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  • 2023/11/02公開

IPO・内部統制実務士資格とは|難易度や合格率、勉強時間を解説

IPO・内部統制実務士資格とは|難易度や合格率、勉強時間を解説

IPO・内部統制実務士とは、IPOに関する専門家であるとともに、内部統制の構築・運用・評価などを理解していることを証明する資格です。

株式上場予定の企業でIPOを担当する場合に効力を発揮します。また、企業内の不祥事に対処する際は、法務や会計などに携わる人にとっても、専門知識やスキルを証明できるため有効です。

本記事では、IPO・内部統制実務士資格の難易度や合格率、勉強時間などについて解説します。

目次
IPO・内部統制実務士資格とは
IPO・内部統制実務士試験の概要|難易度・勉強時間など
IPO・内部統制実務士に関連する資格
IPO・内部統制実務士はIPOに役立つ資格

IPO・内部統制実務士資格とは

IPO・内部統制実務士資格とは、IPOの専門家であり、上場企業などに必要とされる内部統制の構築・運用・評価や、コンプライアンス経営を理解していることを証明する資格です。

取得すると、経済産業省の基準を満たした実力を持っていることの証明になります。

資格登録後は2年間が有効期間となりますが、その間に資格更新講習会(年3回実施、Web配信あり)に参加し、所定の単位を取得する必要があります。そのため、資格保有は常に最新の情報を身につけていることの証明にもなります。

上級資格として、IPOと内部統制、それぞれに特化し高い専門性が問われる「上級IPO実務士」および「上級内部統制実務士」があります。

参照:一般社団法人日本経営調査士協会資格試験認定委員会「IPO内部統制実務士 資格制度の概要」
参照:一般社団法人日本経営調査士協会資格試験認定委員会「―2021 年度/会員、IPO・内部統制実務士/資格更新認定<単位制度>―」

IPOとは

IPOは「Initial Public Offering」の頭文字をとったもので、「株式公開」や「新規株式公開」を意味します。非上場企業が、会社の株式を一般投資家に売り出すために、株式市場に上場することを指します。

上場すると、企業にとって、市場から広く資金調達できる、知名度や信用力が向上するなど、多くのメリットが生じます。ただし、上場するためには「上場審査基準」にパスしなければなりません。上場申請書類の作成、人材補強、利益管理制度の構築、IT環境の整備をはじめ、様々な準備が必要です。

IPOの準備期間では内部管理体制の整備が必要となり、その一環として内部統制の構築が必要になります。

内部統制とは

「企業の経営目標を達成するために必要なルールや仕組みを策定し、適切に運用すること」を内部統制といいます。上場企業および取締役会を設置している大企業は、法律で内部統制の整備が義務付けられています。

金融庁が定めている内部統制の目的は次の4つです。

  • 業務の有効性および効率性
  • 報告の信頼性
  • 事業活動に関わる法令などの遵守
  • 資産の保全

経営者・取締役会・監査役・内部監査人・従業員など、会社に関する全ての人が、それぞれの立場から内部統制に関わりを持ちます。

なお、金融庁では内部統制の実施基準の改訂を発表しており、2024年4月以降の適用実施を予定しています。

参照:金融庁企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」

IPO・内部統制実務士試験の概要|難易度・勉強時間など

IPO・内部統制実務士試験の概要は次の通りです。

項目 詳細
主な受験対象者 (1)上場予定企業等のIPO担当者
(2)企画・経理・法務・監査・総務の担当者、部門長、役職者
(3)金融機関でIPOや内部統制に関する知識の向上が必要な人
(4)法務、会計等国家資格者(弁護士・公認会計士・税理士等)で上場や内部統制に職域を拡大する人
(5)コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、自己査定、内部統制の管理者など
(6)上級IPO実務士、上級内部統制実務士を目指す人
試験日 年2回(上期8月、下期2月)
試験費用 11,000円(税込)
試験会場 東京、大阪
出題範囲 ・IPO概論
・コーポレート・ガバナンス&コンプライアンス経営
・経営法務の遵守と監査
・内部監査人の役割と業務
・財務報告の作成と開示
・内部統制の構築と運営(フローチャート・RCM)
・上場準備・上場基準
・資本政策
・経営管理
・内部統制報告制度への対応
・関係会社等の整備
・企業内容開示制度
・上場申請書類の作り方
・上場審査への対応
・上場後のディスクロージャーへの対応
など

試験は例年、年2回(上期8月、下期2月)実施されています。

参照:一般社団法人日本経営調査士協会 「一般社団法人日本経営調査士協会 試験公告|第33回『IPO・内部統制実務士』資格認定試験 実施」
参照:一般社団法人日本経営調査士協会「IPO内部統制実務士 資格制度の概要」

難易度

IPO・内部統制実務士試験の難易度は公表されていませんが、想定正解率約70%で試験問題が作成されているといわれています。そのため、難易度はそこまで高くないと考えてよいでしょう。

ただし、試験範囲が広いので、公式テキストや事前に実施される講座を受講し効率よく勉強しましょう。IPOと内部統制の2つの分野があるため、どちらについても理解が必要です。

