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卒業生の声

文系SE、英語が得意でないところからAACSB認証校 成績優秀者としてΒΓΣ獲得

文系SE、英語が得意でないところから
AACSB認証校 成績優秀者としてΒΓΣ獲得

松田 友江さん

マサチューセッツ州立大学MBAプログラム第5期卒業生
(2014年4月入学)
オデッセイヒューマンシステム ソリューション本部

  • 通信

-なぜMBAを目指したのですか?

私は商学部を卒業した後、金融系のシステムエンジニア(SE)をしていました。「手に職を付けたい」「知識を基に働き続けられるものを」と考え、大学での知識も多少活かせそうだと思ってSEを選びました。文系出身でもSEになる人は意外といます。eラーニングや研修で勉強していました。

しかし、仕事を始めて3年半の時に、いろいろあって会社を辞めました。その時に、何かにぶつかって辞める、という流れは生産的ではないなと感じました。辞めるにしても、新しい職を見つけやすくするためにはどうしたらいいのか、そもそも、何かにぶつかったとき、いきなり辞めるのではなく改善するためにどうしたらいいのかなど、人生の分岐点のように悩んでいました。

父と話をして、MBAを取ってみるのもありかも、という助言をもらいました。私は会社を辞める時に、1カ月間有給をもらっていましたが、その期間に、父から、働かざる者食うべからずという感じのことを言われました。有給休暇なのでお金をもらっているのですが、ただぐうたら家にいる娘を見て「何かしろよ」と。父は外資系企業でずっと働いているので、上司がMBAを持っているのは当たり前、部下がMBAを取るのは当たり前のように思っていることもあったのでしょう。父はMBAホルダーではありませんが、そのMBAを取っておけば、いつか日本でもMBAが当たり前になる時代が来たとしても耐えられるのではないかというアドバイスもあって入学しました。父は、私が本当にやるとは思っておらず、半信半疑だったらしいですが(笑い)。これは後日談ですが、父の会社の人が私のUMassの同期なのです。お会いしたことはないのですが、少し不思議な感じです。

MBAで学ぶことは、商学部と似ていますが、大学時代はあまり真面目に勉強していませんでしたし、それならば、経営やマーケティング、財務など、きちんと勉強してみたら何か生きてくるのかもしれないと思いました。そこでMBAを目指すことにしました。

IT業界とMBAは畑違いなイメージもあります。実際、「マサチューセッツ州立大学MBAプログラム」に入学して、IT系の同期は私のほかに1人でした。
しかし、私がSE1~2年目で配属されたプロジェクトでは、要件定義という、お客様の要望を聞いて、それをどうやってシステム化するかという工程があり、それはどうビジネスにつながっていくかというのも理解する必要があるという点で、MBA的な学びにはかなり関係がありました。

さらに、後輩を育てることを任される機会が増え、チームを運営する、マネジメントする、という点でも、真面目に勉強したほうがいいかなとも感じていました。ロールモデルになるような先輩が私にいたならば、お金をかけて勉強するということは要らないと思うのですが、今の会社に入るまでは、そういうロールモデルのような人に出会えなかったのです。このような自分が人を育てるとなったときに、どうやって育てていいのかよく分からないし、何がその人の動機になるのかも全然分かりません。探り探りでいくにも限界があるというのもあって、きちんと体系的に勉強してみたいと思いました。私は、正直、プログラミングに全然興味がないのです。SEなので、プログラムも手掛け、テストもしますが、プログラムを究めようと思ったことがあまりないのです。プログラムする人がいて、チームをマネジメントする人がいて、SEは最終的にはどちらかになるのです。新しい知識をどんどん取り入れていって、プログラミングを究めて、プログラムといえば私に聞け!というようになるのは絶対に無理だなと思ったので、それならば、チームをマネジメントする方向に進んだほうがいいかなと思いました。

-なぜマサチューセッツ州立大学MBAを選びましたか?

