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監査役は、会社における取締役の業務執行状況や組織の健全性を監督・監査する役職です。
経営陣からは独立した立場であることが法律で義務付けられており、取締役が法令等を遵守し、職務を適正に執行をしているかを監視する役割を担います。
企業経営の健全性、公正性、透明性を高め、企業価値の向上に寄与します。そして、株主の利益を守るために必要な存在です。
本記事では、監査役の定義や役割、必要性などについて詳しく解説します。
目次
監査役とは? その定義と業務
監査役の設置が必要な会社
監査役の権限や義務
監査役に適している職務経験
監査役の役割や権限を理解しよう
監査役は、取締役の職務執行を監視する役割を担い、企業経営の透明性や健全性を高めます。株主の利益を守り、社会からの信頼を確保するために重要な存在といえるでしょう。
適切に監査を行うためには、経営陣から独立した立場であることが必要です。ここでは、監査役について以下の2点を解説していきます。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
監査役とは、会社法に基づいて設置され、取締役の業務執行状況や組織の健全性を監督・監査する役職です。
必要に応じ、是正措置などの提案を行うこともあります。株主をはじめとしたステークホルダーの利益を守る立場といえるでしょう。
監査対象は、財務報告だけでなく、業務プロセスや内部統制など多岐にわたります。
監査役は株主総会の決議によって選任される、会社の役員です。その役割を果たすためには、経営陣からの独立性が確保されなければなりません。
参照:e-GOV「会社法|第二編 株式会社|第四章 機関|第七節 監査役」
監査役の役割は企業の透明性を高め、ステークホルダーの利益を保護することにあります。
監査の種類は、大きく分けて次の2つです。
会計監査では、財務諸表が会計基準に従って適正に作成されているか、財務状況を適切に反映しているかを評価・検証します。財務諸表に不正や重大な誤りがないことを確認し、財務報告の正確性と信頼性を支持するものです。企業の透明性を高めるために、大切な役割といえるでしょう。
業務監査は、取締役の職務の執行が法令や定款に違反していないかどうかの監査であり、適法性監査とも呼ばれます。
会社法によると、監査役の設置義務がある会社についての一般的な規定は次の通りです。
取締役会を設置している会社、株式の譲渡制限のない公開会社、資本金が5億円以上もしくは負債の合計額が200億円以上の大会社は、原則として監査役の設置義務があります。
しかし、それと同時に様々な例外があるため注意が必要です。例えば、上記の条件を満たしていても、監査等委員会を設置した会社は監査役を置くことはできません。なぜなら、監査等委員会と監査役との職務権限の重複を避けるためです。
また、非公開会社の場合、特定の条件を満たした場合のみ監査役の設置が義務付けられます。特に小規模な非公開会社では、監査役の設置は一般的に任意です。
参照:e-GOV「会社法|第二編 株式会社|第四章 機関|第二節 株主総会以外の機関の設置」
通常、監査役は会計監査だけでなく業務監査も実施する必要があります。しかし、規模の小さな会社などでは、監査役を設置する負担が大きいケースも少なくありません。
そのため、一定の条件を満たす中小企業の非公開会社などでは、監査役の役割を会計監査のみに限定できる特則があります。
この監査役のことを通常の監査役と区別するため「会計監査限定監査役」と呼びます。なお、この特例を利用するためには、定款での定めが必要です。
監査役の職務は監査です。取締役の職務の執行の監査および会計書類等の監査という職務を全うできるよう、会社法上で強い権限が与えられています。
例えば、いつでも調査を行うことができる調査権限、必要に応じて取締役会を招集する権限などです。
監査役は、職務を全うするために独立性が欠かせません。これは、監査役が2人以上いる場合でも同様です。複数の監査役は、それぞれに独立して権限を行使できます。一方で、監査役には義務もあります。監査報告義務、取締役会への出席義務などが該当します。
ここでは、監査役の権限と義務について解説していきます。
参照:e-GOV「会社法|第二編 株式会社|第四章 機関|第七節 監査役」
