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卒業生の声

エンジニアからMBA取得 米国子会社のトップに抜擢

エンジニア×MBA 2本の柱で高める人材価値

佐々木 直子さんNaoko SASAKI(39歳)

マサチューセッツ大学MBAプログラム第10期卒業生(2016年10月入学)
外資系IT企業

  • 通信
  • 30歳代
  • 国内
  • メーカー
  • グローバルに活躍

ご経歴、年齢はインタビュー時のものです。

ビジネスを理解できるエンジニアを目指して

-どのようなきっかけでMBAの取得を決めましたか?

もともと私は自身のキャリアをエンジニアとして築いてきましたが、前職の外資系化学メーカーでプラント改造プロジェクトに携わったことがきっかけで、MBA(経営学修士)を目指すことを決意しました。というのは、そのプロジェクトの中で経営層の承認を得るプロセスを経験し、彼らにあって私にはないKnowledge(知識)があることに気付いたからです。

エンジニアは会社において経費を使う側ですが、より良い技術を会社に入れていくことに目線が行きがちで、松竹梅で言うと一番高い松を提案しがちなところがあります。しかし、本当に大切なのは、ビジネスを取り巻くRisk(リスク)とOpportunity(機会)を踏まえて投資判断ができるように、松竹梅の全てを提案することです。

そういった提案ができるエンジニアは、会社が現時点から数年後にどうなっていくのかというビジネスのバックグラウンドまで理解できている必要があります。経営層とディスカッションを重ねていくうちに、そういった方々と同じ目線を持った人材になりたいという思いが強くなったというのが、MBA取得を決めた経緯です。

―UMass MBAを選んだ理由について教えてください。

まず、キャリアをストップしたくなかったので、オンラインで開講していることが必須条件でした。その上で、外資系企業でのキャリアアップを目指したかったので、英国と米国の大学をピックアップして検討した結果、最終的に「マサチューセッツ大学(UMass)MBAプログラム」への入学に決めました。

大半の大学では英語力の証明にGMATのスコアが要求されますが、UMass MBAはTOEICで入学資格を認めてくれるところも非常に魅力的でした。GMATの取得準備のための期間が最大で約2年かかると考えたときに、それを短縮できるのは大きなメリットだと思いました。

また、UMass MBAは、国際認証であるAACSB認証を取得しているというのも大きいですね。現在の社内には米国人が多くいるのですが、同じMBAでも認証を取得しているかどうかによって見方が変わってくるところがあります。実は選んだ時点ではその価値をきちんと理解できていませんでしたが、これは実際に卒業してみてから実感している部分です。

仲間と課題を乗り越える中で大きく成長

―UMass MBAを通じてどのような学びを得られましたか?

私のバックグラウンドはエンジニアであることもあり、Finance(財務)の知識が不足しているところがありました。このFinanceに関わる科目が基礎課程から上級課程まで数多くあり、財務諸表の見方をしっかり学ぶことができたのは、今の仕事においてすごく生きていると感じています。

基礎課程では教材やテスト、課題は英語でしたが、講義自体は日本語で実施されていたのも良かったです。財務諸表で使われるような英語には、普通の英語だと分かりづらい独特の表現もあります。基礎のところを日本語で丁寧に学べたおかげで、理解を深めた状態で自信を持って上級課程に進むことができました。

また、オンラインの環境下ですが、グループワークで課題に取り組む科目が多かったことも、大変学びが多く良かったと感じています。特に上級課程では、毎学期必ず言っていいほどグループワークが課されていました。

マーケティング戦略のグループワークでは、国内の大手飲料メーカーを題材にして、北米に進出して日本産のワインを販売する際の戦略について考えました。会社について調べることはもちろん必要ですが、ワインがどのような世代に響くのかなど、ワインについてもすごく調べた10週間でした。今の仕事の中でワインにDive deep(没頭)することはなかなかありませんので、とても楽しかったですね。

グループワークにおいてさまざまな価値観を持つメンバーとディスカッションを重ねていくと、時にはConflict(衝突)が起こることもあります。そういったことを解消しながらみんなで一つの答えを出していくというプロセスからは、多くのことを学ぶことができました。こういった課題を乗り越えた経験は、私をフィジカル的にもメンタル的にもタフにしてくれたことは間違いありません。

―UMass MBAで出会った仲間について教えてください。

基礎課程の間は可能な範囲で新宿本校の教室で講義を受けており、非常にバラエティー豊かな同級生と出会うことができました。会計事務所の方や投資銀行のマネージングディレクター、日系化学メーカーの子会社社長もいれば、20代でMBAにチャレンジしようという方もいました。

講義が終わった後には翌週の課題に関する勉強会をするのですが、実際に経営層にコンサルティングされているような方々の目線はとても貴重だと感じました。当時、私は一エンジニアとして組織におけるピラミッドの下の方にいましたが、ピラミッドの上にいらっしゃる方々の目線を直に学べたのは、非常に良かったです。

また、私は実際にマサチューセッツのキャンパスに行って講義を受ける、短期間プログラムにも参加しました。これは、通常10週間かかるところを2週間で単位が取れるプログラムですが、世界中の学生たちがその2週間のために集まり顔を合わせて意見交換をするということで、ディスカッションは大変活発なものになりました。

テーマは、グループを組んでInnovation(イノベーション)を利用したビジネス提案書を作成するというものです。私たちのグループは火災現場におけるドローンの活用可能性を題材にして、現地の消防局へのヒアリングやドローンメーカーからの情報収集などを実施し、提案をまとめました。

多種多様な国籍、バックグラウンドを持つ学生たちなので、さまざまな意見が出てきます。そういった意見を集めて、Facilitation(ファシリテーション)をして、グループメンバーの合意を形成していくというプロセスは学びになりましたし、今の仕事にも大いに生きていると感じています。

―MBAの学習は大変でしたか?

