仕事上のスキルアップやキャリアアップのために、マーケティングの資格を取得しようと考えている人もいるでしょう。

マーケティング業務に必須の資格はありませんが、実務で役立つ知識やスキルに関連する資格は多数あります。

本記事では、マーケティング分野において資格を持つことのメリットやおすすめの資格について解説します。

目次
マーケティングにおける資格の必要性
マーケティングのおすすめ資格3選
マーケティングに関連する役立つ資格・スキル5選
マーケティングに役立つおすすめの資格を検討しよう

マーケティングの仕事をする際に、必須の資格は存在しません。

就職・転職の際にも、資格の有無が直接問われることは少ないでしょう。

しかし資格は、転職や昇進時のアピールや顧客からの信頼獲得にもつながります。

マーケティングで必要な知識や実務で使えるスキルがあることを、客観的に証明できるためです。更新の必要な資格の場合は、最新情報やトレンドまで広く網羅していることも示せます。

ここでは、資格を取得する意義やメリットについての以下を詳しく見ていきましょう。

• 体系的に理解するために必要
• 基本知識を有する証明として必要
• 信頼を得る手段のために必要

マーケティングに必要な知識やスキルは多岐にわたります。学んだことを実際の業務に活かすには、知識やスキルの間のつながりや優先順位を頭の中で整理しておくことが重要です。

マーケティングに関連する資格を取得するために勉強することで、マーケティングの全体像を包括的に把握できます。

また、段階的に学べるようレベル別に設計されている資格が多いのもポイントです。これからマーケティング職を目指す人は基礎知識の理解から、現在マーケティングの仕事をしている人は応用的なスキルや高度な戦略にチャレンジすることができます。

資格を取得することで、マーケティングに関する知識やスキルがあることを客観的に証明できます。

例えば、マーケティング未経験者が転職する際、資格があればマーケティングに関する一定の知識があることを効果的にアピールできます。

社内でも、資格は評価基準として重視されやすいため、資格を持っていることで昇進や昇給につながる、マーケティング関連のプロジェクトへの参加や部署異動の希望が通りやすくなるなどのメリットも考えられます。

また、資格の取得は積極的な学習意欲や継続的に自己成長に取り組んでいる姿勢を示すことにもなります。

資格を取ることでマーケティングにおける専門性を証明できるため、信頼を得る手段としても効果的です。

マーケティングコンサルタント会社や代理店で働く場合は、クライアントからの信頼性の向上が期待できます。社内でも、向上心があり博識であると認知されれば、意見を求められる機会や昇進のチャンスが増えるでしょう。

さらに、定期的な更新が必要な資格の場合、最新のマーケティングトレンドや技術に精通していることの証明にもなります。

マーケティングには必須の資格はありませんが、取得することでキャリアアップや信頼性向上につながる資格は数多くあります。

様々な資格があるため、どの資格を選べばよいか迷うこともあるでしょう。ここでは、マーケティング分野で働く人におすすめの資格を3つ、厳選して紹介します。

マーケティング・ビジネス実務検定®は、国際実務マーケティング協会®が運営している、業種や業界に関わらず実務で役立つマーケティング知識の習得を目指す検定試験です。

A級・B級・C級の3つのレベルごとに、科目などを表にまとめています。

級	レベル	科目（試験時間）	勉強時間（目安）
C	定型業務ができるオペレーション基礎レベル	マーケティング知識（90分） マーケティング事例（45分）	30～50時間
B	業務の運営ができるオペレーション応用レベル	マーケティング知識（105分） マーケティング事例（60分）	50～100時間
A	戦略立案・意思決定・判断業務ができる戦略・マネジメントレベル	マーケティング知識（105分） マーケティング事例（100分）	100～150時間

合格率は公表されていません。時事や事例、レベルごとに想定される実務場面でのスキルを問われる試験です。

参考：国際実務マーケティング協会「マーケティング・ビジネス実務検定®」

ネットマーケティング検定は、サーティファイが主催するインターネットマーケティングに特化した検定試験です。

試験時間は80分で、在宅で受験できます。試験問題は全て4択の択一選択式です。

2023年度の平均合格率は64.3％でした。必要な勉強時間は15時間程度とされています。

合格すれば、インターネットやWebサイトの構造、広告に関する基礎知識に加え、効果測定やセキュリティ、個人情報保護法などの関連法規、コンプライアンスなど、Webマーケティングに必要な知識を網羅的に習得している証明になります。

参考：株式会社サーティファイ「ネットマーケティング検定」

IMA検定はInternet Marketing Analystの略で、IMA研究所が運営するWebマーケティングの実務能力に特化した検定試験です。

StandardとProfessionalの2つのコースがあり、ProfessionalコースはStandardコースの合格者のみが受講できます。どちらも、eラーニングの後にWebテストを受験する流れです。

