2005年に、EU域内の上場企業の連結財務諸表に対しての強制適用を契機に、2008年のG20による「単一で高品質な国際基準を策定する」ことが目標に掲げられてから、IFRSは世界で急速に普及しました。現在140法域以上でIFRSが採用されています。採用の方法は、強制適用、任意適用、自国会計基準とIFRSとの差異をなくすコンバージェンス（収斂）、自国会計基準策定の際にIFRSを取り込んでいくなどさまざまです。世界の会計制度は、IFRSの影響を強く受けて運用されています。IFRS財団によると、2018年には144法域（Jurisdiction）にてIFRSが強制適用され、アフリカでも2019年から17カ国がIFRSを適用しています。

日本でも、上場企業の時価総額ベースで約半分がIFRSを導入・導入予定であり、大手企業を中心にその重要性は高まる一方です。また、欧州やアジアをはじめとする世界の多くの国や地域でも、IFRSの採用が加速しており、「世界の会計基準」としての地位を確立しています。
実際に2027年4月から義務付けられる「新リース会計基準（企業会計基準委員会（ASBJ）が24年9月に公表した企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」）への移行」はIFRS16号と同じ内容になります。
このことから分かるように、今後ますます日本基準の国際基準化が進むことが予測できます。

関連情報：IFRS検定とは

IFRSは単なる会計ルールではなく、世界の経営者や投資家が意思決定に用いる共通言語です。
日本でも導入が進んでいるIFRS（国際財務報告基準）は、ますますグローバルビジネスの共通言語となっていきます。

IFRS検定（IFRS Certificate、日本語名：IFRS検定（国際会計基準検定）試験）は、ロンドンに本拠地を置くICAEW（イングランド・ウェールズ勅許会計士協会）が運営する国際的な検定試験です。この検定は、IFRSに関する知識が国際的な水準を満たしていることの客観的な証明となり、市場価値を飛躍的に高めます。
会計業務のAI化が進んでも、基準を読み解き、複雑な取引を適切に処理する「解釈と判断」の力は、引き続き人間に求められる高度なスキルです。IFRS検定は、その体系的な知識を証明するパスポートとなり、あなたのキャリアに確実な投資となるでしょう。

IFRS検定の学習を通じて、IFRSの主要な基準や考え方を体系的に習得できます。これにより、海外子会社の連結決算やIFRSへの移行プロジェクトなど、高度な実務に自信を持って取り組めるという実務直結のメリットが得られます。単なる簿記の知識を超えた、国際的な視点での会計思考が身につきます。

国際会計基準の学習は、通常、英語の基準書を読み解くことが求められ、日本人にとっては大きなハードルとなります。しかし、IFRS検定は日本語で体系的に学べるため、効率的にIFRSの知識を習得する近道となります。
IFRS検定の学習で身につけた知識は、将来的には英語でのコミュニケーションや実務へとスムーズに移行するための土台となります。海外の取引先とのやり取り、海外子会社との連携など、グローバルな会計実務において、自信をもって業務に活かすことができ、結果的にはキャリアを広げるための確かな一歩となります。