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IFRS実務者インタビュー

【vol.9】IFRSの専門性が、キャリアを切り開く武器になる。

仁科 真乃介さん
エネルギー会社 経理・財務部門

  • TOEIC:795点
  • 公認会計士
  • 経理財務経験:有
  • 監査・内部監査経験:有

IFRSの専門性が、キャリアを切り開く武器になる。

監査法人でIFRS監査の経験を積み、社内資格も取得していた仁科様が、あえてIFRS検定に挑戦した背景には、「実務経験だけでは伝わらない専門性を、明示的に証明したい」という想いがありました。転職活動や事業会社での業務を通じ、IFRS検定の価値と学習効果を実感された今、制度変化の先を読む知識の重要性や、IFRSが日本基準へ与える影響、そして“全体像をつかむ”ことの意義について語っていただきました。

記事内容はインタビュー当時のもので現在は異なる場合があります。予めご了承ください。

ーIFRSを学ぼうと思ったきっかけを教えてください。

IFRS講座を申し込みする数年前から、監査法人で監査をしていました。社内資格はある程度持っていて実務経験もあったのですが、対外的にIFRSができることを示せるものはなくて。IFRSを導入されるクライアントを持っていたタイミングで、対外的にも示せるような形を作ろうと思い、IFRS検定を受けることにしました。

ーIFRSの社内資格のようなものは既に持っていらっしゃったと。

そうです。IFRSエンゲージメントの監査をするには、社内でのIFRS資格を取得する必要がありました。他の監査法人もそれぞれあるのかなと思っているのですが。
かなりの数の講義を受けて、試験も結構難しい問題が出た記憶があります。大変だったのですが、社内資格なので、辞めたら何もなくなってしまうなという思いもありました。

ーIFRSを取得して、業務やキャリアアップに役立った場面はありますか?

キャリアで言うと転職をしました。転職活動を通して感じたのは、IFRS検定に対する評価の高さです。IFRSを導入している企業が増えてきているので、IFRS検定を書いていると「おっ」と思ってもらえると思います。
今の事業会社もIFRSを導入しているので、業務にも役立っています。監査法人にいたときは監査法人内のマテリアルがあったのですが、少し専門的すぎて分かりづらい部分もあって。でも分からないと聞くのも少し恥ずかしいなと思っていたのですが、その点、アビタスのテキストは受験向けに分かりやすくまとまっていてとてもよかったです。IFRSは金融商品の部分がややこしいのですが、そこもフローチャート等を使って分かりやすく説明されていました。

ーIFRSの学習を通して得たことやメリットなど教えください。

会計関連の仕事をしていく上で、IFRSを学んでおくと、この先の日本の会計基準の未来が見えると思っています。日本基準の方で最近新リース会計基準が導入されたり、2、3年前に新収益認識基準が導入されたり、金融商品の会計基準も変わったりしていて。これら昨今の日本基準の改定は、ほとんどでIFRSが先に変わり、その数年後に日本基準も変わっているという風に思っているんです。ですから、IFRSで先に学んでそれを実務で経験するというのは、数年後に日本基準で起こる変化が見えていることになるので、日本からすると最先端の会計基準を知れるのがメリットだと思います。
こうなってくると、IFRSが役立つというか、もはや海外展開をしている会社で経理をするのであれば必要不可欠な要素なのではないかと思います。

ーIFRSに基準がどんどん寄ってきているというようなイメージなのでしょうか?

そうですね。リース会計基準が2027年から導入されるのですが、IFRS16が数年前に導入されて、そのときに検討したことをまた日本基準でやっている単体のグループが再度検討している形なのかなと。そういうときに、IFRSでこういうことをやったよという助言もあるでしょうし、やはり先を進んでいるのはIFRSだと思います。

ーIFRS検定に合格してよかったことはありますか?

転職に役立つというメリットについてはお話しさせていただきましたが、IFRSを導入している会社内でもIFRS検定まで取っている人はなかなかいません。日本の事業会社は人事慣行的にまだ専門性が弱いなと思っていて、シャッフル的に人事されることがあるとはいえ、その中でIFRS検定を持っていたら専門知識として評価してもらえると思います。経理の中でも営業畑の人や経理をやっている人など幅がありますが、IFRSの専門性をもっていることがキャリアをアピールすることにもつながると思います。

ー社内であってもIFRS検定を取ることによって希望部署に行けたり、年収が上がったりと、キャリアアップにつながるイメージをお持ちですか?

はい、あると思います。日本の人事異動はなかなか希望が叶いにくい…希望が通る部分ももちろんあるけれど、なかなか当てはまらないこともあると思います。そういうときに「IFRS検定を取りたいんです」「IFRS検定を持っているから海外に行きたいです」と言えれば、希望が叶いやすくなるのかなと。監査法人にいたときも、IFRSの知識があるから海外に行かせてくださいといった交渉をしたという話を聞きました。ですから、海外にも強いぞというアピールに使えると思います。

ーIFRSの学習でアビタスを選んだ理由をお教えください。

2点あります。1つ目はブランド力があるところ。アビタスさんはUSCPAの資格等でもシェアを占めておられるので、知名度やブランド力があるのかなと思いました。
2つ目は試験へのアクセスの良さです。試験会社にもなっているので、ここで勉強していけば試験に繋がりやすい、IFRS検定合格にも繋がりやすいのかなと思いました。
私の場合は当時既に業務に関わっていたのですが、業務ありきだと金融商品や収益など、部分的な理解になってしまって。試験合格と共に、IFRSの全体像をつかみたいという気持ちがありました。そして、この目的は達成できたと思っています。
あとは、業務ではなかなか触れることのない農業会計などの部分にも触れられたので、全体的かつ体系的にIFRSに関する知識を身に付けられたと思います。

ー部分的な理解ではなく、体系的に学ばれたいと思った理由はありますか?

