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内部統制とガバナンスは、どちらも企業活動を健全に遂行することを目的としており、不祥事の防止や適切な情報開示など、どちらも健全な企業運営に不可欠なものです。
内部統制とガバナンスは両輪で走らせることが大切ですが、その内容については区別して理解しておく必要があります。
本記事では、内部統制とガバナンスの概要や違い、目的、強化方法について分かりやすく解説します。
目次
内部統制とは
ガバナンスとは
内部統制とガバナンスの違い
内部統制を強化する方法
ガバナンスを強化する方法
内部統制・ガバナンスの強化に役立つ資格
内部統制とガバナンスは深い関係性を持つ
内部統制とは、企業における不祥事のリスクを抑えつつ、健全かつ効率的に事業を運用するために社内ルールや仕組み、社内の管理体制を整備することです。企業の不正行為や不祥事を防止するためにも、内部統制は必要だといわれています。
なお、金融庁企業会計審議会が定義する「内部統制」は以下の通りです。
❝内部統制とは、基本的に、業務の有効性及び効率性、報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守並びに資産の保全の4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内の全ての者によって遂行されるプロセスをいい、統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング(監視活動)及びIT(情報技術)への対応の6つの基本的要素から構成される。❞
引用:金融庁企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」
※金融庁では内部統制の実施基準の改訂を発表しており、2024年4月以降の適用実施を予定しています
内部統制の目的について、金融庁では以下の4つを定めています。
これらの4つの目的は独立したものであるものの、他の目的を達成するための内部統制と共通の体制になるケースや互いに補完し合うケースもあります。
また、4つの目的がすべて実現されることで内部統制が成立するともいわれており、内部統制を理解する上ではこの4つは必ずおさえておくべき要素となります。
参照:金融庁企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」
ガバナンスとは、企業価値の向上や不祥事の抑止を目的として、社外取締役や社外監査役など組織外の管理者が経営を監視する仕組みです。
コーポレートガバナンス(企業統治)ともいいます。
ガバナンスを強化することで、資金流用や情報漏洩などの不正行為を防止する体制を構築することができます。さらに、従業員や株主・顧客、地域社会などからの信頼を高める効果も期待できるでしょう。
万が一不正行為が行われた場合でも、社内の人材が早期に不正行為を発見し、内部告発などにつなげることが可能です。
関連記事:アビタス CIA「ガバナンスとはどういう意味? コンプライアンスとの違いや取り組み方法も紹介」
ガバナンスには大きく2つの目的があります。
企業の不正や不祥事は、社会的信用にも大きな影響を及ぼします。ガバナンスを強化することで経営の透明性が生まれ、結果として不正行為などの防止にもつながります。また、リスクマネジメントや財務状況といった情報を管理、把握する上でもガバナンスは重要な役割を担っています。
また、中長期的な企業価値の向上を図ることも企業には求められます。
ガバナンスに取り組む中で、ステークホルダーに対して正確な情報を提供することは、信頼関係の構築にもつながります。銀行や投資家からの信頼を得ることができれば、新たな出資につながる可能性もあります。
結果として、ガバナンスの強化が企業の持続的な成長や企業価値の向上にも影響を与えるともいえるでしょう。
ガバナンスに関する詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。
関連記事:アビタス CIA「ガバナンスとはどういう意味? コンプライアンスとの違いや取り組み方法も紹介」
内部統制もガバナンスも、健全な経営を行うための取り組みという点では同じです。しかし、両者の違いは取り組みを実施するのが社内の人材であるか社外の人材であるかです。
両者の違いを表にまとめると、次の通りです。
内部統制 | ガバナンス | |
---|---|---|
取り組みの概要 | 従業員の不正などを防止・管理するための仕組み | 経営者の不正などを外部から管理・監視するための仕組み |
取り組みの主体者 | 経営者や社内取締役 | 株主や取締役会など |
取り組みの対象者 | 従業員 | 経営者 |
内部統制とガバナンスをそれぞれで強化していくことで、企業経営の透明性向上が期待できます。
内部統制を強化するための方法として、まずは金融庁が定義する内部統制を構成する基本的要素を理解することをおすすめします。
内部統制の6つの基本的要素は次の通りです。
各項目の詳細については、金融庁の「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」を参考にするとよいでしょう。
ただし、内部統制の強化や運用の方法は事業の特性や環境、社会の情勢などによっても異なるもので、一律的に示すことができるものではありません。また、組織や環境が変化していく中で見直されるべきものでもあります。
その際は、これらの基本的要素をおさえつつ見直しを進めていくことが求められます。
参照:金融庁企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」
ガバナンスを強化するために注力したい取り組みは次の5つです。
取り組み | 具体的な内容 |
---|---|
社外取締役・監査役の設置 | ・社内の人材ではなく社外取締役、社外監査役など社外の管理者によって経営を監視する体制を整備する |
内部統制の整備 | ・リスクマネジメントやコンプライアンス対策などが有効的に機能するように、内部統制の体制を整備する ・想定されるリスクの洗い出し、防止、軽減に努める |
内部監査の実施 | ・独立した立場から経営状況の検討や評価を行い、経営に対するアドバイスを実施する ・内部監査により内部統制の課題を洗い出し、改善に努める |
情報開示の強化 | ・決算書や決算公告、経営の方向性、取り組み内容などを公開することで、社会的信頼が得られ、企業価値の向上につながる |
社内への認知拡大と認識共有 | ・目的達成のためには、経営層のみではなく、従業員がガバナンスへの取り組みの趣旨を理解し協力するようになることが大切 ・社内に対し、ガバナンス強化の目的や取り組みを説明し、認識を共有する |
ガバナンスが有効的に機能していない企業では、社内における不正行為が行われる可能性が高いといえます。
この5つの取り組みでガバナンスを強化し、リスクの防止・軽減に努め、社会的信頼を高めることができれば、企業価値の向上や透明性の確保につながるでしょう。
内部統制もガバナンスも健全に企業活動を遂行することを目的としています。そのため、内部統制の強化が結果的にガバナンスにつながるケースもあります。
内部統制を強化し、不正行為や違反を抑制できれば、ガバナンスの目的である、適切な情報開示と透明性の確保にも寄与するといわれています。
内部統制を適切に実施することで、従業員全員がコンプライアンスを遵守した上で業務に取り組んでいるかどうかも把握することが可能です。
内部統制やガバナンスに役立つ資格に、CIA(公認内部監査人)があります。
CIAとは内部監査人としてのスキルを証明できる国際的な資格です。世界の約190の国と地域で認定試験を実施しており、世界的にも認知度の高い資格です。
内部監査とは、企業の経営目標の達成に向けて、リスクマネジメントやガバナンスプロセスの観点から業務遂行の状況や組織体制を評価し、適切なアドバイスを実施する業務です。
内部統制やガバナンスにおいてもCIAによる内部監査が必要な場面があるため、企業活動の健全性を保つためにもCIAの有用性は高いといえます。
内部統制とガバナンスは両者ともに健全な企業活動を遂行するために必要な取り組みです。
内部統制の強化は不正行為や違反の抑止につながり、結果的にガバナンスの目的である適切な情報開示と透明性の確保に寄与します。
また、ガバナンスの強化によって、経営における透明性の確保や企業価値の向上につながります。それによって、社会的な信頼度を高めることが可能です。
内部統制とガバナンスを強化することは、企業を存続させるために必要不可欠な取り組みといえるでしょう。
アビタスでは2005年にCIAプログラムを開講して以来、圧倒的な合格実績を挙げ続けています。合格率を上げるために、オリジナル教材と講師の質の良さを保っています。
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