理由は3つあります。
まずは国際認証があることです。「AACSB認証」があるということは、一定のクオリティーが保証されていることを示しているからです。

また、ただ卒業(修了)するだけではなく、何か目標がほしいと思いました。説明会に参加していたゲストスピーカーの卒業生に尋ねたところ、一定以上の成績を修めれば、ハーバード大学などAACSB認証を取得している卒業生の名誉会員組織「ベータ・ガンマ・シグマ」というのに入れるよと聞きました。いわゆる称号です。これを目標にするのは1つのいい選択なのではないかと、マサチューセッツ州立大学(UMass)を選びました。今の上司には、「ベータ・ガンマ・シグマ」を取ると宣言し、難航した時もありましたが、無事に、目標を達成できました。

2点目として、オンラインだけで卒業できるというのは素晴らしい点です。転職したばかりだったため「私、留学します」とは、さすがに言い出せないので、自分の仕事と勉強とをうまく両立できることを考えました。短期留学を必須としているMBAがありましたが、私はSEなので、お客様に合わせて特定の1週間に休みが取れるかどうかは分かりません。そうすると卒業できないという事態になると思ったので、オンラインだけで卒業できますというUMassのプログラムは、かなりうれしかったです。 3つ目は、TOIECの点数で入学できる点です。高校の時は理系だったのですが、理系を選んだ理由も、英語が得意ではなく、理系なら英語を使わなくていいだろうという浅はかな考えを持っていたくらいです。それくらい英語は得意ではありません。実はそんなことはないという現実に気付いた時には既に遅かったです。大学は文系で、「マーケティングマネジメント」というような横文字の格好いい名前だったので、これにしてみようと、また浅はかな考えで選びました。上級課程に進学する際にTOEIC700点が必要なのですが、それもぎりぎり取りました。
基礎課程が始まって半年ぐらいは、それこそ背中にじんましんができるほど、英語を読むのが嫌になったという時期もありました。大学生のころからずっと英会話には通っていましたが、学問と英会話とは少し違うのです。文字をたくさん読んで、それを自分でずっとアウトプットするというのは、少し大変でした。それをやり続けたことで、何もしなくても800点ぐらいは取れるようになりました。

-MBAを取得したことで、仕事などにどのような変化がありましたか?

一番ためになった講義を1つ挙げるとすると、「リーダーシップ論」ですかね。後輩がだんだん増えてきたので、チームマネジメントをする機会が多くなってきましたので。講義の中で、自分の性格診断を受け、自分を見直す良いきっかけにもなりました。3年後に自分がどういう人間になりたいかというキャリアパスを最後に書かなければいけないのですけれども、いい機会でした。
リーダーシップ論で学んだフレームワークを利用しながら、後輩育成をする、という点では、それまで「〇〇をやっておいてね」と言うだけだったのを変えました。仕事の手順をただ単に順番に、これをやって、これをやって、これをやって、これをやって、やっておいてねと言うだけだったのですが、これでは、そもそも、なぜ私がその仕事をその順番でやってほしいのかということを部下は分からないまま、指示待ち族のような人が生まれてきます。ではそれをどうやったら変えられるかとなったときに、これをやってほしい、なぜならこうだからということを、全部理由を付けて話すようにしました。この間はこういうシチュエーションだからこうしてほしいと言っていたので、「今回もそれでいいですか」と確認が来るようになります。あとは、承認欲求が高そうな後輩には、「ありがとう」とたくさん言うなど、そういう小さな努力を今はしています。
基本的には、「なぜこれをやると思う?」とよく尋ねます。「そもそも、なぜそれをやったの?」などです。後輩には、そもそも、なぜそれをやるのか、そもそも、なぜそのやり方がいいのかなど、よく尋ねるので、性格の悪い先輩だと思われているかなと思いつつも、でも、なぜそれをやりたかったのか、なぜそれがベストなのかということを考えてもらうのは大事だと思っています。
3年後の自分のキャリアパスについて、仕事を、海外や、日本の国内でもう少し違うものにどんどん広げていけたらいいというような趣旨のことを書きました。今もずっと同じ気持ちでいます。 ほかに仕事に直結した点でいうと、仕事で財務諸表などをシステムで作る際に、その財務諸表の作り方が分かる、という点です。それまでは、実在するシステムがあるので、そのシステムの構造を調べて、こうだからきっとこうなんだろう、合っているかどうかよく分からないけれども、取りあえず、こうなっているから同じようなものを作ればいいのだろう、というようにシステムを作っているところがありました。MBAの講義の中で、ファイナンシャルステートメントを作る機会がありますし、テストの中でもそういう場面があります。どういうふうに財務諸表は作られていて、損失や利益の考え方もきちんと分かるようになった点は、仕事に直結しました。財務会計が分かるSEはあまりいませんから。

-MBA学習を仕事やプライベートと、どう両立させましたか?