そうですね。地図がないなかでひとつひとつ業務として潰していくよりも、全体を知っておいた方がいいかなと思いました。自分の中で、IFRSがキャリアとして生きるんじゃないかという仮説があったことも大きいです。IFRSに関して、対外的に専門性をアピールしていきたい中で、業務外の部分に関する知識もないとなと。IFRSを知っていますと言いながら、農業会計の話になったら言葉に詰まるのはよくないですよね。IFRSのプロを名乗る上である程度の専門性はあってもいいと思いますが、少なくともIFRSの全体像をつかんだ上でプロフェッショナルを名乗れるかなとも思ったので。こういった理由で、IFRSを体系的に学びたくなりました。

ーアビタスの講座の中で、教材のここが良かった、ここを改善してほしいという部分はありましたでしょうか?

良かったところは、英語と日本語が併記されていたところです。インターネットでIFRSの情報を収集しようと思うと英語が多いので、難しい部分が分からないことがあったのですが、アビタスの教材は日本語も併記されているのが良かったです。こういう意味なんだと分かるのはもちろん、英語の方も同時に確認できるので、後でIFRSの原文に戻ったときも読みやすくなりました。原文を読みやすくなるというのは、テキストの作りとしていいものだと思います。
MCカードも使い勝手が良かったですね。私のときは紙が中心でしたが、今はアプリにもなっているのでしょうか?MCカードのような仕組みがアプリ化されたら、もっといいかもしれないですね。
あとは金融商品。IFRSって、レベル1レベル2レベル3ですとか、OCIを通るものとか、FVOCIとかFVTPLなどの概念があって実務では難しい論点なんですが、それがまとまったフローチャートは素晴らしいものでした。あれは、お客さんから「この金融商品どうやってIFRS上検討するんだっけ」という相談を受けたときにテキストを持ってきて、こうだったなっていうのを思ったこともありましたね。あの部分がまとまっているものが世の中に中々ないので、分かりやすくて良かったです。
改善してほしい点としては、MCカードの中でも、試験に出やすいところと出にくいところがあったような気がします。全体をまんべんなく勉強したいというニーズもありますが、一旦IFRS検定合格しておきたいというニーズもあると思うので、授業の順番などが検定に基づいた優先順位順になっていてもいいかもしれませんね。今は優先順位がIFRS基準順になっているのでしょうか?はっきりは分かりませんが、実務や検定に基づいた順位ではないような感じがしたので。IFRS検定に合格するための優先順位順になっていたら試験合格も早いですし、実務との結びつきも強くなるのかなと思います。授業の長さも今はどの論点も同じ時間均等になっていますが、緩急をつけてもいいのかなと思いますね。

ーIFRS検定に合格するまでにどのくらいの学習時間を取られましたか?

まず授業が40コマほどあるので、最低限それを見る時間は必要になります。私は倍速で見たので、1コマ1時間とすると40時間くらい。そしてMCカードを解く時間。試験に合格するためにはMCカードが一番大事だと思うんですよね。MCカードも授業を受けるのと同じくらいの時間がかかると思います。ですから、1回転に40時間。これを最低2回転、多分3回転くらいはした方がいいので、120~200時間くらいでしょうか。期間にすると大体3か月くらいのイメージになります。
また私は公認会計士の資格を持っており、計算問題は解けるのですが、試験形式が少し違うので、計算以外の要素の問題があります。あの辺は多分、日本基準だけでは分からないと思います。簿記ともまた性質が違う試験だと思った方がいいかもしれません。計算問題は有利に働くかもしれませんが、それ以外に概念に関する質問なども出るので、勉強のし直しは必要だと思います。

ー今後IFRSの知識をどのように活用していきたいか、もしくはどのようにキャリアアップしていきたいかというビジョンはお持ちでしょうか。

事業所の中で言うと、異動で海外へ行くこともあると思います。そうすると親会社への報告等でIFRSに絡む機会はありますし、決算数値がIFRSなので、もう必要不可欠ですよね。IFRSも日本基準も、やっぱり基準が変わってくるので。
あと、基準とは別に解釈指針というものもあって、基準は変わらないけど解釈を変えますというパターンもあるんですね。こういったものに追いついていく必要がある。追いついていくためには、IFRS財団が出している解釈指針をキャッチアップしなければならなくて、これをこなすためには最低限IFRS検定に受かるくらいの実力が必要かなと思います。引き続き、基準の変化にも対応できるような知識を身に付けてきたいと思っています。

ーこれからIFRSを勉強しようと検討されている方向けに何かアドバイスやメッセージをお願いできますでしょうか。

一般事業会社でたまたまIFRSに配属されたという方が多いのかなと思いますが、IFRSで学んだことは何年後かの日本基準で訪れることです。きっとその道は間違っていないので、最先端の会計基準を学んでいるんだということをモチベーションに頑張っていただきたいです。
監査法人の会計士でしたら、IFRSは必要不可欠な知識になります。入社3年目に終了考査という最終試験があって、通らないと公認会計士を名乗れないというものなのですが、それに最近IFRSが出たりするんです。厳しいバージョンかもしれませんが、IFRSを知っていないと考査に受からないので、頑張ってください。