実務を重視しているため、試験中でも公式テキストやWeb検索、電卓を利用できるのが大きな特徴です。

合格率は公式サイトでは公開されていません。受講期間は2カ月程度で、Standardコースであれば合格におよそ10～30時間の勉強時間が必要とされています。

参考：一般社団法人IMA研究所「IMA検定」

「マーケティング」と名の付く資格以外にも、マーケティング分野に役立つ資格やスキルは多数存在します。

マーケティングに欠かせないWeb関連のスキルやビジネスの知識を身に付けることで、競争力や業務効率の向上が見込めます。希望する業界や職種、マーケティングの方式に応じて取得を目指すとよいでしょう。

ここでは、特におすすめの資格やスキルを5つ紹介します。

Webアナリスト検定は、日本Web協会が主催する検定試験です。Googleアナリティクスの活用を中心とした、Webアナリストとしてのスキルが評価されます。

公式テキストを事前に勉強してから5時間の講座を受講し、80分間のオンラインテストを受験します。合格率は受講者の約80％とされていて、初心者でも取り組みやすい試験です。

Web解析の基本的な知識や用語をもとに実際のGoogleアナリティクスの画面でデータ分析について学習するため、実践的なスキルを学びたい人に適しています。

参考：日本Web協会「Webアナリスト検定」

ウェブ解析士とは、ウェブ解析士協会が認定する、Webのアクセス分析などを通じてデジタルマーケティングを行う人材のことです。

50問の4択問題で構成される、90分間の認定試験に合格することで資格を得られます。必須ではありませんが、公式テキストを事前購入して予習し、認定講座を受講するのが一般的な流れです。

合格率は公式には公開されていません。Web業界の経験者であれば15～30時間、未経験者の場合40～60時間が勉強時間の目安とされています。

なお、資格を維持するためには、毎年フォローアップテストに合格することが必要です。

参考：一般社団法人ウェブ解析士協会「認定資格｜ウェブ解析士とは」

データ解析士は、文部科学省が認定する「多変量解析実務講座」を修了し、実務教育研究所が主催する「データ解析士認定試験」に合格した人に与えられる資格です。

テキストに合わせて作られたExcelプログラムを手元で操作しながらデータ解析の原理や手法を習得します。単元ごとに課題を講師に郵送し、添削や質問回答をもらえるのが特徴です。

カリキュラムは4カ月間で想定されているため、毎日1時間学習すると仮定すると、120時間程度の学習時間になります。講座修了者のみが試験を受けられるスタイルで、合格率は公開されていません。

データの解析といったエビデンスに基づくマーケティングをしたい人に適した資格といえます。

参考：一般財団法人実務教育研究所「多変量解析実務講座｜資格認定・表彰制度」
参考：一般財団法人実務教育研究所「多変量解析実務講座｜教材と学習の流れ」

中小企業診断士は、中小企業の経営に対しアドバイスや支援を行う経営コンサルタントとしての国家資格です。

1次試験はマークシート方式で、2日間にわたって行われます。経済学や財務、法務、経営理論など7科目で構成されています。1次試験合格者が受験する2次試験は、事例に対してアドバイスなどを口述する方式です。

2023年度の合格率は18.9％で、合格するにはおよそ1,000時間程度の勉強が必要とされています。5年ごとに研修や実務経験の報告などを行って資格を更新する必要があります。

マーケティングの中でも特に企業経営に携わりたいと考えている人におすすめの資格です。

参考：一般社団法人中小企業診断協会「中小企業診断士試験」

MBAは、経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位のことで、幅広いビジネス領域でのキャリア構築に効果的です。

MBAプログラムでは、マーケティングスキルやデータ分析、財務、経営戦略、組織行動など、企業の経営に関する高度な知識を体系的に学習します。

最新のマーケティングを広く深く学ぶことができるため、マーケティング分野での昇進や経営幹部としてのキャリアを目指す人からも高い人気があります。

MBAの取得までにかかる時間はフルタイム（日中の通学）で2年が前提とされていますが、プログラムによって必要な時間は異なります。また、パートタイムやオンラインでの受講の選択が可能なスクールもあります。

キャリアをさらに発展させるための有力な選択肢となるでしょう。

関連記事：Abitus UMass MBA「MBA（経営学修士）とは？ MBAの種類やメリット・難易度を解説」

マーケティングで仕事をするために、必須の資格はありません。

しかし、マーケティングに関わる資格は大きな強みになります。専門性の高さを客観的に証明できるため、社内外での信頼獲得につながるでしょう。

将来のキャリアプランを考え、自分に最適な資格やスキルを選ぶのが重要です。

オンラインに特化したマーケティングスキルを磨きたい人はネットマーケティング検定やIMA検定、経営に対する広い視点を培いたい人はMBAプログラムなどを検討してみてはいかがでしょうか。

国際資格の専門校であるアビタス（東京）では、アメリカ・マサチューセッツ州立大学の「マサチューセッツ大学（UMass）MBAプログラム」をオンラインで受講できます。

マーケティング戦略をはじめとした、ビジネス系の知識やスキルを体系的に身に付けたい人にもおすすめのプログラムです。

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