米国弁護士資格は、グローバルなビジネス法務におけるスタート地点です。 米国弁護士資格の有用性は、形式面と実質面に分類することができます。形式面については、資格を有することを履歴書に記載することにより、米国の法律に係る専門知識、及びその内容を英語で表現できる力を有することについて、多数の言葉を費やさず証明できることです。英語を得意とする日本の弁護士が少ない現状において、米国弁護士資格を有することは、外資系の企業や法律事務所に転職する際に大きな利点となります。
実質面については、法務実務の現場において実感できます。米国の企業と交渉する上で、米国の法律知識がなければ、相手の主張を十分に理解し、対等に交渉することはできません。英文の契約書の翻訳に際しても、関連する法律知識なくしては、適切な日本語を選択することも、日本人に正確な趣旨を伝えることもできません。また、刑事訴訟法等、日本には米国から概念を取り入れている法律があります。米国弁護士試験(Bar Exam)の学習を通じ、日本の法律知識の理解をさらに深める事ができたのは、予想外の収穫だったと思います。
Bar Exam対策において重要な点は 以下の2つになります。
一つは、問題の趣旨を即座に捉える訓練を積むこと。例えば、全州統一試験(MBE)では、200問の択一問題を6時間で回答しなければなりません。時間との戦いの中で、それぞれの問題においてどの法律のどの論点が問われているかということを瞬時に把握し、正答を選択するための問題演習の蓄積が必要になります。
もう一つは、与えられた情報から、自分なりの理論を形成すること。記述式問題では、架空の事案についての資料を読み、問題の所在を突き止め、妥当な価値判断に従った法的主張を展開することを要求されます。記述式問題においては、正解が一つということはありません。学習した知識を、ある状況に対してどう適用していくのか、ということを考える法的思考力が求められるのです。
日米の法律には、共通点も少なくありませんので、日本の法律知識、法律実務が、Bar Exam対策には有用であることは間違いありません。日本の弁護士資格を有していない方でも、継続反復した演習と、法的思考力を身につけることで、十分に合格は可能です。
米国弁護士資格は万能ではなく、あくまでグローバルなビジネス法務の世界へのスタート地点に過ぎません。しかし、そのスタート地点に立てることで、実力を発揮できる機会と可能性が大きく広がっていくと思います。



