インターネットやモバイルをフル活用しましたね。3時間以上の長い通勤時間に、紙の教材を電車で広げるのは現実的ではありませんし。レポートも電車でよく書いていました。同期生に教えてもらった良い勉強法というのは、とにかく教授にアタックしろということです。前向きにどんどん行けと言われたので、それを実践していました。

UMassでは、講師と教授の皆さんが一番印象に残っています。お金を払っているのだからというのもあるのですが、気になったことは聞いてみようという姿勢で、元旦から教授に「ハッピーニューイヤー」とメールして、その流れで「質問なのですが」と書きだしました(笑い)。教授にとってはすごく迷惑な学生だったかもしれませんが、そういうメールにもきちんと返信してくれる教授が多かったことはすごく良かったです。
同期は穏やかな人が多いです(笑い)。でも、みんなモチベーションがすごく高いです。私が一番年下で、社長をやっている人もいれば、転職して新しいところを見つけていこうという人もいるし、今の会社の中でもっとブラッシュアップしていこうという人もいました。それぞれ得意なところ、不得意なところもあるし、同じディスカッションをさせてもらうというのは、すごくいい機会でした。社長の考え方には発見がある一方で、何が正解という答えがないことも分かりました。ケーススタディでは、実際の企業はこうしたという事例はあるのですが、結局、自分だったらという考えを出し、それが合っていても間違っていても、とにかくベストエフォートで、私が社長ならこうしますという意見を出すのが重要なんだなと学びました。

―2段階式のカリキュラムについては、良かった点はありますか。

日本語での講義やアビタスのサポートもあります。もし2段階でなかったら、得意とするファイナンス系のところから重点的にやっていって、自分があまり触れたことのないマーケティング系の科目が後に残ってしまう、という事象は起きたかなと思います。
上級課程では、アメリカならではの体験もありました。「ベータ・ガンマ・シグマ」を狙うには、GPAが3.9以上必要です。私がつまずいたとき、それまでの成績からいくと、4択のテストに90%正解しないと絶対にGPA3.9に届かないことが分かっていました。結果は、90%に少し足りなかったのです。どうしようとなった時に、教授に相談して「私はいい成績が取りたいから、どうしたらいいか教えてくれ」と言ったら、「たった1点にしかならないけれども、追加でアサインメントを出せば評価してあげる」と言ってくれて、最終的に目標のグレードを取ることができました。
日本の場合、そういう追試のようなことはあまりしません。ただ、米国の大学を出ている同期に聞くと、「米国だとよくあることだ。何か課題を出してくれないかと言ってみたら」とアドバイスをくれました。そして実現したのです。積極的に行動する大切さを知りました。

-これからマサチューセッツ州立大学MBAを目指す方へのメッセージをお願いします。

私にとって、MBAとは30歳までに何かを成し遂げた証です。
正直、仕事をしながらMBAを目指すというのは、思った以上に大変です。もちろん、途中で心がくじけそうにもなったのですが、「リーダーシップ論」を通して、自分自身の強みと弱みが何で、どう改善しなければいけないかなど、客観的に考えるいい機会になりました。あとは、チームで協力して最大限いいパフォーマンスを上げるために自分ができることは何なんだろうか、そういうことを学術的に一個一個勉強できたのはいい機会だったなと思っています。
私は26歳の時に入学しました。まだ早いのではないかと同期のみんなに言われることもありました。でも、私の中ではそれが最適な時間で、最適な期間に始めたと確信しています。自分がいつMBAを始めるのがいいのか、本当にMBAは必要なのかということを考えて、今やらなければ!と思うときが一番やりどきなのかなと思います。卒業までに3年半かかりました。上司や家族、友達皆の協力があって何とか完遂できました。
勉強することは楽しいことなのだということを久々に思い返すことができました。仕事をしながら学ぶことができるという意味では、UMassで一番のポイントだと思います。