土日はほとんど勉強していましたし、平日も夜遅くまで勉強していましたね。その上、当時の私は途上国のインフラ開発プロジェクトに携わっていたため、海外出張が頻繁にある状態でした。当時の上司はMBA取得に協力的で調整をしていただくこともありましたが、かなり大変だったというのが率直なところです。

とはいえ、こういった海外出張は、私にとって大きなプラスにもなりました。飛行機の中ではオンラインになれないので、Blackboardというディスカッションボードに自分の意見を上げられません。そのため、飛行機を降りたときに上げることを飛行機の中で考えて、トランジットの少しの時間でそれをアップデートするわけです。

こういったことを繰り返していくうちに、飛行機の時間も踏まえながら、このアウトプットを出すためなら何時間必要かというのを予測できるようになりました。大変なことも多かったですが、タイムマネジメントのスキルは随分鍛えられたと感じています。

とても大変で挫折しそうになったこともありましたが、やはり同級生のみんなとのコミュニケーションは助けになりました。上級課程ではオンラインになるため物理的には会えませんが、仲間と連絡を取り合って励まし合えたからこそ、乗り越えることができたと思っています。

2本の柱の両方が生きていることを実感

―MBAで得た学びが仕事ではどう生きていますか?

現在、私は外資系IT企業のオペレーション部門に在籍しており、将来の設備投資に直結するプロジェクトマネジメントを担っています。

ビジネスの背景も理解しておく必要がありますし、設備投資に要する金額を精査できるエンジニアリングのバックグラウンドも必要です。また、その技術を入れるにあたって、いつごろ実現できるがこういったRiskもあるということを、技術的にも判断できることが要求される役割です。

ただ単純に技術的に可能なのか判断するだけでなく、RiskとOpportunityも踏まえて戦略を立案できるポジションにおいて、MBAの学びも、自分がそれまでに培ってきたエンジニアのバックグラウンドも、両方が役に立っていると実感しています。

また、現職に就いたのが2020年3月と、まさに新型コロナウイルス感染症の流行が大問題となったタイミングで、非常に大変な時期でした。しかも、入社してすぐに完全在宅勤務になり、オンラインだけで新しい人間関係をつくっていく必要もあったわけです。

なかなか難しい環境で、自分よりも後から入社された方が苦労されているところも見てきましたが、私はそれほどハードルを感じずにスムーズにOn-boarding(定着)することができました。これは、UMass MBAにおいてオンラインで人間関係を構築するというのを経験していたおかげなのかなと思っています。

―キャリアアップにおけるMBAの効果について教えてください。

私自身、MBAを取得してLinkedInのプロフィールをアップデートした後は、ありがたいことにオファーを多数いただくようになりました。特に国内の外資系企業の需要が多い印象です。転職市場において、MBAという資格が高く評価されることを実感しています。

私はスピード感のある仕事がしたいという思いを持っていましたが、現在の会社では、Decision Making(意思決定)した1年後には投資した案件が完了するぐらいのスピード感でプロジェクトを回していかないと、会社の成長にフィットしないという環境で、非常に充実感のある日々です。

経営層の方々の目線を学んでいきながら、将来的には実際に経営の大きなDecision Makingをする立場から、会社に関わっていくところを目指していきたいですね。

未来を切り開くチャレンジを

―最後に、これからMBAを目指す人へのメッセージをお願いします。

UMass MBAは最長で5年間在籍可能だったのですが、私は苦しいことはできるだけ短くしたいと思い、最短の約2年で卒業しました。最初は本当に大変で、夜中にリポートを書きながら後悔したこともありました。

しかし、その先には、自分と違う価値観を持った人との出会いや視野を広げてくれる講義、自分の知識を広げてくれる学びが本当にたくさんありました。コミュニケーション能力やFacilitation能力、タイムマネジメント能力など、自分が期待していなかった部分でも直接仕事に生きていくような成果も出てきて、大きく成長できたと感じています。

MBAを取得してからは、多数のオファーをいただいたり、自分が希望するポジションに就けたりと、それまでの私が全く想像していなかった未来像がありました。私自身、MBAを取得することで人材価値がどう高まるか分かっていないところもありましたが、自分の可能性を大きく広げることができました。

MBA取得にはもちろん苦労もありますが、自分の人生の可能性を広げてくれることは間違いありません。もし悩まれているのであれば、自分の未来を切り開くという意味でも、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。


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