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卒業生の声

エンジニアからMBA取得 米国子会社のトップに抜擢

エンジニアからMBA取得 米国子会社のトップに抜擢

高橋 央人さんOhito TAKAHASHI(47歳)

マサチューセッツ大学MBAプログラム第11期卒業生(2017年4月入学)
大手自動車部品メーカー

  • 通信
  • 40歳代
  • 国内
  • メーカー
  • グローバルに活躍

ご経歴、年齢はインタビュー時のものです。

MBA挑戦を後押ししたのは長男の存在

-ご経歴とMBAを目指した経緯を教えてください。

もともと私は大手自動車部品メーカーのR&D(研究開発)部門にエンジニアとして在籍しており、2009年から2016年にかけては米国に駐在していました。そのときに米国人の部下がキャリアアップのために再度就学に戻るのを目にして、少しずつMBA(経営学修士)に興味を持つようになりました。

2016年3月に駐在から帰ってくると、当時新設したばかりの先行開発部門の課長にアサインされます。良いポジションで迎えてもらったわけですが、それまで海外の最前線で頑張ってきたこともあり、燃え尽き症候群のようにモチベーションが低下してしまっているところがありました。

ちょうどそのころ、米国の大学への留学を希望する息子の姿を見て、私自身が米国の大学を出ていなかったことに気付きました。それがきっかけでMBAを取得する方法を本格的に調べ始め、社会人学生向けのMBAフェアに足を運び、米国の本格的な学位が取得できる「マサチューセッツ大学(UMass)MBAプログラム」に入学することを決めました。

MBAを取得後は、20年間ずっと在籍していたR&D部門から経理部門に異動しました。財務会計領域は未経験でしたが、MBAの知識を活かして新しい仕組みを取り入れた結果、「さらにMBAの知識を活用させよう」ということで、2021年1月からは米国子会社の責任者として再び米国に駐在することになっています。

―UMassを選んだ理由は何ですか?

UMass MBAの体験講義でビジネスの事例を見せていただいた際に、非常に面白かったのが大きな理由です。感覚的には分かっている内容でしたが、学術的なツールを通して改めて理解することで、新しい視点を得られると実感しました。

体験講義では簡単なグループワークもあり、ずっと一緒にMBAを乗り越えることになる仲間とも出会っています。私の場合、それまでは自動車業界の人としか話す機会がありませんでしたが、業界と利害関係を越えた人たちと出会えるのは、とても魅力的でした。

最終的な決め手になったのは、UMass MBAが国際認証であるAACSB認証を受けているという点です。他のビジネススクールでは認証を受けているところがなかなかありませんでしたが、将来海外に駐在して欧米社会と真っ向勝負する上で、箔が付くと考えました。

また、学習環境に関して、他のオンライン講義を提供しているビジネススクールは受講できる時間帯が決まっているのに対し、UMass MBAは1週間の中でいつでも自由に受講できることも良いと感じました。自分のスケジュールに合わせて柔軟に受講できるのは、仕事をしながら学習する上でとても助かりました。

UMass MBAで出会った切磋琢磨できる仲間

―実際にUMass MBAで学習して、どのような感想を持ちましたか?

UMass MBAのカリキュラムは基礎課程と上級課程に分かれており、基礎課程において日本語でウォーミングアップができます。私は理系出身で、就職してからもエンジニアとして働いてきたので、例えば会計分野は完全にゼロからのスタートでした。日本語で勉強を始められたことで、スムーズに学習へ入っていくことができました。

また、基礎課程の間、毎週土曜日に新宿校舎に通っていたこともあり、たくさんの仲間ができました。平日には彼らと集まって勉強会を行い、苦手分野は教えてもらい、得意分野は教えるという形で、お互いに教え合いながら切磋琢磨していくことができました。

また、アビタスが提供している日本語のサポートマニュアルがあり、私はそれをよく使っていました。英語の分厚いテキストがあるのですが、それをいきなり読むのはとても大変です。サポートマニュアルは重要なポイントを絞って日本語で解説しているので、うまく使うことで効率良く学習を進めることができたと感じています。

―上級課程のグループワークは大変でしたか?

