私が1998年夏にNew York Barを受験してから、早いものでもう12年が経とうとしています。勤務先(当時)である金融機関からの留学生として、ニューヨークのロースクールで過ごした2年間を含め、まさに刺激に満ちた毎日であり、多くの記憶が今でも鮮明に蘇ります。
Bar Exam準備にあたっては、インプットよりもアウトプットを重視しました。差が付きにくいと言われる論述問題において、私の英語力で点を稼ぐことは極めて難しく、選択式のMBEが合否を左右することに疑いはありませんでした。ご存知のとおり、MBEは100題・3時間(×2日間)の試験ですが、当初は100題を解くのに4時間半を要しました。(しかも悲惨な点数。)ロースクール修了後に与えられた3ヶ月という準備期間を考えれば、知識を体系立ててインプットしても得点に結びつくとは思えず、対策講座の受講はロースクールで未履修の課目に絞り、朝から晩までアウトプットの訓練(問題演習)に勤しみました。
演習する際は、(1)30分で17問というペースを体に刻み付けることと、(2)不正解の理由を追求し、MBEで出題されやすいポイントを重点的に押さえることを心がけました。これを毎日、愚直に続けることで、試験に直結する知識が蓄積されたのか、正解率はある時期を境に明らかに高まりました。一旦決めたことを“信じて続ける”ことが、最も難しく、大切なことでした。
1999年の帰国後は、経営企画部にてIR業務を6年近く担当した後、外資系の広報コンサルタント会社に転職しました。いずれも、海外の株主・投資家や新聞記者、クライアントや同僚達を相手に、英語を用いて仕事する業務でした。また、その間、資本調達、M&A、事業リストラクチャリングの他、株主総会や訴訟に関連した案件にも頻繁に携わりました。ニューヨーク州弁護士としての立場で関わった訳ではありませんが、ロースクールで学んだことを含め、当時の知識や経験が活きたことは間違いありません。
2007年から現勤務先に移り、今は経理・財務、人事、広報、法務、知的財産権等、幅広い範囲を担当しています。業界や仕事内容は変わっても、身に付いた法律知識や法的思考はダイレクトに効いてきますし、弁護士の方々の力を活用する上でも、自分の経験が役立っているように思います。そして何より、ロースクールに学んだ毎日と、Bar Exam合格に至るまでの努力の過程は、国内外の様々なプロフェッショナルと肩を並べて仕事する上で欠かせない、自信の拠り所の一つとなっています。
これから海外での弁護士資格試験に挑戦される皆様が、その経験を第一歩として素晴らしいキャリアを築いていかれますことを、心よりお祈りいたしております。























