの気づきを得られたのは、入学前にプログラムに期待していた要素でしたので満足しております。今後に関しては、このMBAプログラムで得ることができた広義でのAssetsを、自分のキャラクター、スキルセット、理想像に最適化する形で昇華できるよう、実務を通じてまた磨いていきたいと思っています。
同期生とのコミュニケーションは続いていますか
主にソーシャルメディアを通じてですが、同期生をはじめ他のUMass学生や教授の皆様とは繋がりを維持させていただいております。発信頻度は個人差がありますが、同じUMass生の皆様がお仕事でご活躍される姿を見て、私も普段から励みにさせていただいております。
また、ときどき夏季休暇や年末年始の時期に関しては、対面での集まりに参加させていただいたこともございます。なお、UMass在籍中にはTeamsが主なコミュニケーションツールとなるのですが、卒業後一定期間が経過すると使用不可となるため、それまでに別のコミュニケーションツールを確立しておくのが良いかと思います。
国際標準のMBAで学ぶということは、普遍的に多くの人々にとって有益なもの
学びが実務にどう役立っていますか
あくまで私の見解ですが、MBAで最も磨かれる価値ある能力の一つとして、状況の把握、分解、要素を構造化する力(Ability to understand a situation, break it down, and structure elements)が挙げられると思っています。
ITエンジニアとして日頃働く自分からすると、これらの能力は数ある制約条件の中で、自社にとって最適なシステム像を計画策定することであったり、技術的問題やコストといったボトルネックをいかにして回避するかを、具体的な実行案に落とし込む上で大変役に立っていると感じます。
また、例えるならば、MBAで学ぶことはApplication Softwareの追加的行為(実践的で具体的なフレームワークツールや知見、訓練経験を得ること)でもあるのですが、一番の価値はOS(Operating System)自体のアップデート(自身の根幹となる思考回路や認知能力、価値観そのものの刷新)にあるのではないかと思っています。そして仮にそうであるならば、MBA(少なくともAACSB認証を取得している国際標準のプログラム)で学ぶということは、普遍的に多くの人々にとって有益なものであると私は思います。
学位がキャリアアップ、転職に活きていますか
まずはこれまでのMBAプログラムでの学びを、現在勤めている会社に還元できればと考えておりますが、これまで以上に多くのリクルーターの皆様からお声掛けをいただく機会が増えたように感じております。MBAは資格ではなく”学位”ではありますが、米国発のUMass MBAを取得したことは経営に関する知識やスキルを対外的に証明してくれるものであり、外国語である英語を現地大学院水準の環境で使用してきたという実績を示してくれるものでもあります。
今後のキャリアについては未だ検討中のことも多いですが、このMBAでの学び、マインドセットを活かすことができる道を歩んでいけるように努力を続けたいと考えています。
修了後は今後のキャリアを形成していく上での頼もしいスキルセットが身についているはず
これから目指す方へのアドバイス、激励をお願いします!
UMass MBA修了に辿り着くまではそれ相応の苦労が待っているかと思います。しかしながら、それを終えた際にはこれまでもち得なかった視点、自信や達成感、タイムマネジメント能力、制約下における成果の最大化のための引き出しなど、今後のキャリアを形成していく上での頼もしいスキルセットが身についているはずです。もし迷われている方がいらっしゃいましたら、アビタス様は模擬授業も説明会も提供されていらっしゃいますのでご参加されることをおすすめいたします。私は一度では決めきれず、UMassだけでも2〜3回、他校も含めると10個ほどは模擬授業や説明会に参加いたしました。最終的に皆様が入学を決定したMBAプログラムがUMassであるのならば、もちろん私は同じMBAプログラム出身者として嬉しい限りですが、悩んだ際に選ばれてご自身が納得される形であれば、どんな形であれ皆様のご成功、ご健闘を心より祈念しております。今後どこかでお会いした際には何卒よろしくお願いいたします。