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卒業生の声

学ぶ楽しさ、人とつながる楽しさ自分が楽しいと思える状況をつくることが大事

学ぶ楽しさ、人とつながる楽しさ
自分が楽しいと思える状況をつくることが大事

花尾 康平さんKohei HANAO(39歳)

マサチューセッツ大学MBAプログラム第8期卒業生
(2015年10月入学)

外資系製薬会社

  • 通信

ご経歴、年齢はインタビュー時のものです。

グローバルで活躍するという観点では 新しい何かを身に着けなければいけない

-なぜMBAを目指したのですか?

同じ仕事を続ける中で、何か新しいものをやりたいという思いが強くあったからです。
私は、現在外資系の製薬会社に勤めており、医薬品の臨床開発の仕事をしています。大学では、生命科学部にて、修士を取得しました。
MBA取得前に私が行っていたのは日本のローカルカンパニーにて、海外で臨床開発のステージに入った化合物が、日本で開発可能かを評価し、日本でどのような臨床試験をどの対象で実施するかなどを含む臨床開発戦略の立案に関する業務に従事していました。その中で、私はその化合物の早期の臨床開発に関わっていました。具体的には、健康な方を対象とした臨床試験の企画、立案、評価、報告というような仕事と、規制当局の承認を得るための申請文書の作成をしていました。特に医薬品の適正な用法・用量を設定するために、体の中に入った後の医薬品の動きを評価する部門にて業務に従事していました。この部門での業務を始めたきっかけは、新卒での入社後に多くの研修を通して様々な業務、部門について学びますが、特に臨床開発の初期段階の業務に興味を持ったことからでした。
この業務に従事して10年程度を過ぎた頃から、社内での上長との面談で今後のキャリアについて話をする機会が多くありました。そのとき、科学的な専門性を高めていく方向性のキャリアと、ピープルマネジメントにかかわるようなキャリアの2つの方向性があると考えていました。また、グローバルで活躍するという観点では、新しい何かを身に着けなければいけないとも思っていました。グローバルで活躍している方はPh.D.(博士号)やM.D.(医学博士)などの肩書を持っています。海外で同じような仕事に従事している方の多くは、何かしらの肩書を持っており、海外の方が肩書に対する意識が高い面もあることを考えると、グローバルで活躍するためには、何かしらの肩書を取得し、スキルを身に着けることが必要なのではないかと考えていました。そのような状況でしたので、Ph.D.などを取得する道も考えていました。私は修士まで取得してから仕事を始めているので、臨床開発の仕事の延長線として、Ph.Dのようなものがあると思っていました。しかしながら、同じことを一生やり続けるのではなく、どこかで違うことをやってみたいという思いが強くありました。年齢も40歳が近づくにつれて、転換点も意識していたので、新しいことをやろうと思いMBAを志しました。
他にも、自分が与えるインパクトの大きい仕事をしたいという思いもありました。より組織や経営に近い、人を動かしていくような仕事をしたいと思っていたのです。仕事をする中で、自分が正しいと思うことをしたいという思いは皆さん持っていると思います。私もそう思っていて、経営層の考えや発信するメッセージがおかしいと感じたときに、自分が正しいと信じられることをしたいと思っていました。そうなるためには、単純に自分の立場や職位を上げることがインパクトを強めることだと思っていた時期もありました。対応している仕事の範囲が広がると人に与えるインパクトも大きくなっていくので、そのようなものを目指していました。
また、社内にもMBAホルダーがいましたが、その方のお話が興味深く、何か問題が起こったときに、その方が持ってくる提案は新鮮に思えることが多くあったこともMBAを目指すこととした理由の1つです。そのような問題解決の手法と提案方法も、MBAで学べそうだと期待していました。

AACSB認証取得で、 オンラインなので突然の仕事にも対応できる

-なぜマサチューセッツ大学MBAを選びましたか?

