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  • 2024/04/25公開

三様監査とは?各役割と違い、連携の意義と効果を具体例とともに解説

三様監査とは?各役割と違い、連携の意義と効果を具体例とともに解説

三様監査とは「監査役監査」「会計監査人監査」「内部監査」を指す言葉です。

三様監査という言葉自体は聞いたことがあるものの、それぞれの監査の役割や違いがよく分からないという方もいるのではないでしょうか。

本記事では三様監査の概要、各監査の役割と違いを分かりやすく解説します。

目次
三様監査とは
三様監査の各役割と違い
三様監査における連携の意義と効果
三様監査における連携の具体例
三様監査の連携で監査を効率よく行おう

三様監査とは

三様監査とは監査役監査・会計監査人監査・内部監査の3種類の監査を合わせた呼び方です。

それぞれ監査の実施者・対象・目的が異なるものの、手続きや確認対象など重複している部分もあります。

種類 監査の実施者 目的
監査役監査 企業の監査役 取締役の業務内容や取締役会の決定事項などの監査
会計監査人監査 公認会計士・監査法人 ステークホルダーや投資家の保護
内部監査 企業内の社員 社内の各部門の調査

三様監査のそれぞれの監査実施者が相互に連携することで、監査を実施する範囲の重複を防ぎ、効率的にそれぞれの監査を遂行することが可能です。

三様監査の各役割と違い

先述したように、三様監査とは次の3種類の監査の総称です。

  • 監査役監査
  • 会計監査人監査
  • 内部監査

ここでは、三様監査の各役割と違いを詳しく見ていきましょう。

監査役監査

監査役監査は、取締役の業務内容や取締役会の決定事項などが監査対象となります。

監査は、株主総会で選ばれた監査役が株主の代理となって実施し、取締役に対し勧告やアドバイスを行います。

監査役は会社内部の従業員から選任されます。企業の規模によっては、監査役で構成される機関である監査役会を設置しなければなりません。

なお、次の条件に該当する企業は監査役会の設置が義務付けられています。

  • 株式を公開している上場企業
  • 資本金5億円以上または負債額200億円以上の株式会社

監査役監査の監査では、株主の利益を保護するために取締役の業務内容が法令および定款を遵守しているのかをチェックします。監査役監査の目的は、取締役や取締役会の違法行為を防止し、株主の利益を保護することにあります。また、企業の透明化および不正行為の防止も図ります。

会計監査人監査

会計監査人監査は、会社の外部の公認会計士などが実施します。投資家保護を目的とし、企業の会計情報の適正性を監査します。

企業は投資家に決算書などの財務情報を公開し、経営内容の詳細を伝えます。しかし、企業が誤った財務情報を公開すると、投資家は正しい判断ができず、大きな損害を被るリスクが想定できます。そうしたことを防ぐため、財務情報の適正性を企業自身で証明するのではなく、会社外部の第三者である公認会計士などが会計監査人監査を実施します。

以下のように、企業の規模によっては会計監査人監査の実施を義務付けられている場合があります。

  • 資本金が5億円以上または負債額が200億円以上
  • 監査等委員会設置会社
  • 指名委員会等設置会社
  • 会計監査人の任意設置を行った会社

なお、将来的に上場する予定がある企業も、上場申請前の2年分の財務諸表を監査しておかなければなりません。

関連記事:アビタス CIA「IPOとは?上場との違いやクリアすべき基準を分かりやすく解説」

参照:日本公認会計士協会「会社法監査」
参照:日本取引所グループ「上場審査基準」

内部監査

内部監査とは企業の経営目標を達成するために、社内の各部門に対し調査・分析・アドバイスを実施する監査です。企業のマニュアルや規程を基に、業務が適切に遂行されているのかをチェックします。

経営目標を達成するために企業の課題や問題を洗い出し、解決につなげていくために改善することが目的です。具体的には、不正防止やリスク軽減、業務効率化の向上、目標達成のための改善策提示などが挙げられます。

内部監査を行う内部監査人は、社内の従業員の中から任命されます。

関連記事:アビタス CIA「内部監査(業務監査)とは?目的・やり方・チェックリストを解説」

参照:一般社団法人日本内部監査協会「内部監査基準」

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三様監査における連携の意義と効果

三様監査においては、それぞれの監査計画および結果を定期的に協議する機会をつくることで、監査の重複を避けることが可能です。

加えて、それぞれの監査を効率的に実施する上でも定期的な協議は重要といえるでしょう。

例えば、監査役では会計監査人監査の適正性を確認します。監査役が会計監査人監査の監査人と意見交換を行ったり、監査に立ち会ったりすることで、監査の重複を回避できるでしょう。また、監査対象外の監査の内容も情報を共有することで、自身の監査のヒントが得られる可能性もあります。

三様監査の連携により、監査が効率的に行われるようになるだけでなく、有用性も高まるため、企業における監査が有益なものになります。

そのため、四半期に1度程度、定期的に協議する機会をつくることが大切です。

参照:日本監査役協会「監査役監査基準」

三様監査における連携の具体例

では、三様監査における連携とはどのような例があるのでしょうか。ここでは、以下の具体例を紹介します。

  • 監査役と会計監査人の連携
  • 会計監査人と内部監査の連携
  • 監査役と内部監査の連携

それぞれ解説していきます。

監査役と会計監査人の連携

監査役は、必ずしも会計の知識を身につけているわけではありません。そのため、監査役監査で会計監査人監査の結果の適正性を確認するため、監査役と会計監査人との連携は不可欠といえます。

会計監査人は公認会計士などの外部の人間であるため、監査のためにヒアリングなどを行う場合、社内の情報へのアクセスは困難です。会計監査人がヒアリングなどを行える状況や環境をつくることも、監査役の重要な役割といえるでしょう。

また、会計監査人と経理および財務部門で異なる意見が出た場合も想定されます。そのような場面では監査役が状況を把握しておく必要があり、そのための連携は必要です。

会計監査人と内部監査の連携

会計監査人は経理・財務部門との関わりが深いケースが多く見受けられますが、内部監査部門とは接点が深くない傾向があります。

しかし、内部監査部門において財務報告における内部統制の評価を行っている場合、両者の連携による意思疎通が必要になるでしょう。

内部監査は法定監査ではないため、会計監査人は内部監査部門に対し報告する義務はありません。そのため、会計監査人が会計報告を行う場に内部監査部門の担当者が同席するなど、両者が接点を持つ機会を設けることも有効です。

なお、内部監査部門において財務報告における内部統制の評価を行う必要がある企業はJ-SOX(内部統制報告制度)という制度により定められています。

関連記事:アビタス CIA「J-SOX(内部統制報告制度)の監査対象や必要な3点セットを解説」

監査役と内部監査の連携

監査役は取締役の職務執行への監査を通じ、内部統制の整備・運用状況を監視する立場にあります。

一方、内部監査部門は独立した立場から内部統制の整備・運用状況を監査する役割を担っています。

このため、監査役と内部監査部門は、双方の監査領域の重複感がないよう調整しながら、相互に補完し合い、互いの監査の実効性を高めるために協力することが必要となります。

三様監査の連携で監査を効率よく行おう

「監査役監査」「会計監査人監査」「内部監査」の3つの監査をまとめて三様監査と呼びます。

三様監査でお互いの情報を共有することで、それぞれの監査の重複を防ぎ、効率性および有効性を向上する効果が期待できます。

また、重複を防ぐための情報共有だけでなく、実際に監査に立ち会うことで、自身の監査のヒントになり得る可能性があるため、定期的に協議を行うことが重要です。

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