本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。
本ウェブサイトでは、Cookieを利用しています。本ウェブサイトを継続してご利用いただく際には、当社のCookieの利用方針に同意いただいたものとみなします。

春の異動期を控え、新たに内部監査部門への配属が決まった方や、すでに実務に従事しながらも自身のキャリアに迷いを感じている方は少なくありません。
アビタスが開催したオンラインイベント「新任内部監査人必見!内部監査のやりがいと魅力」では、技術職から内部監査へ異動し、一度は司法書士として外部に転身しながらも、再び内部監査の世界に戻ってきた長氏が登壇。
自身のリアルなキャリア変遷をもとに、内部監査という仕事の面白さや、USCPA(米国公認会計士)およびCIA(公認内部監査人)の資格取得がもたらした変化について語りました。
登壇者紹介

長 氏
大学卒業後、技術者としてメーカーに入社。
その後新規事業企画業務に従事後、2015年に内部監査部門に異動。内部監査部門では、グループ子会社の内部監査、J-SOX業務に約6年間従事。
内部監査部門で監査に携わる中で、専門的な知識と被監査部門の信頼を得るため、USCPA資格と司法書士資格を取得。
新たな活躍の場を求め、司法書士事務所に転職をするものの、改めて内部監査部門の業務の魅力に気づき、約1年で現在の勤務先の内部監査部門に転職。
日本内部監査協会主催のSAM研修会に参加をする等、社外の監査部門の方々との交流にも積極的に取り組んでいる。
長氏: 私は大学で理学部化学科を専攻し、卒業後はメーカーに就職して20代の約10年間は技術者・開発者として勤務していました。
その後、時代の流れで担当していた事業部がなくなったことを機に、新規事業の立ち上げ部署へ異動しました。そこでは技術の知識を活かしつつ、マーケティングなどを学びながら企画業務に約10年間携わりましたが、思うような結果を残すことができませんでした。
内部監査部門へ異動したのは、40歳になった2015年10月のタイミングです。
異動直後の最初の仕事はJ-SOX(内部統制報告制度)の経営者評価業務でしたが、当時は見習いとして現場に立ち会ったものの、飛び交う専門用語が全く理解できませんでした。
俗に言う「J-SOXの3点セット」を読んでも何が書いてあるのか分からず、監査先である子会社の部長からは相手にされず、まるで「見えない存在」のようになってしまうという非常に辛い経験をしました。
このままでは以前の企画業務と同じように苦しい思いをすることになると焦りを感じ、アビタスのUSCPA(米国公認会計士)講座に入会しました。
学習を進める中で自分に力がついていくのを実感し、実務でも知識を発揮できるようになりました。
会計や内部統制をマスターした後は、実務で求められる法的な知識を深めるために司法書士の勉強を始め、退職直後に資格を取得して司法書士事務所へ転職しました。
しかし、司法書士の主な業務は登記手続きであり、私が培ってきた会計や内部統制の知識を活かす場面が少なかったため、自分の強みを最も活かせる内部監査の世界に再び戻ることを決意しました。
現在は自動車リース会社の内部監査部門で実務に携わっています。
長氏: 一番のやりがいは、経営者や社内の様々な部門から「困ったときの相談相手」として頼りにされることです。
実務では、日々の業務の中で「どう対応すればよいか」と他部署から気軽に相談を受けることがよくあります。
そうした相談に対して、監査の知識や経験をもとに適切なアドバイスを提供し、「ありがとうございます」と感謝されたときは本当に嬉しく、仕事の面白さを実感します。
また、キャリアの観点からも非常に魅力的な仕事です。
内部監査の専門性を極めることで、特定の会社に縛られることなく、一生涯活躍し続けられる強みを身につけることができます。
実際に、私の周りでも60代で内部監査室長として転職し、活躍されている先輩がいます。
専門的なスキルを武器に自立したキャリアを築けることは、この仕事の大きな魅力だと考えています。
長氏: 最も重要なのは「聴く力」です。