3つ理由があります。
1つ目は、AACSB認証を取得している点です。グローバルな環境に出て仕事をしていくということを考えると、きちんと認証されているプログラムを取得したと対外的に示せることは大事だと思いました。
2つ目は、オンラインで受講できる点です。留学して現地に行かなければMBAを取得できない学校もあります。ただ、私は仕事の予定が不確定なところがあるので、オンラインによって自分のペースで学習ができることは魅力的でした。また、オンラインでは文字でのコミュニケーションが基本になるので、気を付けて文字を書くという意識も高くなったと思います。オンラインでは顔も知らない人たちと話す機会があります。実際に仕事をしていく上でも、初めて電話などでつながる人は、顔を知らない中で話をしていることが多くあります。今の時代は仕事でリモートワークを使用するなど、相手と顔を合わせないで物事を進めていくケースが多いので、オンラインでの学習はそのトレーニングの一環にもなると思います。
3つ目は、TOEICしか足切りがないという点です。UMassは入学時点ではTOIECのスコアを提出する必要がなく、上級課程に進学するまでにTOIEC700点以上を準備すれば良いことになっています。UMassのプログラムは、基礎課程という日本語で講義が行われる課程のあと、上級課程というすべて英語で講義が行われる課程に進学する仕組みになっています。私は英語が得意ではありませんが、苦手意識はなく、仕事でも書く、読む、話す、聞くという基本的なことは行っています。ですので、UMassのプログラムに堪えられるだけの最低限の英語力はあったと思います。
この3つが決め手ですが、最終的には体験講義を受けて決めました。講義がつまらないと思ったらやめようと思っていましたが、大前和徳講師の講義は今まで知らなかったことが非常に多くて、面白く学ぶことができました。この講義なら何とか終われそうだという感覚を掴み、入学を決めました。
また、学習を始めてみて1番良かったのが、基礎課程で教室講義(ライブ講義)があることです。基礎課程は週末にアビタスの新宿本校で開講しています。学生の中には、会計などMBAの学習内容を全く学んだことのない人もいます。しかし、「右と左があって、これが右だからこれが左なのだ」というようにそのまま覚えるのではなく、目の前で講師が日本語で講義をするので、わかりやすく学ぶことができました。導入時点で学びやすかったということが、その後スムーズに学習が進んだきっかけだと思います。また、8期の教室講義が最初に行われた日の、講義のあとに開かれる懇親会で、アビタスの講師が「MBAは1人でやるものではないのだよ。」と話していたように、他の学生との繋がりも学びに役立ちました。教室に来て他の学生と会っていると、休憩時間も自然と話すようになりましたし、わからないことがあれば聞くようになります。会計関係の科目に関しては、講義が終わった後にUSCPA(米国公認会計士)を持っている学生が何となく講義をしてくれたり、分からない部分を解説してくれたりしました。会計は基本的な決まりがあって、こういうものなのだと思うしかないところがあります。ですので、理解よりも覚える部分が多く、知らないとできないというような難しさがありました。しかし、基礎課程では実際に人と会った状態で講義を受けられるので、分からない課題を講師にも聞けますし、他の学生にも聞けます。その後オンラインになっても、1週間に一度会って「最近、どう?」と刺激し合い、下がりかけたモチベーションを上げることができました。他の学生との関係ができると、オンラインになってからもメールやチャットで話せるので、「これが分からないのだけれども、どういうこと?」、「今ちゃんと勉強しているの?」、「ちゃんと進んでいる?」などのコミュニケーションをとることができ、MBAを1人で学習しているのではないと思えました。オンラインで最初から学習している人はモチベーションを保つのも大変ですし、辛いと思ったときに、依りどころがなくなってしまうことがあると思います。ですので、基礎課程の履修期間である半年間程度で、クラスメートとの関係を築けることが、モチベーションを保つ上で一番大きいと思いました。
私が卒業した8期生はいろいろな職業の学生がいました。マーケティングをやっている学生もいろいろな業界でいましたし、製薬業界の学生もいました。あとはIT関係の学生が多かった印象があります。8期の中でも全員が教室講義に来ているわけではないので、通学している学生の構成がたまたまそのようなものだったのかもしれません。学期によって業界の構成は異なりますが、8期はばらばらで、いろいろな意味でダイバーシティーがあったのかもしれません。

学びを生かすことで評価を高め 自分の価値をも高めることができた

-MBAを取得したことで、仕事などにどのような変化がありましたか?