これまでの傾向では、IPOに関する問題は選択式、資本政策に関する問題と内部統制に関する問題は記述式が中心となっています。

合格率・合格点

IPO・内部統制実務士試験の合格点については公表されていませんが、合格率はおよそ70~80%です。

合否は原則1カ月以内に郵送で通知されます。合格者に対し「資格登録証」が交付されます。合格した場合、2年間分の資格登録料(6,000円)の支払いが必要です。

なお、IPO・内部統制実務士の上級資格となる「上級IPO実務士」および「上級内部統制実務士」は原則として、IPO・内部統制実務士試験の合格者が受験対象者となります。

勉強時間

勉強時間の目安は12~25時間です。これは、全日本能率連盟が実施している講座の時間を目安にしています。

独学で勉強する場合も同様の時間が必要になると考えられます。教材としては公式テキストを使いましょう。また、標準学習期間3カ月の通信教育講座も実施しています。

主催者が原則4日間の「資格者養成講座(合計約10時間)」や「試験対策講座(2〜2時間半)」を実施しているため、それに参加することも可能です。

参照:一般社団法人日本経営調査士協会資格試験認定委員会「一般社団法人日本経営調査士協会 試験公告|実施要綱」
参照:一般社団法人日本経営調査士協会資格試験認定委員会「第33回IPO・内部統制実務士/資格者養成講座<予告>」
参照:一般社団法人日本経営調査士協会資格試験認定委員会「第33回<標準資格>IPO・内部統制実務士 試験対策講座|協会主催講座/「講習会場」受講 & 「Web配信」受講 の御案内」
参照:一般社団法人日本経営調査士協会資格試験認定委員会「IPO・内部統制実務士通信教育講座<2023年度下期>ご案内」

IPO・内部統制実務士に関連する資格

IPO・内部統制実務士以外にも、IPOや内部統制に関する資格があります。どのような資格があるか気になる人もいるでしょう。

ここでは、IPOに関しての高い専門的知識を問われる「IPO実務検定試験」と内部監査人の国際資格である「CIA」について解説します。IPOや内部統制に関しての資格取得を検討している人は参考にしてください。

IPO実務検定試験

IPO実務検定試験は、上場準備に関する専門知識や上場準備を企業内部から支えられる人材を育成するのが目的です。

試験には標準レベル試験と上級レベル試験があり、どちらも合格ラインは70%となっています。公式テキストと公式問題集を使って勉強すると、合格ラインに達することができるでしょう。

標準レベル試験は全て選択式で60問です。一方、上級レベル試験は、選択式60問と記述式3問となっています。試験はCBT方式で行われ、全国にある試験センターで自分の都合の良い日に受験できます。

参照:日本IPO実務検定協会「IPO実務検定試験の特長」
参照:日本IPO実務検定協会「試験概要|試験要領」

CIA(公認内部監査人)

CIA(公認内部監査人)は、内部監査人としての唯一の国際的な資格です。内部監査能力の証明と能力向上を目的に実施されています。世界190の国と地域で試験が行われており、日本でも受験できます。また、国際的な資格ですが、日本語で受験できる試験です。

受験条件として4年制大学卒業、そうでない場合は最低5年の実務経験が必要になります。また、資格認定条件として学部卒の場合2年、大学院了の場合1年以上の実務経験が必要です。そのため、働きながら受験する人が多く見られます。

一般的に必要な学習時間は300〜500時間といわれています。

試験は「内部監査の基礎」「内部監査の実務」「内部監査に関連する知識」の3つのパートで構成されています。一度に受験せず、1パートずつ受験することも可能です。パート合格には、受験登録を起点として3年間の有効期間がある点は把握しておきましょう。

関連記事:アビタス CIA「公認内部監査人は独学で合格できる? 独学とスクールのメリットを解説」

参照:一般社団法人日本内部監査協会「認定資格受験者ハンドブック|公認内部監査人(CIA)認定要件p.26」

IPO・内部統制実務士はIPOに役立つ資格

IPO・内部統制実務士は、これから上場する企業でIPOを担当する際に役立つ資格です。必要な勉強時間はおよそ12~25時間程度と短めです。合格率も70~80%と高いため、業務上必要だと感じる人は取得を検討してみましょう。

また、上場準備に携わりたいと考えるのであれば「IPO実務検定試験」もおすすめです。

IPOに限らず内部監査に関する代表的な資格としては、CIAがあります。CIAは内部監査人としての国際資格であり、取得することでそのスキルを証明できます。

IPOや内部統制に関わる資格として、CIAの取得も検討しましょう。

CIA(公認内部監査人)を目指すならアビタス

アビタスでは2005年にCIAプログラムを開講して以来、圧倒的な合格実績を挙げ続けています。合格率を上げるために、オリジナル教材と講師の質の良さが自慢です。

講師は対法人向けの内部監査の実務研修も行っており、専門分野の知識だけでなく、ティーチングスキルにも優れているのが魅力です。

また通学・通信を併用できるコースや、スキマ時間で勉強できるコンテンツなども揃えており、忙しい社会人でも効率よく学習できる環境が整っています。

CIAをはじめとする内部監査に関連する資格取得を目指している方は、ぜひアビタスの利用を検討してみてください。

まずは無料の説明会にご参加ください。

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