監査役の主な権限・権利は次の通りです。
権限・権利 | 詳細 |
---|---|
調査権 | 業務全般および財産に関して調査する権利 |
報告権 | 調査結果や監査の意見を報告する権利 |
取締役会の出席権 | 取締役会に出席する権利 |
株主総会での発言権 | 株主総会で発言し、監査報告を行う権利 |
取締役の行為の差止め請求権 | 取締役の行為が違法、または会社に不当な損害を与えるおそれがある場合、その行為を差し止めることができる |
取締役会の招集権限 | 会社の業務や財政状況に関して重大な問題を発見した場合、取締役に対して取締役会の招集を請求できる |
経費の請求 | 監査業務に必要な経費の支払いを請求できる |
監査役は、このような権限や権利を駆使して、企業経営の健全性、公正性、透明性を守るために職務を遂行します。
上で紹介したように、監査役は職務を遂行する上で、多くの権利を有します。それに伴い、監査役は重要な責任も伴います。
ここでは、監査役が負う主な義務について見ていきましょう。
義務 | 詳細 |
---|---|
監査報告の作成義務 | 財務諸表や業務の進行状況に関して監査を行い、結果をまとめて報告書として作成する義務 |
取締役会の出席義務 | 取締役会への出席は義務であり、必要に応じて取締役会内で発言する。なお、監査役は取締役会における議決権の行使は認められていない |
報告義務 | 取締役会および株主総会において、監査活動の結果を報告する義務 |
ここで紹介した3つの義務は、同時に監査役の権利でもあります。
監査役はこれらの義務および権利を駆使して、ステークホルダーの利益を守るという重要な役割を担っているのです。
監査役に選任されるための必須の資格はありません。一定の条件を満たしていれば、原則として自由に選ぶことが可能です。
しかし、企業の財務諸表や業務運営の適正性を監査するためには、専門性の高い知識やスキルが求められます。
監査役に適した資格や職務として次のものがあります。
詳しく見ていきましょう。
公認会計士は企業の監査業務ができる唯一の国家資格です。財務情報の信頼性を保証する監査・会計のスペシャリストといえます。
公認会計士の資格取得者は、財務諸表の監査、会計基準の適用、財務分析に関する深い専門知識を有しています。監査の知識を活かし、粉飾決算をはじめとした不正会計を未然に防ぐことができるでしょう。
また、実務で培った財務分析のスキルで、企業の財務健全性と透明性を確保することが期待できます。
弁護士は法律に関するスペシャリストです。法令遵守や違法行為防止の観点から、弁護士を監査役として迎え入れる企業も多く見られます。
豊富な法律知識があるため、企業のリスク管理やコンプライアンス強化が期待できます。法的観点からの問題解決能力も高く、企業経営の健全性につながるでしょう。
なお、顧問弁護士を監査役として迎え入れることは違法ではありません。ただし、弁護士が会社の使用人(従業員)である場合は、監査役になることは法律で禁じられています。
内部監査人として内部監査の経験がある人も監査役に適しています。
業務効率化や不正防止などを目的とした内部監査を行う中で、業務プロセスの理解、リスク評価のノウハウ、コンプライアンス監視の技術などを培うことができるためです。
内部監査人は、法律や会計の知識も持ち合わせています。内部監査人としての経験を活かし監査を行うことで、企業の透明性や健全性の確保、経営の質の向上につなげることができるでしょう。
関連ページ:アビタスCIA「公認内部監査人(CIA)とは?取得するメリット、他資格比較」
監査役は、取締役の職務執行を監視する役割を担います。会計および業務の監査を行います。
企業経営の透明性を高め、株主の利益を守り、社会からの信頼を確保するために重要な存在です。職務を効果的に遂行するために独立した立場であることが求められます。
会計および業務について監査を実施し、取締役会と株主総会で監査報告を行うのが主な職務です。これは、監査役の権限であり義務です。
監査役に選任されるための必須の資格はありません。しかし、専門性の高い知識やスキルが求められる役割です。そのため、公認会計士・弁護士・内部監査人の職務経験者などは監査役に適しているといえるでしょう。
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