被監査部門の話をしっかりと聴き、状況を正確に把握することが監査の基本になります。
そのためにも、日頃から気軽に話しかけてもらえるような雰囲気づくりを心がけています。
また、先入観や思い込みを徹底的に排除することも欠かせません。
自分自身の経験から「こうだろう」と判断したことが、実際には法律や基準と異なっているケースは多々あります。事前の下調べを丁寧に行い、客観的な事実に基づいて判断する姿勢が求められます。
さらに、これからの時代は、生成AIの普及やIT化の進展により、単なる知識の有無だけでは監査人の価値を示しにくくなると予想されます。
今後は、知識をベースにしながら、被監査部門が抱える課題を解決するための具体的なアドバイス(アドバイザリー業務)をどれだけ提供できるかが、より一層重要になるはずです。
長氏: 一度内部監査を離れて司法書士を経験した後、再び内部監査の世界に戻ることを決めた際、「これからは内部監査のプロとして生きていく」と覚悟を決めました。
そのために、内部監査のグローバルな専門資格であるCIAは必ず取得しておきたいと考えたのがきっかけです。
また、転職活動の際にはUSCPAの資格が評価されて現在の会社に採用されましたが、入社後のエージェントとの面談で「内部監査人として活躍し続けるために、ぜひCIAも取得してください」と背中を押されたことも、大きな後押しになりました。
長氏: 私は2024年12月に勉強を始め、2025年7月に資格を取得しました。
USCPAや司法書士の受験経験があったため勉強の習慣はついていましたが、CIA特有の難しさに直面しました。
CIA試験は単なる暗記だけでは通用せず、「このような場面で監査人としてどう行動すべきか」という思考力や判断力を問うケース問題が多く出題されるためです。
効果的だった勉強方法としては、問題をただ繰り返し解くのではなく、テキストを読み込む回数を増やしたことです。
テキストの読み込みを通じて「監査人としての正しい思考プロセス」を体系的に身につけることを意識しました。
また、実務での経験や、尊敬する上司・先輩が現場で行っていた正しい判断を思い出し、それを試験問題の状況と照らし合わせることも、思考の訓練として非常に役立ちました。
学習ペースとしては、平日に約2時間、休日に3〜4時間を確保して進めました。
長氏: 実務において非常に活きています。
USCPAのAUDで学ぶ監査の知識があることで、外部の監査法人から指摘された内容や求められている意図を正確に理解することができます。
これにより、監査法人に対して対等な立場で提案や交渉ができるようになります。
また、監査法人から要求された資料について、社内の各部署にそのまま丸投げするのではなく、内部監査部門が「防波堤」となって調整することで、社内の他部署の負担を大幅に軽減することができます。
表立って感謝されることは少ないですが、組織の円滑な運営を支える上で、AUDの知識は強力な武器になっています。
長氏: 無理に取得する必要はありませんが、社内でのキャリアアップを目指す上では非常に有効です。
現在、グローバル内部監査基準において「内部監査部門長はCIAもしくは同等の専門知識を有すること」が明記されるなど、資格の重要性が高まっています。
上場企業などでは、有価証券報告書等で内部監査部門の体制や資格保有者数を開示する動きもあり、会社としての意識も高まっています。
現在の勤務先で内部監査のキャリアを極め、将来的に部門長などのポジションを目指すのであれば、転職を考えていなくてもCIAを取得する価値は十分にあります。
技術職から内部監査への異動、そして司法書士への転身を経て、再び内部監査のプロフェッショナルとしての道を歩む長氏。
そのキャリアの軌跡からは、専門資格を武器に自らの市場価値を高め、自立したキャリアを築くことの重要性が伝わってきます。
内部監査は、組織の課題解決に直接貢献できるやりがいに満ちた仕事です。
新任の方も、実務で壁にぶつかっている方も、体系的な知識を身につけることで、仕事の面白さをより深く実感できるようになるのではないでしょうか。
最近のエントリー