上級課程のグループワークは重い課題が多く、基礎課程でできた気心の知れた仲間と一緒だったからこそ、無事乗り切ることができたと思います。上級課程は全てオンライン上で行うのですが、特にマイナス面を感じることはなく、むしろオンラインだからこそやり得たというところもあったかもしれません。

一番印象に残っているのは、「Customers & Markets(顧客と市場)」というマーケティングの講義でのグループワークです。行政機関、医療業界、美容業界、飲食業界など、さまざまな業種の人たちと、6人ぐらいでグループを組ませていただきました。

月曜日に課題が出た後、まずは火曜日の夜9時から10時頃にWeb会議を行い、あるカテゴリーに関して自分たちで書き込みテーブルを作り、みんなでそこに意見を入れていきます。そして、金曜日ぐらいにもう一度Web会議で集まり、「では、こういうストーリーにまとめていこう」という形で進めていきました。

最終的には100枚ぐらいのレポートを作るのですが、その中で点と点の知識が線でつながっていくのを実感しました。また、メンバーの中には広報の人が2人いて、広告に関する実務的な知識を共有してもらえたのも、とても良い勉強になりました。

―印象に残っているUMass MBAの仲間とのエピソードは何ですか?

UMass MBAの仲間とのつながりが、仕事面で活きたことがあります。当時、私はR&D拠点進出で海外の調査をしていたのですが、上級課程に上がるタイミングで、偶然にも候補地へ駐在することになった同期がいました。

そこで、彼に現地情報を共有していただきながら、私も何度か現地に出向いて調査を行い、社内提案にまでこぎつけました。残念ながらその提案は却下されることになりましたが、まだ可能性は残っていると考えています。

―新型コロナウイルス感染症拡大によって働き方にも変化が起こっていますが、UMass MBAにおけるオンライン学習の経験は活きていますか?

コロナ禍の中において、リモートワークが一般的なものになってきました。結果的にですが、UMass MBAにおいてオンライン学習を行った経験が、オンラインで仕事を進めていく上で役立っているところはいろいろとあります。

例えば、先ほどのグループワークの話にも出てきましたが、Web会議をしたり、チームメンバーの意見を共有したりというのは、今の仕事でもそのまま実践しています。

ただ、クリエーティブな新しいアイデアを出す部分など、やはりフェース・トゥ・フェースの方が良いところがあるとも思っています。その一方で、本当にルーティンワークのような仕事もあり、在宅で効率良く片付けていくべきところもあります。

両方のいいとこ取りをして、リモートワークでやるべき部分とフェース・トゥ・フェースでやるべき部分を二極化させていくというのが、アフターコロナにおける望ましい形だと考えています。

MBAの知識を活用して行った社内提案

―MBAの知識は仕事面でどのように役立っていますか?

マーケティングに関しては、Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)といった3C分析の視点や、Place(流通)、Product(製品)、Price(価格)、Promotion(販売促進)といった4P分析の視点など、フレームワークに当てはめて考える癖ができました。

日本のBtoB製造業の会社には共通するところがあるかもしれませんが、社内では文化的にサプライチェーンにおける上流の顧客からの仕事に応えていくことに目が向く傾向が強く、それ以外の要因を見逃してしまいがちなところがありました。

そんな中、自社の成功事例をフレームワークに当てはめて立証して、成功要因を理論的に示すということを行いました。今までにはなかった視点を社内に共有することができ、今後の事業戦略にも取り入れられるようになりました。こういった形で、自社の成功事例をMBAで学んだフレームワークに当てはめて提案するのは、とても有効なやり方だと感じています。

また、マネジメントに関しても、MBAで得た知識によって大きな影響を受けました。自分の経験則に基づいてマネジメントしてしまっているケースはよくあると思いますが、授業を通じて人材にはいろいろなタイプがいて、自分の経験則が他人にも当てはまるとは限らないことを学びました。

人材によって求める見返りは異なるということを理解してからは、いつも話をするときには、「この人は何を求めているのだろう?」ということを分析するようになりました。その人のモチベーションがどこにあるかを探りながらうまくマネジメントしていくことで、仕事がよりスムーズに進むようになったと感じています。

―MBA取得後はどのようなキャリアを歩まれていますか?

