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様々なビジネススクールで、エグゼクティブMBA(以下、EMBA)が取得できるプログラムが導入されています。EMBAは、豊富な実務経験を持つビジネスリーダーに向けたプログラムです。
MBAを取得するためにビジネススクールに通う際は、多くの場合3年程度の社会経験が求められます。しかし、EMBAを取得するにはおよそ10~15年程度の職務経験が必要です。
本記事ではEMBAとMBAの違いについて解説します。EMBAランキングについても紹介しますので、参考にしてください。
目次
エグゼクティブ(executive) MBAとは
エグゼクティブ(executive) MBAとMBAの違い
エグゼクティブ(executive) MBAランキング
MBAを選ぶかエグゼクティブ(executive) MBAを選ぶかはじっくり比較を!
1943年、シカゴ大学のビジネススクールが、初めてエグゼクティブMBA(以下、EMBA)のプログラムを導入しました。
これは、豊富な社会経験を持つビジネスパーソンのためのプログラムです。
一般的なMBAの取得にも社会経験が求められるケースは少なくありません。しかし、求められたとしても平均年数はおよそ3年程度と短めです。
一方、EMBAのためのビジネススクールに入学するには10~15年程度の職務経歴が求められます。これは経営者や管理職など、部下を持つ立場の人を対象としているプログラムであるためです。
日本では、2003年に初めて名古屋商科大学経営大学院がEMBAのためのプログラムを導入しています。
EMBAとMBA、どちらを取得すればよいのか迷っている人もいるでしょう。それぞれの違いは次の通りです。
項目 | EMBA | MBA |
---|---|---|
出願資格 | 10~15年以上の職務経歴 | 職務経歴3年以上が多い ※職務経験不問なスクールもある |
費用 | MBAより高いことが多い | EMBAより安いことが多い |
年齢 | 30代半ば~50代のミドル層中心 | ボリュームゾーンは20代後半 |
学生数 | MBAよりも少ない | EMBAより多い |
講義 スケジュール |
週末のみの講義または短期間の講義などの、パートタイムがメイン。会社を退職せず取得できる | 平日日中の講義中心 |
講義内容 | MBAと同内容の講義に加え、管理職に向けての講義が行われる | EMBAと比較すると、管理職向けの講義はあまり行われない傾向がある |
各項目についてさらに詳しく解説します。
多くの場合、ビジネススクールに出願する際には3年以上の社会人経験が必要です。中には、社会人経験がなくても入学できるビジネススクールもあります。
一方、EMBAを取得するためのビジネススクールに出願するには、10~15年程度の社会人経験が必須条件です。
例えば、慶應義塾大学大学院のEMBAプログラムの出願資格は「大学を卒業し、職務経歴が通算15年相当以上の者」となっています。これは、EMBAプログラムの目的が経営者、役員などの幹部の養成であるためです。
参考:Keio Business School「EXECUTIVE MBA プログラム|入試に関する重要なお知らせ」
名古屋商科大学大学院の場合、入学金と講義料の合計金額は次の通りです(2024年度4月入学者)。
項目 | EMBA | MBA |
---|---|---|
入学金 | 270,000円 | 270,000円 |
1年次 | 1,565,000円 | 1,440,000円 |
2年次 | 1,565,000円 | 1,440,000円 |
合計 | 3,400,000円 | 3,150,000円 |
※2023年1月時点アビタス調べ。
名古屋商科大学大学院の場合は、EMBAのほうがMBAよりも費用が高い傾向にあることが分かります。
次に、海外のビジネススクールの講義料を比較してみましょう。ここでは、2023年の『Financial Times』MBAランキング上位3校についてピックアップします。
EMBA
スクール | プログラム料金 |
---|---|
Kellogg/HKUST Business School | 1,439,900香港ドル(約2,600万円)/年 |
Ceibs | 808,000人民元(約1,600万円)/年 |
ESCP Business School | 79,000ユーロ(約1,200万円)/年 |
MBA
スクール | プログラム料金 |
---|---|
Columbia Business School | 127,058米ドル(約1,800万円)/年 |
Insead | 103,500ユーロ(約1,600万円)/年 |
IESE Business School | 105,000ユーロ(約1,640万円)/年 |
※2023年12月28日のレートで換算
上記の表は同一スクールとの比較ではありませんが、このデータからは、一概にEMBAのほうが高いとはいえません。
しかし、EMBAプログラムを提供しているコロンビア大学の場合、1年目のEMBAプログラム料金は239,880米ドル(約3,400万円)となっており、一般的なMBAプログラムと比較して高額なことが分かります。
参考:NUCB BUSINESS SCHOOL「学費|学納金《2024年度4月入学者例》」
参考:Columbia Business School「Tuition Facts for Executive MBA Students」
EMBAは経営者や管理職など、部下を持つ立場となる世代の人を対象に提供されているプログラムです。
多くの場合、EMBAを取得するには10年以上の社会人経験が欠かせません。そのため、3年以上の社会人経験が求められることの多いMBAのためのビジネススクールと比較した場合、平均年齢が高くなる傾向にあります。
