Vol.36:胎動するIFRS導入への取組~日米のIFRS対応について~(4.9)
今回は、日本と米国のIFRS適用に向けた動きを見てみたいと思います。
米国でのIFRSの適用について、2月に開催されたIFRS諮問委員会で、SEC
(米国証券取引委員会)の主任会計士であるジムクローカー氏によるスピーチ
がありました。
そのスピーチによれば、米国は、IFRSの導入を米国基準へ段階的に組込を
通じて行うことを決定する予定とのことです。
この内容は、まだ検討段階で、今後数カ月以内に最終報告書を完成させる
予定であるとのことです。
上述のように、米国は、IFRSを完全導入ではないにしても、導入の方向に
動き始めました。これまで、米国はIFRSの適用に消極的であると解釈が
ありました。
しかし、ジムクローカー氏のスピーチでは、「米国がIFRS適用に消極的である」
との見解を否定し、終始IFRSに対して前向きな姿勢が強調されたとのことです。
一方、日本ではどうでしょう。
日本では、昨年6月の自見金融担当大臣のIFRS強制適用見送りの発言以降、
IFRS適用について慎重になる雰囲気があります。
しかし、昨年6月以降も、IFRSのプロジェクトを進めている企業もあります。
日本経済団体連合会が実施したアンケート調査でも、アンケートに答えた企業は、
何らかのIFRSプロジェクトが残っていると回答されていました。
最近では、花王や東洋ゴム工業、サイボウズなど IFRSへの対応を理由に
決算期を変更している企業も増えていますし、平成25年3月期をIFRSで開示する
ことを目標としている企業も少なくないようです。
!)ディー・エヌ・エーも、平成24年度からIFRSの任意適用を開始する予定と
2月に発表し、日本で5社目のIFRS任意適用会社になりそうです。
企業会計審議会でも、IFRSの適用範囲や適用方法等に焦点をあてた議論が
行われています。まだまだ意見の対立が見られますが、日本でも、少しずつ
適用に向けた議論が始まってきているように思います。
ところで、3月に行われた企業会計審議会では、監査法人のIFRS対応についても
焦点が当てられました。
その中で、
「大手監査法人のグローバルマニュアルや海外の先行事例に固執することなく、
原則主義の下で企業の会計方針や判断を尊重した適切な対応をお願いしたい」
との意見がありました。
まったくそのとおりです。
原則主義の下で行われるIFRS制度では、監査法人も重要な位置を占めます。
単に形式的なマニュアルや事例に縛られず、日本の事情や慣行、あるいは、
企業の個別の実態を勘案した判断が求められるのだと思います。
当監査法人アリアでも、企業様が各々の実態に即して、経営のプラスとなる
ようなIFRS導入が出来るよう、知識の研鑽、情報収集に努めています。
当法人がまとめたIFRS情報はコチラ(http://mpse.jp/abitus/c.p?42cazo0GgW )
(文・監査法人アリア)
中台 弘樹
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