1つは、ビジネス全体が見えるようになったことが挙げられます。 MBAを学習するまでは、臨床開発をどう上手く行えば良いかということに主眼を置いていました。しかし、MBAを学ぶことで、臨床開発を行う目的や臨床開発をどうしていくべきか、というところまで考えるようになりました。また、先を見据えて今何をしなければいけないのか、ということも考えるようになり、考え方の視点が増えました。物事のプロセスの改善に対しても、学習前は何となくこうすればいいという考え方だったのですが、「こうすればいい」の詳細がより描けるようになりました。根拠をもって説明ができる部分が少しずつ増え、仕事の評価にも繋がりました。ダイレクトに評価に繋がるということではないですが、学んだことを生かすことによって評価を高め、自分の価値をも高めることができたと思います。
今は、マネジメント寄りの仕事ができる部署に異動になりました。臨床開発の一部門ですが、人とお金と時間、プロジェクトに関するシステムの管理に関わっています。データの分析結果を経営陣やプロジェクトのリーダーに届け、それによってプロジェクトをうまく回していくためのメッセージを届けていくというのがメインの仕事です。今は発展途上の仕事ではありますが、新しいものを作り上げていくという意味では面白いと思って異動しました。

家族からは 「何か楽しそうだよね」とずっと言われていた

-MBA学習を仕事やプライベートと、どう両立させましたか?

UMassでは1科目ずつの履修と、2科目ずつの履修が自由に選べるようになっています。
私は2科目ずつ履修をしていたので、課題が出るとどちらかの科目を先に終わらせて、どちらかの科目を後でやるということをしていました。1週間でみると、月、火、水で1つの科目の課題を終わらせて、木、金、土曜の前半でもう1つの科目を終わらせて、日曜日に確認という流れが多かったです。帰ってきて20時から勉強を始めたとすると、3~4時間ぐらいパソコンを開いていました。そして、「ここまでやる」と決めたところまで終わらせるということを月、火、水、木、金と繰り返していました。土曜日は、休憩したりご飯を食べたりいろいろなことをする傍らで、パソコンをずっと開いていました。慣れてくると土曜日で課題が終わるので、日曜日は比較的余裕をもって過ごせました。日曜日を気分転換しながら過ごし、また月曜日を迎えるというサイクルでした。確かに大変な時期もありましたが、常に大変ということではなく、課題にも濃淡がありました。そのため、課題の内容が薄いところでは少し手を抜きながら、濃いところでは集中してやるというようにメリハリをつけていました。慣れてくるとペースができてきます。家族からは「何か楽しそうだよね」とずっと言われていたので、辛くないように見えていたようです。私には中学1年生と小学校4年生の子どもがいて、勉強している姿を見たらまねして勉強するかと思いましたが、それはありませんでした(笑)そこは1番の失敗かもしれないです。ただ、やはり家族の理解があることは1番大きかったです。
また、自分に合うやり方で学習ができたことも良かったです。
私は、上級課程では基本的に講義動画を一切見ないで、テキストとテキストにひも付く資料を読んで、毎週与えられる課題をこなしていました。上級課程はすべてオンラインでの受講になりますが、ビデオ講義の内容をまとめた講義スライドがあります。そのスライドを読んで、分からないところを教科書で補完して課題を解いていました。特に上級課程になるとすべて英語での講義になりますが、私の場合は英語の理解に時間がかかったので、講義動画を使わずに学習を進めました。まずスライドを見て、概要を確認して、分からないところは教科書を見ながら課題をひたすら解いていきました。課題といっても、何かについて自分の考えをまとめて出すというものでしたので、それを繰り返していたということになります。
上級課程に進学してからも、ペースを保って学習していました。上級課程では外国の学生とやりとりしながら学習する機会が増えます。外国の方と仕事で関わる場合は、同じ目的を持っているので同じ方向を向きやすいですが、オンラインの学習では相手の状況がよくわからないところがあります。そのようなときは同じ期の他のグループの日本人の学生と、「これはどう思う?」という話をしながら、横のつながりを持ちつつ学習を進めていきました。また、外国の方と連絡がうまくとれないときは教授にアプローチして、教授に対処してもらいました。教授との関わりも多く、チャットルームに教授と同じタイミングで入ってチャットする時間もありました。ですので、教授に聞きたいことがあればフランクに聞ける環境でした。また、私は学習内容についてどちらかというと知らないことが多かったので、スムーズにいろいろなことが入ってきたという印象です。「これは少し違うな。」と感じたことは吸収しなければ良いので、自分が活かせそうなことや良いと思ったものを集めて学習していけば良いと思います。

