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  • 2021/08/31更新

世界でIFRS(国際会計基準)を適用している国は?

最近、日本の時価総額TOP3に含まれる企業もIFRS(国際会計基準)への移行方針を発表するなど、ますます勢いを見せているIFRS。世界の動向や日本の適用状況を見ていきましょう。

 目次

✓世界のIFRS適用状況は?
✓米国の適用状況は?
✓日本のIFRS適用状況は?
IFRS導入による影響は?
IFRS導入に備えて何を学ぶべきか?

世界のIFRS適用状況は?

2018年のIFRS財団の調査によれば、調査対象166か国中144か国がIFRSを要求(require)し、12か国がIFRSを容認(permit)しています。また、9か国が自国の会計基準としてIFRSをすでに取り入れ、または取り入れようとしているとともに、残り1か国が金融機関のみにIFRSを要求しています。

米国の適用状況は?

IFRSを要求または容認していない国は、米国、インド、マカオ、中国等ですが、これらの国々は、IFRSから完全に離れているわけではありません。たとえば、米国においては、国内の公開企業には米国基準(US GAAP)の適用が強制されますが、米国証券取引委員会(SEC)に登録している500社以上の外国企業について、IFRSの適用を容認しています。

一方、インドは、国内の公開企業にはIFRSを適用しておらず、公式にIFRSを適用することをコミットしていません。しかし、インド会計基準(Indian Accounting StandardsInd AS)はIFRSをベースとしており、実質的にIFRSと収斂(converge)しています。

マカオでは、国内に証券取引所が存在せず、IFRSを全面的に適用する予定はありませんが、個別のIFRS基準を継続的に選択適用する予定があります。20071月以降、すでにマカオ会計基準(Macau Accounting StandardsMASs)の中で部分的にIFRSが適用されています。

中国では、企業会計準則(Chinese Accounting Standards for Business EnterprisesASBEs)は、実質的にIFRSと収斂されています。具体的なタイムテーブルは存在しませんが、少なくとも国内企業の一部にIFRSを適用することをコミットしています。

このように考えると、IFRSはいまや世界の多くの国の会計基準に影響を与えており、グローバルな視点において、投資家が企業そして市場を選ぶ際の尺度としての会計基準となっています。

日本のIFRS適用状況は?

翻ってわが国では、2010年よりIFRSが任意適用され、現在200社以上の企業がIFRSを適用(適用決定含む)しています。IFRS適用予定企業も含めると、それらの時価総額が東証上場企業の時価総額の40%を超えています。当初は、IFRS適用企業多くが特定の業種(製薬、商社等)の大企業に集中していましたが、最近では業種・規模と問わず幅広くIFRS適用企業が増加しており、IFRSを適用して新規上場する企業も増えています。

このような背景には、スチュワードシップやコーポレートガバナンスの観点から、上場企業の経営者に対して、経営課題への取組みに関する投資家とのコミュニケーションの充実が求められていることが挙げられます。また最近では、投資家の適切な投資判断と投資家と企業との建設的な対話を促進するために、経営者による有価証券報告書の企業情報の開示の充実が求められています。

IFRS導入による影響は?

IFRSの導入によって、連結グループ全体の会計方針や決算期の統一、勘定科目体系の整備やそれに伴う内部統制の整備を通じて、より透明性や比較可能性の高い数値に基づく計画と実績の報告が可能となると考えられています。つまり、IFRSは、財務報告における世界共通の言語として、グローバルな視点から、投資家とのコミュニケーションに役に立つと考えられているのです。また、IFRSに統一された実績数値を基礎として、グループ全体のKPIKey Performance Indicator)の設定や財務会計と管理会計を一致させる財管一致の取り組みも可能になります。つまり、財務報告だけでなく、高度なグループ経営管理の基盤を整備するための取り組みとしても、IFRS導入を検討する企業が増えているのです。

IFRS導入に備えて何を学ぶべきか?

IFRS導入プロジェクトが始まると、導入計画策定や、会計・開示方針の検討、業務フロー構築やインフラ整備などが行われ、その後経理実務においてもIFRSでの開示が求められてきます。

IFRSを学ぶ方法として、IFRS基準書を読みこむのが王道かもしれませんが、英文基準書の独学は困難を極めます。短期間で効率よくIFRSの原理原則を学習いただくためには、アビタスのIFRS講座がおすすめです。

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監修

岡田 博憲
ひびき監査法人パートナー、アビタスUSCPA(米国公認会計士)、IFRS Certificate(国際会計基準検定)各プログラム講師

(おかだ・ひろのり)ひびき監査法人 代表社員 公認会計士
朝日監査法人(現有限責任あずさ監査法人)、朝日アーサーアンダーセン株式会社、新橋監査法人を経て現職。上場企業の監査、アドバイザリー業務に多数従事し、IFRSの研修も実施。
日本公認会計士協会 中小事務所等施策調査会 会計専門委員会 専門委員、日本公認会計士協会 中小企業施策調査会 中小企業会計専門委員会 専門委員、同協会 SME・SMP対応専門委員会 専門委員、IFAC(国際会計士連盟)中小事務所アドバイザリーグループ テクニカル・アドバイザー、国際会計研究学会会員。公認会計士。USCPA。

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