UMass MBAを卒業後、私は社内の人材育成計画の対象者として声を掛けていただき、経理部門に異動する希望を出しました。苦手としていた会計・財務領域を実務でマスターしたいと考えたこと、社内でお金がどう動いているのかを実際に見てみたかったことが理由です。

実際に異動して感じたのは、財務分析をしっかり行う体制ができていないということでした。そこで、MBAで学んだ財務諸表から自社の強み、弱みを分析する手法を用いて、他社と比較する仕組みを作りました。これによって、例えば何らかの財務指数を上げたいというような場合に、各部門が設定すべき目標を明確化できるようになるはずです。

こういった形で、MBAの知識を活かしてさまざまな社内提案を行ってきましたが、米国本場のMBAで培った知識をもっと活用するため、米国子会社の責任者に任命されることになりました。人事に関する議論の中身を聞いたわけではありませんが、MBA取得後の取り組みが評価されたのではないかと考えています。

―理系出身の人にとって、MBAにはどのような意義がありますか?

エンジニアリングの知識がありながら経営的な視点で話ができるという人材は、なかなかいないと思います。理系出身のエンジニアがMBAの知識を身に付けることは、今後の自分にとって大きな強みになるはずです。

製造業の場合、実際にキャッシュを生み出しているということもあり、製造現場の意見が強いところがあります。しかし、エンジニア的な感覚だけで事業を進めるのが良いとは限らず、経営に関する知識を知っておくことが大切です。

例えば、社内で外注に出していたものを内製化すると、当然ながら収益性は良くなります。しかし、経営の観点からは、設備投資をすることによって、同時にバランスシート上のアセットも増えるところまで考える必要があります。もし大きなリセッションが来れば、設備投資をした半分が不良債権になる可能性もあるからです。

やはり製造業においてトップマネジメントをするのであれば、ものづくりと経営の両方が分かる人が良いと思います。私が行く米国子会社においても、経営を担うことのできる人材を育成するべく、今からいろいろとやっているところです。

UMassで磨いた逆境に負けない「人間力」

―最後に、これからMBAを目指す人に向けてメッセージをお願いします。

2019年5月、ボストンで行われた卒業式で言われたのが、“The door is opened in your life.”という言葉でした。入学から卒業までの2年間、毎日が戦いでしたが、それを仲間と一緒に乗り越えたということを改めて実感し、とても心に響いたのを覚えています。

ほんの少しの勇気と決意でMBAに飛び込んだ結果、自分の視野が大きく広がり、次のステージが見えるようになりました。恐らくMBAの学位を取得していなければ、人生の中で決して触れることなく通り過ぎていたわけで、今の自分はいないと感じています。

MBAを取得すれば、もちろんビジネスに活用できる知識を得ることができます。しかし、何より大きいのは、どんな逆境でもどうにかできるという自信のようなもの、「人間力」なのではないかと考えています。

UMass MBAの学友と話しても、コロナ禍による危機で落ち込んでいる人はいません。みんな何とか乗り越えようと頑張っていて、本当に心強く感じます。こんな人たちがいれば、きっとこの先も社会は進化が止まらないだろうと、勇気をもらっています。

これからMBAを取得しようと考えている人は、ぜひ決意を持って挑戦に臨んでいただきたいと思います。そして、いつか一緒に、何か新しい付加価値の創造につなげられる日が来ることを楽しみにしています。


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