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IFRS実務者インタビュー

【vol.6】インバウンドの対応に向け、監査人として国際会計に備えておく必要があった。

M さん
大手百貨店

  • CIA(公認内部監査人)
  • CFE(公認不正検査士)
  • 監査・内部監査経験:有

インバウンドの対応に向け、監査人として国際会計に備えておく必要があった。

大手百貨店での販売、海外駐在、広報・IRを経て、現在は内部監査室で業務監査を担当するMさん。経理経験ゼロからIFRS検定に挑戦し、国際会計の知識を手に入れた背景には、「将来の備え」と「視野を広げるための自己投資」という明確な意図がありました。海外展開を見据えた監査対応や、社内の希少人材としての価値向上をどう実現したのか、そして資格取得後に見えてきたものとは?内部監査人や経理担当者がこれからIFRSを学ぶ意義、実践に裏打ちされたメッセージが詰まったインタビューです。

記事内容はインタビュー当時のもので現在は異なる場合があります。予めご了承ください。

ーまずはご経歴をお教えください。

1988年に大手百貨店に入社し、現場で紳士服、 婦人服、 雑貨部門の販売を経験しました。国内での出向の後、海外駐在を経て2006年に帰国し国内で広報・IR担当を経て 、2014年に今の内部監査室に異動となりました。これまでの経験から、各部署の人材、人のつながりを始め、どの会社がどんな仕事をしているかの知識があり、それを生かしながらできる仕事ということで、監査の世界に入った感じですね。
監査では最初、J-SOXを担当していました。J-SOXと業務監査を平行してやっているような感じだったのですが、2019年にJ-SOXと業務監査を分け、私は業務監査をメインでやるようになりました。

ー内部監査室在籍中にIFRSを取得されたのですか?

そうです。さまざまなグループ会社がある中で必然的に、弊社もいつかは国際会計への対応が必要になるだろう、備えておく必要があるだろうと考えるようになりました。私自身経理の経験はありませんでしたが、IFRSで得られる会計の体系的知識や概念を知っておいた方がよいと思い、学習を始めました。

ーIFRSを学習するツールとして、アビタスのIFRS講座を選んだ理由は何ですか?

教材や資料などの情報がそろっている点、また会社から通いやすいという点が大きかったです。実際、テキストは非常に分かりやすかったです。
今アビタスでUSCPAを学習しているのですが、特にFAR(財務会計)科目の部分でIFRSとのつながりがある部分もあり、FARのテキストを読んでいてもわからない時はIFRSのテキストを見返したりしています。テキストとMC問題集の両方を使いながら理解を深められるところが、非常に魅力的だと感じています。

ーIFRSを学ぶ前と学んだ後での変化はありましたか?

これは弊社に限った話ではありませんが、大きな戦略のひとつとして、海外の顧客、いわゆるインバウントからの売り上げをどう作っていくかというものがあります。
海外とのやり取りが増加した際に、現状の弊社の体制、監査の体制だけだと見きれなくなる可能性を感じています。実際に起こってから対応するのでは遅いので、視野を広げる意味でもIFRSに取り組みました。
予防、備えといった視点で見ると、大手アパレル企業なんかはいち早くやられていると思います。また、どちらかと言うと原材料の仕入れが影響するメーカーさんの方が、動きが早いんじゃないかと思いますね。

ー学習のコツや、こうしたらうまくいったみたいなポイントはありますか?

私はMCカードを活用しました。カードタイプなのでそこでバラバラにして、自分でリングを通して使用しました。気づいたことのメモを付記したり、貼ったりして使っていました。

ーこれからIFRSを学習する方へアドバイスをいただけますでしょうか?

今、経理の人材が少なくなっているのではないかと感じています。関連会社へ行ったり同僚と話したりしているなかで話題になるんです。
会計の勉強をされている方は会計事務所に入られることが多いですし、コンサルタントになられる方も多いので、実情として会社の中で経理をする人があまりいないと感じています。こういった理由から、経理の人が足りないという声を聞く機会がものすごく多いですね。
だからこそ経理として入ると一人で何役もこなさなければならなかったり、逆に言うと一人で何役もこなせるような人はヘッドハンティングされてしまったり。社内での育成もままならない、引く手あまたといった感じで、経理の人材がとても求められていると感じます。IFRSを含めたこれからの国際会計基準などの知識を持っていれば、さらに強みになるんじゃないかなと思っています。
これまでは、入社後に経理に配属されて、そこから経理のイロハを学び、下から叩き上げていくのが一般的なルートだったと思います。そもそも若い人が少なくなっていますし、あと数年で定年を迎えるような我々の世代が注目されていて、歳をとってからでも別会社に引き抜かれるケースが増えています。経理の知識を持っている人はものすごく貴重になってきていますから、既に経理をされている方であれば自分の知識を増やすメリットが、今は経理以外の業務をされている方であれば会計の知識を使って社内でできる仕事を増やせるというメリットが、それぞれありますよね。海外とのやり取りが多ければ多いほど会計の知識が必要になりますから、そういう業界では特に大事なスキルになるのではないでしょうか。わたし自身も会計の知識によって自分の視野が広がり、これまで見えなかったものが見えるようになったので、キャリアプランの中でかなりアリなんじゃないかなと思っています。
資格取得を通じて得た知識は一つの会社に縛られないと思いますし、 賃上げや労働環境のことも含め、今本当に自分の力で何かしなければという人が増えていますよね。こういったときのカードとして、財務会計の知識はすごく大事な武器になるんじゃないかなと思います。
これからは歳に関係なく働くにはどうしたらいいんだろうと考える必要があります。こういった点からも、IFRSを始め、知識を蓄えておく ことが役に立つのではないかなと。私自身もさらにUSCPAの勉強を始めていますし、タイミングがきたときに自分自身で働く場所を選んでいけるようにしていきたいですね。自分のキャリアプランのレベルアップ方法として、アビタスさんの提供してくださるプログラムは非常にいいんじゃないかなと思っています。