苦痛だけで終わったらもったいない 楽しめるようにするのが大事。

-これからマサチューセッツ大学MBAを目指す方へのメッセージをお願いします。

主に3つあります。
1つ目は、家族の理解や周囲の理解を得ることです。入学した後は、勉強をするのに朝型の人もいれば夜型の人もいるので、勉強時間をどうつくるのかというところで、家族の理解を得ることが最も大事だと思います。
2つ目は、せっかく学ぶのだから楽しむことが大切だということです。何か楽しさというものがあると続けられます。学ぶ楽しさもありますし、人とつながる楽しさもあります。楽しみ方は人それぞれでしょうが、自分が楽しいと思える状況をつくれるかが1番大きいと思います。自分に楽しいよねと言い聞かせることや、ここまでやったら何か楽しいことをしようというのを作っていけると続けられます。あとは、我慢するところはして、我慢しないところはしないことも必要だと思います。私は月曜日から土曜日まで、勉強した後は必ずお酒を飲んでから寝るというのをルールにしていました。勉強が終わったのが深夜1時や2時であっても飲んでから寝るということにしていました。そのように自分のルールを決めるのも1つです。せっかくお金を使って新しいことに取り組んで、自分の時間を費やすので、苦痛だけで終わったらもったいないです。だから、楽しめるようにするのが大事だと思います。
3つ目として、同期生との関係を築けると良いと思います。
社会人になってから15年ぐらい経って、同じものを目指して学習しているクラスメートがいるという状況は珍しいですし、学生になることは楽しいです。ですので、純粋に学校のクラスで楽しんでいるような関係を築けると良いと思います。私は同級生の年齢もあまり気にならず、年上だから少し気を遣わなければということも、年下だから「おまえは年下なのに」と思うこともなかったです。私の中では同級生は同級生という感覚でした。飲み会などがあったときは、いろいろな学期の学生が集まります。入学した学期が異なる年上の学生には敬語を使うけれど、同じ学期の年上の学生には敬語を使わないという感じでした。
また、懇親会もあったので、そこでフェイスブックの中の繋がりを紹介してもらうなどして、いろいろなことを聞ける体制ができました。懇親会に来ている方とは、この先の未来に何が待っているのか、というようなことも話しました。他にも、製薬業界で集まる会が開催されたり、マーケティングについて考える会が開催されたりなどもありました。音頭を取ってくれる方がいるので、そのような会で同期生や卒業生との関係を築けました。
卒業生とは、入学初期から話す機会がありました。前の期で入学した方は学校の先輩でもあるので、学校のことについてもいろいろな話を聞きました。卒業生は年々増えているので、一大グループになってきています。


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