早稲田大学大学院経営管理研究科、名古屋商科大学大学院、そしてアビタスが提供しているマサチューセッツ州立大学(UMass)MBAプログラムの平均年齢は次の通りです。
スクール | EMBA | MBA |
---|---|---|
早稲田大学大学院経営管理研究科 | 45-46歳程度 | 約35歳 |
名古屋商科大学大学院 | 40歳 2020年度入学者 |
35歳 |
アビタスが提供するマサチューセッツ州立大学(UMass) | ― | 37.9歳 |
MBAプログラムと比べると、EMBAプログラムの平均年齢のほうが高いことが分かります。
参考:早稲田大学大学院経営管理研究科「早稲田大学が送るEMBA Essence」
参考:NUCB BUSINESS SCHOOL「エグゼクティブMBA(Executive MBA)とは」
EMBAとMBA、それぞれのプログラムの学生数を比較してみましょう。
早稲田大学の場合、学生数の違いは次の通りです。
項目 | EMBA | MBA |
---|---|---|
早稲田大学 | 30人 | 70人※全日制 |
EMBAのほうがMBAと比較すると学生数は少ないことがうかがえます。一般的にEMBAのほうがMBAよりも人数が少ない傾向です。
理由の1つに、EMBAプログラムは経営者や管理職など、より限定したプロフェッショナルを対象にしているため受講者候補が絞られることが挙げられます。
また、EMBAプログラムのほうが、より個人に合わせた講義を行っているため、少人数クラスが適していることも理由の1つです。
参考:早稲田大学大学院経営管理研究科「募集要項」
参考:早稲田大学大学院経営管理研究科「2024年度入学試験要項(p.6)」
MBAとEMBA、各プログラムの講義スケジュールは異なります。
フルタイムMBAの場合、平日の昼間に講義が行われるスタイルが一般的です。そのため、多くの場合、受講生は会社を退職または休職してビジネススクールに通うことにです。
平日夜間や土日にのみ講義を行うスタイルは、「パートタイムMBA」と呼び、フルタイムMBAと区別されています。
一方、EMBAプログラムは基本的に週末を中心に講義が行われるケースが多く見られます。これはフルタイムで働くプロフェッショナルを対象としているためです。
そのため、受講生は平日は会社に勤務しながら、EMBAを取得することができます。
双方の講義内容はほとんど変わりありませんが、EMBAプログラムにはMBAのプログラムだけでなく、リーダーシップ論やマネジメント論など、管理職や経営者向けの講義内容が追加されるケースが多く見られます。
しかし、たとえ同じプログラムでも参加する学生の社会経験や立場が違うため、グループワークやディスカッションの内容には大きな差が出ます。
『Financial Times』による2023年のEMBAランキングは次の通りです。
順位 | スクール | 国・地域 |
---|---|---|
1 | Kellogg/HKUST Business School | 香港 |
2 | Ceibs | 中国・スイス・ガーナ |
3 | ESCP Business School | フランス・ドイツ・イギリス・イタリア・スペイン・ポーランド |
4 | Trium: HEC Paris/LSE/NYU: Stern | フランス・アメリカ・イギリス |
5 | University of Oxford: Saïd | イギリス |
MBAランキングの上位校にはアメリカやヨーロッパのビジネススクールが多いのに対し、EMBAの場合、上位校の中に中国などアジアのビジネススクールが含まれているのが大きく異なる点といえるでしょう。
EMBAプログラムは、週末など限られた期間のみに講義が行われます。日本で仕事をしながら海外のEMBAの取得を検討している人にとっては、アメリカやヨーロッパの学校に入るより、アジア圏のビジネススクールに通うほうが移動距離の負担が少なく済むのはメリットです。
職務経歴が長く、中国を起点としてビジネスの人脈を築きたい、アジアを起点としてビジネスを展開していきたいと考えている人にとっては、EMBAの取得を検討してみることもよいのではないでしょうか。
EMBAは経営層や管理職などのプロフェッショナルを対象にした学位です。MBAと比較すると職歴が長く幹部候補である人を対象にしており、キャリアチェンジを念頭に入れているMBAとは大きく異なります。
講義は週末に行われており、会社を辞めずに学位を取得できます。
職務経歴が長い場合や、将来経営層・管理職として活躍したい人はEMBAの取得を検討してみましょう。
しかし、MBAと比較すると講義料が高い点は把握しておかなければなりません。可能であれば、会社からの補助を検討してみるのも良いでしょう。
双方の特徴やメリット・デメリットを比較した上で自分に合うものを選択しましょう。
アビタスでは、「マサチューセッツ州立大学(UMass)MBAプログラム」を提供しています。世界のトップクラスのビジネススクールと同様、国際認証AACSBを取得している高品質なプログラムです。
このプログラムを利用すると、日本にいながら、オンラインでMBAを取得できます。
一般的にアメリカのMBAを取得するために欠かせない渡航費や滞在費がかかりません。また、家事と仕事を両立しながらMBAを取得できます。
カリキュラムが日本語と英語のハイブリッド方式で進められるのも特徴です。
アビタスでは無料の説明会を実施しています。日本国内で取得できるアメリカのビジネススクールのMBAに興味のある方は、ぜひ説明会にご参加ください。
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