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Vol.79:ネット掲示板は犯罪の温床?!警察による削除要請について(2012.5.12)
アビタス米国弁護士コース担当の坂本です。国内最大級のインターネット掲示板「2ちゃんねる」に、注目が集まっています。
警察庁の公表資料によれば、平成23年中に削除要請を受けながら放置していた
違法情報は、【5,381件】。うち【94%】にあたる【5,068件】が、
特定サイト管理者のもので、この「特定サイト管理者」が、「2ちゃんねる」です。
2ちゃんねるによる削除要請の放置は、前年比で約2.8倍に急増しており、警察庁
長官も、会見で、放置されている情報につき、「ほとんどが規制薬物の宣伝など
悪質な情報で、看過できない」「刑事責任の追及を含め必要な措置をとりたい」
と話すなど、危機感を募らせています。
以前にも、2ちゃんねるをはじめとするインターネット掲示板における、違法情報
や有害情報は問題視されてきました。
例えば、覚醒剤の購入をあおる書き込みを削除せず放置したとして、警視庁が、麻薬
特例法違反(あおり、唆し)の幇助(ほうじょ)容疑で、札幌市のコンピュータ関連
会社へ、家宅捜索に入った事例があります。
この件では、2ちゃんねる側に書き込みの削除要請を再三したものの、削除されない
状況が続いたため、令状を取得し、強制捜査に踏み込んだとされ、削除要請に応じない
場合、強制捜査につながるという前例になりました。
しかし、違法情報や有害情報をいち早く除去する手法として、削除要請と強制捜査
しかないという現状は、改善の余地があるのではないでしょうか。
ます、削除要請という手段は、あくまでも警察による【お願い】なので、
法的義務を伴いません。つまり応じるか否かは、管理人次第です。また、
法的な手続きではない削除要請では、どのような書き込みに対し、なぜ削除
要請がなされたか、警察に対する検証がされない懸念があります。
つまり、削除要請という手法には、実効性と透明性に限界があると思われます。
インターネット掲示板の書き込みの中に、犯罪を助長させるものがあるのは、
おそらく間違いありません。しかし、その規制手法が、令状に基づく強制捜査か、
実効性と透明性に疑問が残る削除要請しかないのでは、適切な対処が難しくなる
のではないでしょうか。
インターネット空間の自由度を犯罪から守るため、あるべき規制の在り方につき、
実体、手続双方の議論が望まれます。
【平成23年中の「インターネット・ホットラインセンター」の運用状況について】
http://mpse.jp/abitus/c.p?12cazt4d0d
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